1) セルロースアセテート泳動法において蛋白染色とSchiff染色を組み合わせ,nephrosisでは血清α
1-蛋白が減少しないにもかかわらずα
1-G.P.が減少し,これは尿中に排泄されるためであることがわかった.
2) ポリアクリルアミドゲル泳動(垂直水冷方式)によってnephrosisにおけるα
2-G.P.の増加は,ハプトグロビンおよびα
2-マクログロブリンによることがわかった.
3) Nephrosisにおける血清中の蛋白結合ヘキソース濃度は,各分画とも一定の範囲内の値を示すが,ヘキソサミン濃度はα
2-G.P.量とともに増加した.α
1-G.P.では含有率が増す傾向を認めることができた.
4) Nephrosisにおける血清フコース量は,きわめて増加が激しく,糸球体基底膜の透過性亢進を示すのに有効と思われた.
5) 腎結石の形成にはPAS陽性物質がmatrixとなることはin vitro実験でも予測できたが,血清アルカリ性フォスファターゼも関与しており,特に腎由来アルカリ性フォスファターゼが特有のもので,化骨および再吸収に関与する可能性についても論じた.
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