手話はろう者が用いるコミュニケーション方法の最も一般的な方法の一つであるが,聴者の多くはそれを習得していないため,ろう者と聴者とのコミュニケーションには大きな障壁が存在している.そこで手話の自動翻訳が実現できれば,ろう者と聴者によるコミュニケーションの円滑化に寄与すると考えられる.著者らは,スマートフォンに内蔵されている光学式カメラとCPUを用いた手話翻訳の実現を最終目標に取り組んでいる.本論文ではカラー手袋と光学式カメラを用いた手話認識手法の検討を行い,認識のための特徴要素として,カラー手袋の色領域の重心位置と面積から6種の特徴要素を抽出する.そして,それらの特徴量をHidden Markov Model (HMM), Support Vector Machine (SVM), Discriminant Analysis (DA), Linear Classification Model (LCM), k-Nearest Neighbor algorithm (k-NN), Decision Tree (DT) という判別方法の異なる6種の識別器それぞれに入力し,各識別器の単独の性能を評価する.さらに高精度な認識の実現を目標に,それらの識別結果を組み合わせる方法を提案した結果,35単語に対して単独では73.1%,組み合わせでは76.8%の性能を確認した.
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