画像電子学会誌
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36 巻, 6 号
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特別講演
論文
  • 広川 知剛, 犬井 正男, 森岡 東洋志, 東 吉彦
    2007 年 36 巻 6 号 p. 856-862
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    物体色のデータベースから得られた実在の物体色の色域を超えないように彩度C*を高めることによって,sRGBなど,せまい色域で表示させるために作られたディジタル画像の彩度を高める手法を開発した.彩度を高める際には三つの異なる関数を用いた.自然さについての主観評価実験により,本手法は従来法より良好な結果を示した.また,彩度を高める関数のうちnonlinearでもっとも自然な画像を得られることがわかった.更に,クラスタ分析によって被験者が正反対の評価傾向をもつ二つのグループに分かれることがわかった.
  • 山口 直木, 大恵 俊一郎
    2007 年 36 巻 6 号 p. 863-868
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    本稿は,自由曲線から抽出した線分を用いてその自由曲線を折れ線近似する手法を提案し,その有効性を実験により証明したものである.従来の折れ線近似法では,各点の座標値が既知であり,かつ,順列に並べられた点列を用いて作られた図形に適用する場合が多かった.これは,自由曲線から線分を抽出することが難しいということに起因するものであった.そこで,提案手法では,自由曲線から線分を抽出するために,まず,角度パターンと名付けたパターンを用いて画素単位での微小な線分の検出とその傾きを表現する.次に,その角度パターンを線分ラベルと名付けたラベルに弛緩法を用いてラベル付けを行うと,同一ラベルの点列を線分として抽出することが可能となる.提案手法では,図形に対する前情報を一切必要とせずに自由曲線を折れ線近似することができるので,パターン認識等の特徴抽出法として,非常に有用であると考えている.
  • 久世 康之, 斉藤 文彦
    2007 年 36 巻 6 号 p. 869-875
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    近年,様々な環境下において,目視によるビデオ監視システムの需要が増加している.監視システムの目的の一つに,不審者の検出がある.しかし,撮影映像のコントラストが極めて不良な場合,監視対象となる人物の特徴を視覚的に把握することは困難となる.本稿では,人物などの微動物体を含む低コントラスト映像から,対象領域内のコントラストを改善した1枚の画像を生成する手法を提案する.コントラスト改善された結果画像を得るために,映像を構成する全フレームから,画像生成に有効なフレームだけを自動選択する.また,人物の微動に対応するために,対象画像領域の移動による相互位置決め後に フレームごとの加算処理を行う.フレームと移動量の選択の最適化には遺伝的アルゴリズムを適用する.実験の結果,提案手法によって,超低コントラストな監視映像から,コントラスト改善された画像が生成された.
  • 辻 正博, 長谷川 まどか, 加藤 茂夫
    2007 年 36 巻 6 号 p. 876-882
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    近年,ディジタルコンテンツの不正コピーによる著作権侵害が問題となっている.このような問題の対策の一つとして,電子透かし技術の研究が行われている.電子透かしは,透かしが埋め込まれた合成画像からもとの原画像に復元することが可能な可逆電子透かしと,もとの原画像に完全には復元できない非可逆電子透かしとがある.非可逆電子透かしは,医用目的などある種のアプリケーションに対しては利用できない場合がある.そこで,本研究では,透かしが埋め込まれた合成画像から原画像に復元可能な可逆電子透かし方式を提案する.本方式では,ウェーブレット変換係数をペアにして一つのベクトルとして扱い,1ビットの透かし情報を埋め込む.このとき,埋め込み前後のベクトルを1対1に対応させることで,原画像復元を可能とした.透かしの耐性について,先に著者らが提案した非可逆の電子透かし法と比較し,本方式は可逆であることに加えて,耐性の面においても有効であることを示す.
  • 板井 善則, 金 亨燮, 石川 聖二, 桂川 茂彦, 石田 隆行, 川下 郁生, 粟井 和夫
    2007 年 36 巻 6 号 p. 883-890
    発行日: 2007年
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    現在,集団検診や病院内での胸部CT検査に利用できる経時差分技術の 開発が期待されている.そこで本稿では,胸部マルチスライスCT画像に対する 経時差分手法を開発した.本手法では,経時差分画像上のアーチファクトを 低減するために,三次元画像マッチング手法を用いて経時画像間の位置合わせを 行った.本手法を胸部マルチスライスCT画像20症例に適用し,経時差分画像上の 病巣陰影の強調の程度や,アーチファクトの減少を確認した.また経時差分画像から作成したヒストグラムを解析することにより,経時差分画像上のアーチファクトの定量評価を行った.実験結果から,アーチファクトのコントラストおよび総量の平均18.9%の減少,および平均16.6%減少を確認し,本手法の有効性が示された.
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