日本化學雜誌
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90 巻, 3 号
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  • 北原 喜男, 安倍 信夫, 加藤 忠弘, 白幡 公勝
    1969 年 90 巻 3 号 p. 221-236
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アキタブキ``ふきのとう"は古来から民間薬として,また酒肴品として珍重されている植物である。著者らはその成分を検索し,10種類あまりの脂肪族カルボン酸を単離・同定した。この``ふきのとう"の苦味物質にはとくに興味がもたれるが,その成分として5種類の新しいセスキテルペンを単離し,東北地方の方言"バッケ'(ふきのとう)にちなんで,おのおのパッケノリドーA,B,G,DおよびEと命名した。化学的および物理的手段による構造解明の結果,バッケノリドーA(Bakkenolide-A,以下B-Aと略す)はブテノリドの部分構造をもつ三環性の新しいタイプのセスキテルペンであり,パッケノリドーB,C,DおよびEはいずれもB-Aと共通の骨格をもち,B-Aがさらに酸化された化合物であることが判明した。パッケノリド類に特有の骨格をバッカン骨格と命名したが,これはエレモフィラン格から転移して生合成されたと考えられる。
  • 北原 重登
    1969 年 90 巻 3 号 p. 237-241
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    粉末シリカゲルを温度範囲160~900℃で熱処理した.この熱処理シリカゲルのメタノール,エタノールおよび1-プロパノールに対する溶解量をオートクレ-ブを用い,温度100,150,175,200および225℃において測定した。溶解量は熱処理温度の上昇とともに300℃から500~700℃間の温度までは増大し,その温度を越すと逆に減少した.500℃で熱処理したシリカゲルの溶解量は,溶解温度200℃で,メタノール,エタノールおよび1-プロパノ0ルに対し,それぞれ1890.164081mg/lであった・アルコ一ルに微量の水を加えると,シリカの溶解量は滅少した。メタノールによる溶解溶液は不安定で, 室温に放置中溶解シリカの重合が観察された.シリカゲル粉末を溶解実験に用いるとその表面が溶媒のアルコ一ルでエステル化されることを赤外吸収スペクトルで確かめた。溶解機構としてつぎの過程が考えられるだろう。まずシリカゲル表面がアルコールでエステル化される。つづいてシリカゲルのシロキサン結合がアルコーリシスによってきれる。
  • 宇津木 弘, 渡辺 昭輝, 鈴木 幸三朗
    1969 年 90 巻 3 号 p. 242-249
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    タングステンに吸着した塩化リチウムの挙動をFEMを用いて検討した。tip全面に拡げると単分子層が完成される程度のドース(dose)およびその表面拡散の過程では,そのFEM像は塩化セシウムの場合とは異なり付着部位は暗像となり仕事関数もほとんど清浄タングステンの場合と変わらない(φ=4・2eV)。この状態でのFowler-Nardheimプロットの. preexponentia項中の電子放射面積の検討からこの状態での明像は未被覆タングステン表面からの電子放射によるのであり,付着塩化リチウムは関与していないことが確かめられた。これは二量体,三量体として吸着した塩化リチウム双極子の分子内配向性が相殺されていることによると考えられた.これよりも厚くドースした場合およびその表面拡散の過程で,付着塩化リチウムは印加電圧(電子放射の方向)でスパッタリングし,FEM像は付着部位が明像として認められ,仕事関数もいちじるしく低下する(φ=3・0eV)。加熱処理にともなう仕事関数の変化はほぼ塩化セシウムの場合と同じ傾向であるが,仕事関数が4.5eVより大となることはない。またこの状態での電界脱着では塩素類似のFEM像が示され,仕事関数も5.0~6.0eVと清浄タングステンのそれよりはるかに増加する。これらのことから,この状態ではスパッタリングにより塩化リチウムは一部脱着による分子内配向性の均一化により塩化セシウムの場合と同じく'tN-CI-Liの配向性を持つのであろうことが認められた。
  • 野村 浩康, 加藤 重男, 宮原 豊
    1969 年 90 巻 3 号 p. 250-254
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ボリメタクリル酸メチルートルエン溶液の超音波吸収を3MHzから60MHzの周波数範囲で測定した。試料極性高分子ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の分子量は約100万であった。20℃でのPMMA一トルエン溶液の超音波吸収量は・いずれの周波数でも濃度とともに直線的に増加した。濃度0定での超音波吸収量と周波数の関係は単一緩和過程を示し・その緩和周波数は濃度に無関係に一定であった.超音波吸収量と周波数の関係の温度変化を-10℃から30℃までで測定した。いずれの温度の場合も,この関係は単一緩和過程を示したがその緩和数は温度とともに増加した。緩和周波数と温度との関係,fr=Jr0 exp ( - 4Δ/RT),から求めた見かけの活性化エネルギーは1.7kcal/mo1であった。横波におけるW・LF・法と同じような重ね合わせが超音波吸収の場合にも成立し,濃度,温度,周波数についての換算係数を用いて・いずれの場合の超音波吸収量~ 周波数関係も1本の曲線に重ね合わせることができた。
  • 御堂 義之, 村田 弘
    1969 年 90 巻 3 号 p. 254-261
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    メチル尿素と他のモノアルキル尿素(炭素数2~4)の赤外吸収スペクトルを4000~400 cm -1の領域で測定した。メチルレ尿素のスペクトルを解釈するために,固体,液体,溶液の吸収帯の変化,重水素化による波数変化,他のアルキル尿素のスペクトルとの比較やメチル尿素の基準振動の計算結果を検討した。その結果,(1)メチル尿素のNH2はさみ振動とアミド五吸収帯は,固体で重なり,液体や溶液では2本にわかれる。(2)アミド吸収帯が明確になり,これらの吸収帯からモノアルキル尿素の分子形は,すべてトランス形配置をしている。(3)対称型アルキル尿素と比較すると極性共嶋構造の寄与が減少している。このことについて,対称型ジメチル尿素のスペクトルおよび基準振動の計算結果を合理的に説明することができる。(4)メチル尿素の基準振動の計算は1回の計算で平均偏差2.3%でよい結果をえたが,力の定数HOCNはメチル基の影響を考慮しなければならない。
  • 完戸 俊助, 伊藤 良夫
    1969 年 90 巻 3 号 p. 261-267
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    種々の大きさの粘度計液だめ,および種々の毛細管半径を用いてBagleyの末端補正法の妥当性を実験的に検討した。使用した試料は重合度6×103のシリコーンオイルである。一定のせん断速度のもとで,一定半径の毛細管を用いたときのP~1/r関係(P:圧力,1:毛細管長,r:毛細管半径)の直線性は良好である。しかし同じせん断速度でも半径が異なるときは必ずしも同じ末端補正値になるとはいえない。この不一致は主として液だめ中の粘弾性流によるもので,液だめ中の流れによる圧力損失を見積り,全圧力損失から差し引くことにより,正しい末端補正値をえることができる。このような取り扱いはレオ牌ジー的性質の未知な試料に対しては適用不可能であるので,このような試料の流動曲線を求めようとするときは十分大きな液だめをもつ粘度計を使用しなければならない。
  • 原田 光
    1969 年 90 巻 3 号 p. 267-271
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    カテコール,およびその4-位に-CH3,-COOH,-COOC2H5,-CHOを置換した誘導体の第一段,第二段の酸解離定数を電位差法と光度法によりそれぞれつぎのように決定した。pKH2L: -H 9.32, -CH3 9.44, -000H 8.89, -00002H5 8.08, -CHO 7.27pKHL: -H 12.03, -CH3 11.92, -COOH 11.65, -00002H5 11.65, -CHO 11.40これらのPKH2L1PH2L,値をそれぞれHamnettのσ値に対してプロットするとつぎのような勾配の異なる二つの直線関係がえられた。PKH2(L誘導体)=PKH2LO(カテコール)-1.78σPKHL(誘導体)=PKHLO(カテコ一ル)-0.44σこの直線関係をフモノールのPKAとσの場合と比較検討した.PKH2LよりもPKHLは置換基依存性頭小さいが,これは第二段の水酸基の解離のさいには,すでに第一段で解離したオルト位にある-〇〓基の電子的効果(電子吸引効果,電子供与効果など)が4-位の置換基の電子的効果を弱めるためであろうと考えられる。
  • 上田 一正, 山本 善一, 上田 俊三
    1969 年 90 巻 3 号 p. 271-275
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    3-ヒドロキシ-1,3-ジフェニルトリアゼン(以下HDTと略記) によるパラジウムの抽出吸光光度定量法について検討した。パラジウム(III)はHDTと反応して黄緑色のキレートを生成し・このキレートは種々め有機溶媒に抽出される.抽出溶媒としてベンゼンを用いると抽出液は長時間安定で.414-417mμに吸収極大をもつ。最適の抽出PH範囲は3.5-4.5であって,ベンゼン10ml中,バラジウム約50μgまでBeerの法則が成立する。モル吸光係数は2.56×104,感度は吸光度0.001に対し0.0041μg/cm2であり,抽出キレートのパラージウムとHDTのモル比は1:2である。共存イオンとして鉄(I,II)オスミウム(IV),スズ(II,IV),水銀(II)はパラジウムの定量を妨害するが鉄(II,III)はピロリン酸ナトリウム.銅(II),はニトリロ三酢酸の添加によりマスクできる
  • 今井 弘
    1969 年 90 巻 3 号 p. 275-279
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ローダミンBによる水銀(II)の吸光度定量法の諸条件を決定し,さらに吸光度法を用いてローダミンB-水銀(II)錯体の組成を決定した。
    定量方法は0.5~1.0Nになるように塩酸を入れた50mlメスフラスロに,0.2%ローダミンB 5m1または10ml,試料溶液,さらに1N臭化カリウム 3mlを加えたのち,標線まで蒸留水でうすめる。この溶液の25mlを分液漏斗にとり,ベンゼン5mlとジオキサン5mlの混合溶媒で水溶液中に生成した錯体を抽出し,30分以内に有機層の吸光度を550または562mμ で測定する。吸光度は水銀(II)約20γ/試料溶液25mlまで含むときBeerの法則にしたがった。臭化カリウムの添加は吸光度を安定にさせるとともに定量感度を高める役割をした。定量感度は0.2%ローダミンB 10ml/50mlを用いたとき,562mμ の波長で1.59×10-3γHg(H)/溶媒 1ml(log I0/I=0.001の場合)であった。
    生成した錯体の組成を連続変化法ならびに傾斜比法で調べた結果,1;1であることがわかった。
  • 高田 健夫, 中埜 邦夫
    1969 年 90 巻 3 号 p. 279-286
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 安田 研爾, 後出 〓, 桑田 勝
    1969 年 90 巻 3 号 p. 286-289
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シリカゲル薄層上に展開されたフェノール類,1V-アルキル(アリ-ル)芳香族アミン類を酸化窒素蒸気暴露により黄~ 褐色のスポットさして検出した。この方法は従来使用ざれている諸方法にくらべて感度においてはすぐれていないが,操作が簡単で迅速であり,永続性のあるスポットがえられるなどの長所を持っている。しかも酸化窒素蒸気暴露につづいて芳香族第一アミンの溶液(例:1-ナフチルアミンをメタノールーホルムアミドー酢酸[3:1:1]混合溶液に溶かして1%溶液とする)を噴霧し,100土5℃,10~20分間加熱すると,フエノール類のスポットは褐色に変わるが,1V一アルキル(アリール)芳香族アミン類は変化しないので両者を識別することができる。芳香族第-アミン類とNアシルアニリン類は酸化窒素蒸気暴露と1一ナフチルアミン噴霧により室温でアゾ色素を形成するので,本法は薄層クロマトグラフィーにおける芳香族第一,第二および第三アミン類,1V一アシルアニリン類,フェノール類の系統的検出法としても使用できる.酸化窒素との反応生成物として・フェノール,N,N-ジメチルアニリンからは相当するニトロ化合物が,2-ナフトールからは5H-ジベンゾ[a.j]フエノキサジン-5-オンがえられた。
  • 松本 昭, 浅野 晃司, 大岩 正芳
    1969 年 90 巻 3 号 p. 290-296
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    フタル酸ジアリルの重合を過酸化ベンゾイルを開始剤とし,種々の条件下で環化重合の観点から動力学的に検討した。重合速度と開始剤濃度の関係についてほ.Rpが[1]の1乗にも1/2乗にも比例せず,Rp/[1]i/2と[1]1/2の間に直線関係がえられることが理論的にも実験的にも求められた。重合速度,不飽和度および重合度はモノマー濃度の滅少とともに低下した。モノマー固有の環化能を示すところの未環化ラジカルの環状化反応と生長反応の速度定数の比Kc,が誘導された動力学式を用い,不飽和度のモノマー濃度依存性から求められた。60,70および85℃におけるKcの値は,それぞれ,7.5,8.2および8.9mo1/1と求められた。環状化反応の活性化エネルギーは生長反応のそれよりも1.6kcal/mo1大きい。
  • 村山 圭介, 森村 正治, 甘粕 治, 戸田 粛正, 山昆 螢子
    1969 年 90 巻 3 号 p. 296-304
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    2,2,6,6-テトラメチル4-ピペリドン〔1〕のN-オキシルラジカルは非常に安定な遊離基として興味をもたれている。その合成原料である〔1〕の合成法としては,アセトンに塩化カルシウムの存在下アンモニアガスを通ずる法やホロンにアンモニアを反応させる法などが知られているが,いずれも低収率であり反応時間も長い。著者らはアセトンとアンモニアから〔1〕を合成する法を検討し,〔1〕の他に多量の2,2,4,4,6-ペンタメチル-2,3,4,5-テトラヒドロピリミジン〔4〕と少量の1,9-ジアザ-2,2,8,8,10,10-ヘキサメチルースピ0[5,5]ウンデカン4-オン〔5〕を副生することをそれぞれを単離することにより確認した。この〔4〕に塩化カルシウムなどを反応させると〔1〕を約60%の収率でえることができた。〔4〕はアセトンから90%の高収率でたやすくえられるので,アセトンから〔4〕を経由して〔1〕を従来法にくらべより高収率にえることができるようになった・またアセトンから約70%の収率でえられるジアセトンアルコ一ル〔11〕にアセトン,アンモニアおよび塩化カルシウムを反応させて〔1〕を約45%の収率でえることができた.
  • 石川 延男, 林 誠一
    1969 年 90 巻 3 号 p. 300-304
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    sym-トリクロルトリフルオルベンぜン,1,3一ジクロルテトラフルオルペンゼンまたはクロルペンタフルオルベンゼンをジエチルエーテルーヘキサン混合液中,-70。Cで過剰のn-ブチルリチウムと反応させることにより,それらの1個の塩素原子をリチウムで置換することができた。えられたリチウム化合物をカルボキシル化して相当するペルクβ ルフルオル安息香酸が63~84%の収率でえられた。さらにペルクロルフルオルフェニルリチウム化合物は室温においてペルクロルフルオルベンザインを発生し,フランおよびベンゼン,トルエン,メシチレンあるいは1,2,4,5-テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素と1,4-付加物をつくった。これら環化付加物の構造ならびに異性体生成比をNMRスペクトルから決定した。
  • 辻野 陽一
    1969 年 90 巻 3 号 p. 304-309
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    フェノチアジン〔1a〕,フェノキサジン〔1b〕およびフェノセレナジン〔1c〕をそれぞれ室温でジメチルスルホキシドー無水酢酸混合物に溶解すると・徐々に酸化されて対応する2種の二量体すなわち,1,l0'-〔2c〕(mp154~155℃)と3,10'ピフェノチアジン〔3a〕,1,10'〔2b〕と3,10'-ピフェノキサジン〔3b〕および1,10'〔2c〕(mp163~165℃)と3,10'ピフエノセレナジン〔3c〕(mp216~217℃)を生成した。〔1a〕および〔1b〕の場合,反応混合物のESRスペクトルはそれぞれ対応するラジカルに帰属されたが〔1c〕の場合は吸収が弱くて帰属することはできなかった. また,これらの化合物の反応性は〔1b〕>〔1c〕>〔1a〕 の順であった。これらの結果から.この反応は対応するラジカルを申間体として進行すると考えられ,生成物は中間体の1位および3位の不対電子密度および立体障害により説明することができる。
  • 永井 洋一郎, 境野 芳子
    1969 年 90 巻 3 号 p. 309-313
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    2一フ鴻ニルフユナントロ[9,10-d]イミダゾールを水酸化カリウムのエタノール溶液申で飽和のフェリシアン化カリウム水溶液を用いて,酸素の存在下5℃で酸化しビス(2-フェニルフユナントロ[9,10-d]イミダゾリル)〔4〕をえた。同一の化合物(4)はジメチルスルポキシド中で次亜塩素酸ナトリウムを用いて酸化してもえられる。(4)のベンぜン溶液は室温付近ではサーモクロミズムのみを示すが-70℃付近ではホトクロミズムを示すようになる。固体,溶液状態での〔4〕の可逆的色調変化をESR,UVスペクトルなどにより調べた。〔4〕の熱解離定数はベンゼン溶液中で分光学的に測定すると1.50x10-7(8°G),1.12×10-6(31℃),2.94×10-6(41℃)と見積られる。この反応におけるΔHの値はおよそ23kca1/molである。
  • 花屋 馨
    1969 年 90 巻 3 号 p. 314-318
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    環状ケトン類の還元の立体化学的研究の一環として,1一テトラロンー3一カルボン酸エチル〔5〕の接触還元と化学還元を行なった。〔5〕は接触還元および水素化ホウ素ナトリウムで還元すると.`5-1-テトラロ一ル-3-ヵルボン酸エチル〔6〕(mp48~49℃)をおもに生成し,Meerwein-Ponndorfの還元ではtrans-1-テトラロール-3-カルボン酸イソプロピル〔9〕(bp164-164.5℃)を主生成物としてえた。〔6〕,〔9〕の立体配置は,それらのアセチル誘導体のNMRスペクトルの検討,および〔6〕と1-テトラロール-3-カルボン酸のラクトン〔10〕の水素化アルミニウムリチウムによる還元で同一ジオール体をえたことから決定した。これらの結果から,接触還元では3-位のエトキシカルボニル基は擬エクァトリアル配座にあるため触媒への吸着にさいして立体障害になり,おもにその反対側で触媒に吸着して水素化されるため,また,水素化ホウ素ナトリウムによる還元ではStericapProachcontro1の影響をうけて反応が進むためシス体をおもに生成し,Meefwein-Pronorfの還元では生成するアルコールのエピマーが比較的容易に平衡状態に近づくためトランス体を多く生成するものと推定した。
  • 安福 克敏
    1969 年 90 巻 3 号 p. 318-320
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 橋本 二郎
    1969 年 90 巻 3 号 p. 320-321
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 黒田 勝彦, 石川 延男
    1969 年 90 巻 3 号 p. 322-323
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1969 年 90 巻 3 号 p. A13-A17
    発行日: 1969/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
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