人類學雜誌
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82 巻, 4 号
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  • 欠田 早苗
    1974 年 82 巻 4 号 p. 269-288
    発行日: 1974/12/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    台湾の種族特性に関して, 単一の研究者による数種族の生体計測値を比較した。漢族は高山族 (タイヤル, アミ族) より計測学的にまさり, 漢族内では出身の省をことにした福建系が広東系より体格が小さく, アミ族はタイヤル族より身体の大きいことが指摘された。
  • 西田 田鶴子, 中嶋 幸恵
    1974 年 82 巻 4 号 p. 289-294
    発行日: 1974/12/31
    公開日: 2011/02/23
    ジャーナル フリー
    健康な成人女子4名を被験者として, 人工気候室で, 室温20℃, 相対湿度50%の条件を求め, バレーボール (V), テニス (T), 卓球 (P), 体操 (G) の4種類のスポーツ・ウェァを着用し, 安静とともに600kpm/minに至る8段階の負荷動作における生体負担を測定した。その結果, 服種別平均皮膚温ではV・Tが有意に高く, P・Gが低かった。心拍数は, V>G>P>Tとなり, Tが有意に負担を少なくすることが認められた。心拍数やエネルギー消費との比較より, 着装実験においては単に衣内気候や皮膚温の推移をみるのではなく, 生理的指標を重視すべきことが示された。
  • 寺田 春水, 金沢 英作
    1974 年 82 巻 4 号 p. 295-302
    発行日: 1974/12/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    The relief changes on the body trunk surface during movement of the upper extremities were studied on a female subject with the aid of moire contourography.To represent these changes three-dimensionally and quantitatively, the superimposing method of moire photographs was introduced.A new contour map was obtained which provided information on antero-posterior relief changes on the body surface.Orthomorphic projection charts were also drawn in order to grasp the relief changes at a glance.
  • 森 梅代
    1974 年 82 巻 4 号 p. 303-318
    発行日: 1974/12/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    この研究はニホンザルのアカンボ期 (Bグループ), コドモ期 (Jグループ) のわんばくあそび (rough and tumble play), グルーミング行動, およびマウンティング行動における個体関係を中心に, その社会的発達とあそびのもつ社会的役割の考察を行なった。わんばくあそびの出現する頻度は, Bグループではメスの方が多く, Jグループではその逆になり, オスの方が多くなる。マウンティングはわんばくあそびに比べると, 出現頻度はきわめて少ないが, アカンボ期からすでにオス特有の行動として表われている。グルーミングは母親から受ける頻度が最も多く, 被調査個体の年令では, まだ十分なグルーマーの役割を果すことはJグループでも少ない。母親以外のグルーミングの相手は, きょうだい間, 中でも姉と弟妹間がほとんどである。
    わんばくあそびの相手個体は, Bグループでは同年令個体間で行われたものが84, 5%を占め, 同年令以外の相手個体ではきょうだいが最も多い。Jグループでは, 同年令個体間と, 年令差±2歳以内の個体間では, ほぼ期待値に近い値を示し, 大差はない。それ以上の年令差のある個体との間には, あそびはほとんど行われない。
    わんばくあそび, マウンティング, グルーミングともに, どの行動も期待値と比較すると血縁関係による偏りは大きい。3つの行動を比較すると, 血縁関係による偏りは, グルーミング, わんぱくあそび, マウンティングの順に少なくなっている。青年期後半になると, あそびは消滅するが, マウンティングやグルーミングはオ
    トナ社会の秩序系に組みこまれるといった観点から, この問題を考察した。
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