地理学評論 Series A
Online ISSN : 2185-1751
Print ISSN : 1883-4388
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82 巻 , 5 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
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論説
  • 高屋 康彦, 廣瀬 孝
    原稿種別: 論説
    82 巻 (2009) 5 号 p. 389-401
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    花崗岩を用いた二つの溶解実験の結果から,溶解特性に及ぼす要因について考察した.実験Aでは,固/液比を0.25,0.5および1に設定し,破砕した岩石試料を3種類の粒径(粗粒:32~45 mm;中粒:8~16 mm;細粒:1~2 mm)で振るい分けたもの200 gを用いた.実験Bでは,粉末試料1.0 gまたは直方体のブロック試料3.54×3.54×20.0 mm3を蒸留水50.0 mlと反応させた.その結果,溶解特性は表面積および固/液比の影響を大きく受け,その度合いは花崗岩では表面積の方が,花崗閃緑岩では固/液比の方が大きいことがわかった.花崗岩類が他の岩石に比べて溶けにくいことは,間隙率が小さいことと岩石中のアルカリ成分量が少ないことに起因すると考えられる.実験開始直後から初期の溶解特性は,有色鉱物の溶解特性の影響を受けやすい.花崗岩は破砕(粉砕)することにより,Fe,KおよびMgが溶出しやすくなるが,それは黒雲母の縁部からの顕著な溶解によると思われる.このことは,花崗岩の溶解特性が表面積の影響を大きく受けることの一因となっている.
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  • 吉田 国光
    原稿種別: 論説
    82 巻 (2009) 5 号 p. 402-421
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    本稿は大規模畑作地帯を事例に,大規模化の基盤である農地移動が農業者のいかなる社会関係のもとに展開するのかを分析し,大規模畑作地帯の形成過程を明らかにすることを目的とした.具体的には,農業者のもつ複数の社会関係を社会的ネットワーク分析における多重送信-単一送信の視点から考察した.研究対象地域は北海道音更町大牧・光和集落とした.対象地域における農地移動に関わる社会関係は,集落と中音更地区内での地縁に加えて小中学校を介した交友関係や血縁,公的機関を介したより広範囲にわたるものであった.多重送信的関係は農地移動に関わる社会関係の基盤となり,安定的な大規模経営の維持に寄与していた.一方で,さらなる大規模化を図る農家は単一送信的関係を活用し,集落という地域単位を越えた広い範囲で農地を集積していた.その結果,さらなる経営耕地面積の拡大が可能となり,大規模畑作地帯が形成された.
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  • 小田 隆史
    原稿種別: 論説
    82 巻 (2009) 5 号 p. 422-441
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    本稿は,欧米都市社会における新自由主義的な政治経済政策の転換を背景に,NGO・NPOによる公益サービスが,都市の諸政策遂行に重要な役割を果たすようになった点に着目し,米国ミネソタ州ツインシティに流入した難民集団の定住過程を事例として,ホスト社会側のNPOによる,難民に対する職住斡旋支援とインナーシティ問題解決に向けた諸活動の実態を考察した.まず,統計分析の結果,インナーシティ問題や職住の空間的「ミスマッチ」が確認され,難民が,そうした都市問題に陥っている現状を明らかにした.また,支援活動を「郊外職住支援型」と「インナーシティ再活性化型」に分類して分析したところ,支援主体のNPOは,資金調達の柔軟性,現場との近接性,活動域の広範性等のNPOとしての特性を活かし,難民定住問題を都市貧困問題と読み替え,貧困層一般を対象とした制度や財源を利用しながら難民定住を支援していることが判明した.
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  • 髙橋 品子
    原稿種別: 論説
    82 巻 (2009) 5 号 p. 442-464
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    近代八重山の廃村は,そのほとんどがマラリアによる人口減少が原因とされてきた.しかし一方で,マラリア禍の激しかった西表島において500年以上も存続してきた祖納のような集落も存在する.本稿では,近代廃村期(1900年から1938年)を生き延びたマラリア有病地集落共通の特徴を分析し,その集落存続要因を探った.その結果,不明な点の多い伊原間集落を除き,八重山のマラリア有病地存続集落はすべて蔡温施政期以前からの古集落であった.古集落は,良港や湧き水の存在など立地条件がもともと良く,生活基盤がすでに整備されていたため,近世の地元役人による不正な課税に苦しみながらも人口を維持し得たと考えられる.また,近代廃村期における石垣島と西表島の廃村状況およびマラリア罹患率の違いから,マラリア予防対策は西表島の方がより効果があがったことが明らかになった.資料の多く残る西表島の古集落祖納を事例として検討したところ,住民による自発的集落移動や予防事業への全面的協力があった.祖納のような古集落には,人口減少を回避する強い集落内結束があり,こうした人間関係を基にした社会構造が,マラリア禍を緩和し,集落存続のための生存戦略を生む背景となっていたのである.
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総説
  • 藤本 潔
    原稿種別: 総説
    82 巻 (2009) 5 号 p. 465-490
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    氷河性アイソスタシーにより沈降傾向にある北海南部大陸沿岸の海面変化研究史をまとめるとともに,地質層序や地形発達との関係も考慮し完新世中期以降の海水準微変動について考察した.オランダ西部から北西ドイツに共通する現象として,5200~4500 cal BPの海面上昇停滞または海面低下と,4500~4100 cal BPの上昇の加速が認められた.また2350~1900 cal BPの塩性湿地の一時的な離水現象から,この間の海面低下とその後の再上昇が推定された.北西ドイツで推定されている3300~2900 cal BPの急激な海面低下はオランダでは認められない.オランダの海面変化曲線は圧密の影響を排除するため,基底泥炭基部から得られた14C年代値に基づく地下水位変動曲線から間接的に推定されたものである.この手法では海面低下の検出は難しく,見かけ上海面上昇速度の低下または停滞と認識される可能性がある.
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