余剰生産能力を用いて新たな注文を引き受ける際に,従来,その価格は通常の販売価格より低くても変動費を上回ればよいとされているが,長期的に考えると,固定費部分を回収し損なうため,余剰生産能力が削減対象になりかねない.これに対し,王(2022, 2024)は余剰生産能力があることによって,顧客注文が来たときに,迅速な対応が可能となり,通常の販売価格より高い販売価格を提示しうることを検証した.しかし,王(2022, 2024)は余剰生産能力をどのようにして顧客の求めている短納期に結びつけるかを明確にしていなかった.そこで,本研究は王(2022, 2024)の研究成果を踏まえて,customer-responsive timeのフレームワークに基づき,株式会社エーワン精密の事例を用いてその解明に取り組んだ.
抄録全体を表示