管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌
Online ISSN : 2434-0529
Print ISSN : 0918-7863
27 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
論文
  • 東 壯一郎
    2019 年27 巻1 号 p. 3-18
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2019/05/15
    ジャーナル フリー

    半導体製造装置企業は,技術革新により今後も微細化・集積化が進むという不確実性の下に設備投資を実施するため,その意思決定には企業の戦略が深く関与していると考えられる.半導体製造装置企業であるA社の事例を基に,戦略的投資決定のフレームワークを用いて設備投資意思決定のプロセスを明らかにし,回帰分析による半導体製造装置企業の設備投資モデルを新たな視点として加えて,半導体製造装置企業における設備投資意思決定プロセスの提示を試みる.また,管理会計分野で今まで研究されてきた設備投資の経済性評価技法の問題点を整理したうえで,その方法と回帰分析による設備投資モデルの相補的利用法を提示する.

  • 関 洋平
    2019 年27 巻1 号 p. 19-34
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2019/05/15
    ジャーナル フリー

    MFCA (material flow cost accounting)は,資源生産性向上のための環境管理会計手法である.MFCAをサプライチェーンで活用することで,単独企業で活用するよりも,効果的にコスト削減や廃棄物削減を行うことができる.しかし,サプライチェーンの企業間でMFCA情報を共有することは難しく,課題となっている.よって,どのようにサプライチェーンでMFCA情報を共有できるのかについて,検討する必要がある.本論文では,上記の研究背景を踏まえて,サプライチェーンでのMFCA情報共有について分析を行う.組織間管理会計研究においては,組織間の情報共有が盛んに議論されているので,本研究でも組織間管理会計研究を援用して,MFCA情報の共有について考察する.

  • 渡辺 岳夫
    2019 年27 巻1 号 p. 35-55
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2019/05/15
    ジャーナル フリー

    アメーバ経営システムを導入する企業が近年増加している.しかし,それらの導入企業の中には,短期的にその運用を中止ししてしまう企業も少なくない.その中止の原因を解明するためには,アメーバ経営システムを継続的に運用している企業と比較的短期で中止してしまった企業において,部門別採算制度の諸側面がアメーバのパフォーマンスに及ぼす影響メカニズムに相違があるかどうかを明らかにすることは非常に重要である.本研究において多母集団同時分析を実施した結果,その影響メカニズムは継続企業と中止企業の間で概ね同様であることが分かった.比較的短期間でアメーバ経営システムを中止してしまうぐらい運用中に問題が生じていた状況でも,当該システムは一定の効果をもたらしていたのである.以上のファインディングスにより,その中止原因は,得られた効果を上回る負担感や不満の存在,あるいは効果の絶対量を抑制する何らかの要因の存在である可能性が高いことが示唆された.

  • 桝谷 奎太
    2019 年27 巻1 号 p. 57-74
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2019/05/15
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,主観的業績評価の純効用が高まる状況を解明することである.具体的には,主観的業績評価の純効用を規定する要因として,環境不確実性と業績指標の多様性に着目する.また,主観的業績評価の純効用を測る尺度として組織業績を選定する.そのうえで,主観的業績評価が組織業績におよぼす影響に対する環境不確実性と業績指標の多様性の調整効果を検証することで,主観的業績評価の純効用が高まる状況を解明する.実証分析の結果,主観的業績評価は,環境不確実性が高く,業績指標の多様性が低い状況で組織業績(財務業績,市場業績)を高めることが明らかになった.この結果は,特定の状況において,主観的業績評価と業績指標の多様性が,補完的というよりも代替的に機能することを示している.また,本研究の分析結果は,主観的業績評価と業績指標の多様性は,目標整合性の向上やリスクの低減をもたらす点で役割が重複するものの,競争環境の不確実性によって,適合的なアプローチが異なることを示している.

  • 坂口 順也
    2019 年27 巻1 号 p. 75-91
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2019/05/15
    ジャーナル フリー

    組織間マネジメント・コントロール研究では,組織間での協働や契約に加えて,取引相手の選択が議論されている.しかし,その内容は,利用する選択項目に集中しており,利用に際して必要となる努力や負担との関連性については検討の枠外にある.そこで,本研究では,日本の加工組立型企業を対象とした質問票データ(101社)を用いて,取引相手の選択で重視する「選択項目」と,取引相手の探索に関わる努力や負担である「探索コスト」との関連性について検討した.検討の結果,業務レベルの項目や,製品開発に関連する項目を重視して取引相手を選択する場合に,多くの努力や負担を投じる必要があることを明らかにすることができた.また,より詳細に見ると,業務レベルの項目を重視する際には,選択対象となる取引相手を広げる必要があることや,戦略上重要な製品開発関連の項目を重視する場合には,多くの人材を投入し,時間をかけて取引相手を選択する必要があることを把握することができた.

  • 濵村 純平
    2019 年27 巻1 号 p. 93-108
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2019/05/15
    ジャーナル フリー

    本研究では,川上部門が自身の提供する製品の製造費用を削減する投資を行なうとき,競争も情報の非対称性もない状況で設定する市価基準振替価格が,限界費用を上回ることを示した.市価基準振替価格を用いると,川上部門が市場価格の決定を通じて振替価格を間接的に操作できるため,自身のマージンを上げるために振替価格水準を高く設定する.この結果は,過去の理論研究では示されていない会計実務を説明する重要な結果である.

  • 鬼塚 雄大
    2019 年27 巻1 号 p. 109-124
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2019/05/15
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,本社による業績管理システム(Parent-Performance Management Systems;以下,本社PMSと略)の設計面と運用面の両側面から,在外子会社における意思決定に対する本社PMSの影響メカニズムを解明することである.在日子会社トップ・マネジメントを対象とした質問票調査から収集したデータ(有効回答数,234社,13.3%)をもとに分析を行った.その結果,設計面の特性として「本社PMSの包括性」,運用面の特性として本社によるPMSの「インタラクティブな運用」が在外子会社における意思決定に対して統計的に有意な(正の)影響を与えていることが明らかとなった.また,本社PMSの設計面と運用面との交互作用項を検討した結果,「本社PMSの包括性」と「診断的運用」との相互作用が在外子会社における意思決定に対してポジティブな影響を与える一方,「インタラクティブな運用」との相互作用ネガティブな影響を与えることが示された.

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