語長効果とは, 長い語が短い語よりも再生されにくいという現象であり, 大人や年長の子どもの場合, 作動記億内のリハーサル活動を反映したものであると考えられている。実験1では, 直後再認課題を用いて, 3, 4歳児の語長効果を調ベ, 幼児のリハーサル活動の有無について検討した。条件1では29名の3, 4歳児に長い語と短い語の音声情報のみを提示し, 柔件2では, 30名の3, 4歳児に音声情報と視覚情報を同時に提示した。検索手がかりは, 音声モードでの再認を求める音声検索手がかり条件と視覚的モードでの再認を求める視覚検索手がかり条件の2条件を設定した。その結果, 条件lと条件2ともに, 音声検索手がかり条件でのみ語長効果が見られた。さらに, 実験2では, 19名の3, 4歳見に対して直後再認課題と遅延再認課題の両課題について音声検索手がかり条件で再認を求めた。その結果, 直後再認課題で見られた語長効果が遅延再認課題そは見られなかった。以上のように, 逐次的な再生ならびに言語出力を求めない直後再認課題で語長効果が確認されたことから, 幼児の語長効果が再生出力時の処理のみを反映したものではなく, 作動記億内のリハーサル活動を反映したものであることが示唆された。
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