画像電子学会誌
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最新号
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随想
創立50周年記念招待論文
  • 渡邉 隼人, 岡市 直人, 加納 正規, 佐々木 久幸, 洗井 淳
    2022 年 51 巻 4 号 p. 300-307
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/12/25
    ジャーナル 認証あり

    光線再生型3次元ディスプレイは,物体からの光線情報を忠実に再現することで,滑らかな運動視差がある自然な3次元映像を特殊なメガネを用いることなく表示できる.この特長から光線再生に基づく様々な表示方式が活発に研究開発されている.視差方向に注目したとき,光線再生型3次元ディスプレイは水平視差型とフルパララックス型の二種類に大別できる.一般的にフルパララックス型は水平視差型に比べて画素密度などの表示特性が低いが,顔を傾けたときでも3次元映像を視聴できるため,より幅広い分野へ応用できる可能性がある.本稿では,水平視差型についても解説しながら,インテグラル3Dディスプレイ,アクティナビジョン,レイヤ型ディスプレイなどのフルパララックス型の光線再生型3次元ディスプレイについて主に論評する.また,光線再生型3次元ディスプレイとは異なる原理に基づいてフルパララックスな3次元映像を表示する体積型ディスプレイについても概説する.

ビジュアルコンピューティング論文特集号
論文
  • 劉 家慶, 木下 将児, 柴 樹榕, 健山 智子, 岩本 祐太郎, 陳 延偉
    2022 年 51 巻 4 号 p. 309-317
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/12/25
    ジャーナル 認証あり

    歩行は人間の基本動作の1つであり,個人の特徴や感情を表現する動作としても捉えられる.近年,歩行から人間の感情を認識する研究は盛んになっている.特に,骨格データを用いた時空間グラフ畳み込みネットワーク(Spatial-Temporal Graph Convolutional Network: ST-GCN)による感情認識において,歩行ごとに関節間の関係性を考慮することにより,高い認識精度が報告されている. 一方で,人間の感情によって注目すべき歩行動作が異なるため,各関節点の重要度が異なる.そのため,本研究ではベースラインモデルであるST-GCNにグラフノード(関節点)方向とチャンネル方向にそれぞれAttention機構を導入した,Dual Attention時空間グラフ畳み込みネットワーク(ST-GCN DA) を新たに提案し,感情ごとに重要な関節点と特徴に自動的に注目させ,重要な関節点または特徴に大きな重みをかけ合わせることによって認識精度の向上を目指す.提案手法は,感情-歩行データセット(Emotion-gaits)を用いてその有効性を検証し,既存法より高精度であることを確認した. また,ノード方向のAttentionの重みにより,各関節点がどの程度各感情ラベルに寄与しているかを確認した.感情ラベルが幸せの場合,歩行は全体的に軽快な動きであり,特に下半身の動きが重要視されていることが確認された.感情ラベルが怒りの場合は歩幅が短く,全身が激しい動き,悲しい場合は前のめりの弱々しさなど,歩行に対するイメージや歩き方が顕著に反映されていることを提示した.

資料論文
  • 山本 高美, 中山 雅紀, 坂元 章, 藤代 一成
    2022 年 51 巻 4 号 p. 318-326
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/12/25
    ジャーナル 認証あり

    本資料論文は,画像電子学会英文誌掲載の論文「3D Distance Field-Based Apparel Modeling」に関連したものである.同論文で報告した先行研究では,まずボリューム表現された人体モデルに左右対称化・平滑化を施して,仮想トルソーを生成した.次に,ボリュームモデルから導出可能な3Dディスタンスフィールドに対して,しきい値処理を施し,詳細に計算されたゆとりをもった,女性用・男性用身頃原型,男性用ベストの衣料を開発した.本資料では,同論文の処理フローを拡張し,人体に最も近い形状の立体裁断用個別型実トルソーが開発できることを示す.はじめに,3Dスキャナで得られたデータと同形状を得るためのしきい値の候補を抽出し,評価実験参加者20名の3D計測データを用いて,対応のあるt検定,2要因分散分析を行なった結果,しきい値0.4(0:体外,1:体内)の等値面が3Dスキャナで得られた人体形状に最も近いことを示した.次に,多様なデザインの密着した衣料を立体裁断可能にするために,その等値面データを,発泡スチロール切削加工によって3Dプリントして,立体裁断用個別型実トルソーを作成した.そして,その立体裁断用個別型実トルソーを用いて,身体に密着したドレスを立体裁断で製作し,試着評価により体型にフィットすることを確認した.

ショートペーパー
  • 矢花 明莉, 藤澤 誠, 三河 正彦
    2022 年 51 巻 4 号 p. 327-331
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/12/25
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,昼花火を物理シミュレーションを用いてCGアニメーションにより再現する方法を提案する.昼花火は打ち上げ花火の一種であり,中でも本研究は「煙竜」と呼ばれる昼花火を対象とする.煙竜は,発煙筒をつけたパラシュートを打ち上げて,パラシュートの落下とともに煙が描く螺旋状の軌跡を鑑賞する花火である.提案手法では,パラシュートのシミュレーションと流体シミュレーションによる煙を組み合わせることで,煙竜をCGで再現する.パラシュートのシミュレーションでは,屋根部分を航空力学に基づく力を考慮したパラシュートモデル,荷物部分を自由落下する質点としてモデル化し,間を繋いでいる紐をバネ・ダンパを用いて表現する.煙は格子法を用いた流体シミュレーションによって再現し,パラシュートの荷物部分から煙を噴出することで煙竜のシミュレーションを行う.

  • 藤田 恭輔, 森本 有紀
    2022 年 51 巻 4 号 p. 332-337
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/12/25
    ジャーナル 認証あり

    イラストを液体のように表現し,水滴が分離するアニメーションエフェクトが様々な作品で見られる.このようなエフェクトは一般的にLiquid motionなどと呼ばれる.Liquid motionは手描き作業もしくは,既存のソフトウェアを用いて作成できるが,前者は大変な作業であり,後者は柔軟性に欠け,表現が乏しい.本研究では,イラストと水滴の移動経路のパスを主な入力とし,そのようなエフェクトアニメーションを容易に付与する手法を提案する.弾性体シミュレーションを用いることでイラストと水滴の相互作用的な動きを表し,入力イラストを損なわないようにメタボールを適用することで滑らか,かつ,従来のLiquid motionの持つ特徴を再現する.

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