画像電子学会誌
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32 巻, 6 号
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論文
  • 包 躍, 東 利英
    2003 年32 巻6 号 p. 794-801
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/02/19
    ジャーナル フリー
    人間が知らない環境を歩くとき,建物や標識などを記憶して道を覚えていく.本稿はこのように一度通過した経路の周辺環境より,ランドマークを自動的に生成することにより各局所の環境地図を構成・記憶することをステレオ視で実現する方法を提案し,それらの環境地図と走行環境内のランドマークを用いた自己位置同定法を示す.実環境の複雑さに対応するため,ステレオ視にはカラーヒストグラムと領域分割式マッチング手法,自己位置同定には二次元ヒストグラム法を用いた.実環境画像による計測実験の結果,環境地図作成地点より半径40[cm]以内,姿勢変化5度以内の場合は位置・姿勢測定誤差が平均で1.37[cm],0.66[deg]であることが確認された.
  • 包 躍, 小佐古 純
    2003 年32 巻6 号 p. 802-807
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/02/19
    ジャーナル フリー
    近年提案されている移動ロボットが環境内における自己位置計測をするのに利用するランドマークを環境地図として移動ロボット自ら作成するという手法には,各観測地点でランドマークを統合している手法が多数ある.しかし,この手法は同一のランドマークであっても観測方向が変わると統合できなくなってしまい,自己位置計測時に利用できるランドマークが減少してしまうという問題があった.著者らは,各地点でランドマークの統合を行わずに局所的に利用する新しい手法を提案する.この手法には,局所環境地図地点を決定する際,局所環境地図の作成地点が環境から自動生成されたランドマークの個数を基準に決定するという特徴と,二次元分布図投影を行い,自己位置計測の誤差距離を小さくするという特徴がある.
  • 宮阪 健夫, 広瀬 誠, 荒木 和男
    2003 年32 巻6 号 p. 808-814
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/02/19
    ジャーナル フリー
    現在,運動物体を高速かつ連続的に三次元計測し,動距離画像を出力することのできる装置が現実的なものとなりつつある.このような動距離画像の用途としては,3Dアニメーションや人体の運動解析など,様々なものが考えられるが,計測によって得られた複数の距離画像そのものから,運動情報を得ることは困難である.そこで,これら複数の距離画像間の各計測点の運動を速度ベクトルとして算出したレンジフローを求めることが必要となる.
      従来のレンジフローの検出法では,それぞれの距離画像の奥行きそのものを特徴量とし,この一つの特徴量のみを用いて拘束式を立て,その拘束式に様々な仮定にもとづく付加的な条件を加えることにより,レンジフローの算出を行ってきた.そのため,対象の動きにたいして制約が必要であったり,繰り返し法を用いることにより,処理時間が多くなるという問題を抱えていた.そこで,本稿では,距離そのものだけでなく,距離画像の各点固有の特徴量であり,剛体運動によって変化することのない主曲率(最大主曲率,最小主曲率)を特徴として用いることにより,三次元速度ベクトルの各成分を未知数とする独立した三つの拘束式を導出して,物理的な曖昧性を排除し,かつ,繰り返し演算を必要としない高速で精度が高いレンジフロー検出法を提案した.この手法をシミュレーションデータ,および,実測データに適用したところ,その有用性が確認できた.
  • 酒井 晃二, 小山田 耕二, 坂本 尚久, 松田 浩一, 土井 章男
    2003 年32 巻6 号 p. 815-824
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/02/19
    ジャーナル フリー
    線積分畳込み (LIC; Line Integral Convolution) 法は,ベクタ場からイメージを生成する効果的かつ強力な手法である.三次元LIC法において,与えられるベクタ場内の適切な興味領域 (ROI; Region of interest) を選択することは非常に重要である.
      著者らは,渦中心付近のような異方性ベクタ場を理解するための表現として,時間志向重要度を提案する.著者らのROI特定方法は,渦中心付近から特定ピクセルの位置まで仮想無重量粒子が通過する時間を利用する.
    著者らは,この手法の効果を確認するために,異方性渦ベクタ場を用い距離志向と時間志向の2種類の重要度を設定した.これらの出力イメージの違いを適用例とともに提示する.
  • 佐藤 知弘, 佐藤 和弘
    2003 年32 巻6 号 p. 825-831
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/02/19
    ジャーナル フリー
    最近,多量のディジタル電子画像をパソコンで管理する機会が多くなった.多量な画像データを管理する場合,画像に付随した情報を音声データで付加しておくと,画面上に文字を表示することなく音による画像の状況説明が可能となる.このような音声処理は,音と画像を媒体の別領域に記録するのが理想的ではあるが,画像の編集を行う際に音情報の領域も併せて編集しなくてはならなくなる.
      そこで今回,画質の劣化を極力抑えながら画像内に直接音声データを埋め込むことを検討した.音情報は8ビットで量子化して2ビット単位以下のビットプレーンに分解し,2×2画素の画像エリアに対し,人間の目が最も鈍感なB信号に6ビットの情報を,また赤信号には2ビットの情報を埋め込んだ.その結果,約10秒程度の音声信号を録音できる見通しを得た.
  • 小田島 太郎, 神原 誠之, 横矢 直和
    2003 年32 巻6 号 p. 832-840
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/02/19
    ジャーナル フリー
    近年,ウェアラブルコンピュータ上で拡張現実感 (AR: Augmented Reality) を実現する研究が行われている.これにより,従来では困難であった屋外における拡張現実感が実現でき,観光名所などで建物への注釈情報を付加するといった観光ガイドとしての応用などが可能になる.一般に拡張現実感を実現するためには,現実環境と仮想環境との位置合わせが重要な課題となり,そのためにはユーザーの位置と姿勢を計測する必要がある.本論文では,位置の計測にハンドヘルド式GPSを,姿勢の計測に光ファイバジャイロを用いた屋外で利用可能なウェアラブル型注釈提示システムを提案する.提案システムでは,注釈提示に加えて静止時には姿勢センサの誤差を画像処理により補正し,高い位置合わせ精度の要求される仮想物体の重畳表示を実現する.また,実際にプロトタイプシステムを構築し,その有用性を示す.
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