画像電子学会誌
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30 巻, 6 号
November
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論文
  • 高橋 克直, 富永 英義, 杉浦 麻貴, 横井 摩優, 寺島 信義
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 6 号 p. 695-705
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    本論文では, 動画像識別情報として提案している画紋を, MPEG-2エンコード時にその動画像から分離する動画像スクランブル手法を提案する. 提案手法では, Intra(フレーム内圧縮)フレームの各slice層の先頭ブロックのDC予測値を, 各フレームの内容に依存した値, 画紋値から作成される値を用いて操作することで実現している. 提案手法により作成されるMPEGストリームは, MPEGシンタックスを満たしており, 通常のMPEGの再生機で再生可能であるが, 分離された画紋を用いずに再生すると画質劣化した動画像が再生される. MPEG-2の標準化に用いられた9テストシーケンスに対し、通常のMPEG-2エンコードでは平均PSNR(Peek Signal Noise Ratio)が31. 9dBのところ, 提案手法を適用すると, 平均PSNRを20. 3dBへと約11. 6dBの画質劣化を生じさせることが可能である. また, 提案手法により, 画紋以外にDC予測値への操作法を表すための付加情報分の情報量が増加するが, DC予測値のVLC(Variable Length Coding:可変長符号)長の削減ビット数を示し, 付加情報の増加ビット数を上回ることを実験的に示す.
  • 玉置 友一
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 6 号 p. 706-715
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    動き劣化画像の動き劣化長さと方向を推定するために, パワースペクトル解析は原理上非常に有効であるが, 画像の種類や信号対雑音比(SNR)が低いときなど実際には困難が多い. そこで本論文ではこのような場合に対するパラメータ推定のための新しい方法を扱う. この方法においては先ず, スペースバリアント(空間非一様)な動き劣化画像を扱う故に, 原画像のパラメータ評価領域としてサブブロック画像を設定する. 次にこのサブブロック画像において, その中心画素を原点とする2次元パワースペクトルを調べ, その値が90度方向の値との比で最大となる方向を劣化方向と定める. 更に, ケプストラム解析を行ない, 上で推定した劣化方向でのケプストラム値の極値探索により, 劣化長の候補を得る. そして, このいくつかの候補劣化長に基づいた復元画像の分散と観測画像の分散の比が, 一定範囲内で最大値を示すものを最終的に推定劣化長とする. ここで, この結果をより一層安定に得るために, 観測画像に対しLOG(Laplacian of Gaussian)オペレータを通して得たスケールスペース画像を対象とすることを特に提案している. サンプル画像によるこれらの具体的な実験の結果, 提案方法の有効性を確認できた.
  • 山崎 達也
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 6 号 p. 716-722
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    カラー画像などの多次元画像データを対象に, 領域分割を行うことを目的としたデータ駆動型の多次元ヒストグラム法を提案する. 観測画像は複数の密度関数から発生した多変量データと考えられ, ここで画像を構成する密度関数の数は未知とする. 提案手法は観測データより必要統計量を推定するノンパラメトリックな手法であり, そこでは多次元ヒストグラムのヒストグラム幅と密度関数の数を観測データに基づいて推定している点が特徴である. 具体的には統計的解析に用いられるデータ画素数と密度関数の数の増加の中立点を決定する規範を提案し, この規範が解をもつことを示す. その後, 統計的検定により密度関数の統合を行い, 最終的なクラスタ数としている. 提案手法を計算機シュミレーション実験および実カラー画像の領域分割に適用し, 提案手法の有効性を示す.
  • 包 躍, 喜名 貞幸
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 6 号 p. 723-730
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    メガネなし立体ディスプレイの代表的の方法としてパララックスバリア法やレンチキュラ法がよく知られている. しかし, これらの方法は左右の視差像の画像を交互に配置する必要があるため, 解像度が低下し, 複数の観察者の移動に対応できない問題がある. 近年これらの問題を解決できるバックライト分割方式の立体ディスプレイが提案されている. しかし, 2枚の視差像表示パネルと, それぞれ離れた位置に独立の光源が必要のため, 構造上小型化が困難である. 視差像表示パネルのラインごとに右眼視差像と左眼用視差像を交互に並べて表示すれば, 1枚の視差像表示パネルのみの改良型も可能であるが, 立体画像の解像度が半分に低減される. 本論文ではフロント光源反射型立体ディスプレイを提案する. この新しい立体ディスプレイはバックライト分割式立体ディスプレイの利点を有するとともに, 従来の2視差像表示パネルのバックライト分割方式に比べて体積が1/3となり, 光源が1つのみで十分である. また, 従来の1視差像表示パネルのバックライト分割方式に比べても同じ体積で解像度が2倍になる特徴がある.
技術解説
連載技術解説
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