生物物理化学
Online ISSN : 1349-9785
Print ISSN : 0031-9082
ISSN-L : 0031-9082
58 巻, 1 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
教育講演
  • 平塚 真弘
    2012 年 58 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/05/21
    ジャーナル フリー
    “ヒトの遺伝子配列のわずかな違い(遺伝子多型)により,医薬品の反応性が患者間で異なる場合がある.これらの違いを解析すれば,患者個々に最も適した個別化薬物療法が可能かもしれない”のコンセプトのもとに,多くの研究者が患者個々の「薬剤反応性」と「遺伝子多型」の関連性を精力的に研究してきた.特に薬物代謝酵素,薬物トランスポーター,レセプターなどの遺伝子多型が薬効や副作用発現の個人差に関連すると考えられている.いくつかの医薬品に関しては,その関連性が明らかになり,個別化薬物療法が可能なものも出てきている.この総説では,医薬品の反応性に関わる遺伝子多型について,最近の情報をまとめた.
特別講演
  • 野村 文夫
    原稿種別: 特別講演
    2014 年 58 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/01
    ジャーナル フリー
    疾患プロテオミクスの技術は進歩しているが,疾患バイオマーカーのdiscoveryから実用化に至るまでの道のりは平坦ではない。当該マーカーが最終ゴールに到達するには,基礎と臨床に加えて,関連企業との連携が必須と思われる。
    血清プロテオーム解析により我々が報告したフィブリノーゲンα C-chainのnear C-terminal fragment(FIC5.9と略)は簡便なELISA系の確立により,多疾患・多検体の解析が可能となった。その結果FIC5.9は慢性肝障害の早期肝線維化の評価に有効であることが見出されている。
    原発性肝細胞癌(HCC)は致死率の高い疾患であり,早期の診断が望まれている。我々は2D-DIGEを用いて原発性肝細胞癌の比較プロテオーム解析行い,癌部における高発現蛋白質を多数同定した。その結果に基づき,Ku86に対する血中自己抗体がHCCの新たな腫瘍マーカーとなり得ることを示した。
feedback
Top