画像電子学会誌
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42 巻, 3 号
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招待論文
論文
  • 王 翠, 久保田 彰, 羽鳥 好律
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 3 号 p. 345-357
    発行日: 2013/05/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    本論文では,非因果的内挿予測と直交変換とのハイブリッド符号化を用いたマルチエンコード選択型の符号化方式を提案する.提案方式は,直交変換と量子化順序の組合せにより11種類のモードを設定し,ブロックごとに符号化誤差電力が最小となるモードを選択する.実験により,実現したい所要符号量によって直交変換の優劣が変動することを確認し,複数のモードから選択的に符号化を行うことの有効性を示した.その上で,従来ハイブリッド符号化方式において用いられてきたゾーナルサンプリングを,空間領域でのサブサンプリング処理にまで拡張できることを示し,所要符号量の制御に有効であることを示した.さらに,H.264 (High Complexity Mode) に比べて,提案方式はPSNRで最大約6 dB 程度の画質改善があることを確認した.特に,提案方式では,精細部分での画質の改善があること,高ビットレートにおいて特性改善が顕著であることが示された.
  • 福田 康範, 山本 薫, 坂本 雄児
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 3 号 p. 358-365
    発行日: 2013/05/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    イメージベースドレンダリングの技術の一つに,一枚の画像からウォークスルーを実現する“Tour Into the Picture (TIP) ”がある.しかし,TIP では前景物体を平板状としているため大きな視点移動には対応していない問題がある.この問題を解決するために,本稿では前景物体の三次元モデル生成手法を提案する.提案手法では,回転スイープに基づいて三次元モデルを生成し,フラクタル性を考慮して凹凸を付与している.手作業よりも大幅に短い時間で三次元モデルを生成でき,前景物体に対して適切な三次元モデルを生成可能である.
  • 田邉 翼, 小林 由佳, 数藤 恭子, 金子 博, 佐野 睦夫
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 3 号 p. 366-373
    発行日: 2013/05/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    実空間上の軌跡を対象とする認識問題は,2次元においては,オンライン文字認識に見られるように多くのアプローチと実用例が示されているが,3次元では解法・応用例ともに少ない.これは,状態のクラスタリングが複雑になるなど,画像認識とは異なる3次元処理の困難さが伴うことも一因である.これに対し我々は,先に一般化された線形回帰モデルであるProcrustes 解析を応用した手話動作の3次元軌跡の認識法を検討した.Procrustes 解析は,2つの時系列データをさまざまな線形変換のもとで比較する問題であるが,統計学的応用は多いもののパターン認識への適用は少なかった.その理由としてProcrustes 距離は非対称な関数であり,いわゆる距離関数ではないことや,そのために標準パターン(学習パターン)の生成方法に明確な指針がないことがパターン認識応用において問題となることが挙げられる.本稿では,先の検討を踏まえ,これらの問題に対する解決方法として,いくつかの標準パターンを提案して評価する.さらに手話動作の認識に提案手法を適用し,空間時系列パターン識別に対するProcrustes 解析の有効性を検証した.11種類の単語の認識実験の結果,最大で87%の再現率が得られた.
  • 常盤 公德, 福江 潔也, 曽根 光男, 長 幸平, 松前 義昭
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 3 号 p. 374-383
    発行日: 2013/05/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    法科学(科学捜査)分野における筆者異同識別は,テキスト依存のオフライン型筆者照合の代表的応用分野の一つである.しかし,いまだ研究開発段階にとどまっており筆跡鑑定に利用されているという状況に至っていない.本論文では,日本語全般(ひらがな,カタカナ,数字,漢字)を対象とした,字画パターンのみに基づくシンプルな筆者異同識別法を提案する.提案手法は,筆跡に関して限られた特徴のみに基づいて識別を行うにもかかわらず,4 文字を使用した場合で99.9% 以上という実用レベルの識別精度が得られることを被験者約100~300 人の識別実験で確認した.また,本論文では,ひらがな,カタカナ,数字,漢字に関する識別特性の違いについても評価した.
  • 嶋田 恭兵, 東海 彰吾, 長谷 博行
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 3 号 p. 384-391
    発行日: 2013/05/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    本論文では,多数のAndroid 携帯端末による同時撮影を行うためのシステム構成とその動作について述べる.Android 端末を多視点で使用することで,機器のコストを抑え,なおかつ様々なセンサ情報を映像とともに得ることができる.得られた多視点映像やセンサ情報を統合して利用する場合,時刻やフレームの同期の管理が必要となるが,各々が自由に撮影を行った場合,映像間の対応を探し出すコストが問題となる.これを解決する手段の一つとして本論文では使用する撮影機器を同時に作動させる方法を提案する.映像第一フレームを全カメラで同時刻のものとすることで,その後の映像統合処理の手間を軽減することが期待できる.しかし,ただ単に撮影開始命令を同時に発するだけでは,端末固有の差による撮影開始時刻のずれが積み重なる.そこで本研究ではNetwork Time Protocol(NTP) と事前に獲得した各端末の撮影開始遅延特性を利用した制御方法を提案する.さらに,撮影における同期性能について検証した結果,制御起点の端末に対して最大でも約110ms のずれで15 台の端末を同時制御することが確認できた.これは30fps で4 フレーム以内のずれであり,映像間の対応付けを容易にすることが期待できる.
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国際標準化戦略としての今後の標準化人材育成(8)
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