大規模地震などによる倒壊家屋の内部には,建物の損壊に巻き込まれた被災者がいる可能性があり,早急な救出活動が必要となる.発災当初に広域の家屋の被害状況を把握するには空撮画像の分析が効果的であるが,その判別は現在専門家による目視判読に依存しており,膨大な処理時間を要している.本論文では,空撮画像の建物区画内複雑度ベクトルをSVMを用いて建物の被害状況を自動判定する局所複雑度ベクトル評価法を提案し,評価結果を示した.熊本地震後に撮影された空撮画像を用いた専門家による目視判読との比較の結果,倒壊家屋の約74.8%を目視判読と同様に判定し,目視判読の約40分の1の処理時間で推定できることがわかった.