カドミウムおよぴ鉛のtrans-1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸(C
yDTA)およびジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)錯体は,酢酸塩緩衝溶液中において解離反応(j=0, 1,…, n, j'=0, 1, …, n', M: Cd, Pb, cydta
4-: C
yDTA の4価の陰イオン), dtpa
5-: DTPA の5価のに基づく反応電流を示す.全反応速度定数kおよびk'は,一般にで表わされる.
C
yDATまたはDTPAと多量のカルシウムイオンを含む酢酸塩緩衝溶液中で,塩化物イオンを加えて反応電流を測定し,Korytaの式と各錯体の安定度定数値から(1)および(2)式の解離反応の速度定数を決定した.いずれも測定したpH範囲においては(3)式中の水素イオンの一次の項が支配的で,25°Cにおけるカドミウムおよび鉛-C
yDTA錯体のkの値はそれぞれ3.7[H
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-1およぴ0.4[H
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-1であり,カドミウムおよび鉛-DTPA錯体のk'の値は,それぞれ 2.5×10[H
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-1および 2.9×10
2[H
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-1であった.
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