管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌
Online ISSN : 2434-0529
Print ISSN : 0918-7863
22 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論壇
  • 澤邉 紀生
    2014 年22 巻2 号 p. 3-14
    発行日: 2014/03/31
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー

    管理会計研究におけるアクション・リサーチの意義を,「管理会計の理論」構築にあることを示す.アクション・リサーチの本質は,研究者の領域と実務家の領域との往復運動にある.研究者が現実に「介入」することで変化を生み出し,その変化を当事者の視点と研究者の視点の両面から理解することで,アクション・リサーチは理論的に貢献する.アクション・リサーチは,管理会計の知識の流れを活性化し,理論的にも実務的にも妥当性の高い「管理会計の理論」の構築に貢献する.

  • 松尾 貴巳
    2014 年22 巻2 号 p. 15-27
    発行日: 2014/03/31
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー

    アクションリサーチは,管理会計研究においては主流の研究手法ではない。しかしながら,管理会計研究が実務と密接に関連する学問であることを考慮すると,実務に直接関わって影響を与えるアクションリサーチは有意義な研究手法である。本稿の目的は,アクションリサーチをより厳密な研究手法にするための方法について検討することである。研究手法として厳密性を高めるためには,抽象的概念化のプロセスを重視することで理論志向を強め,フィールド実験などの量的な研究手法と組み合わせ内的妥当性を高めることが必要である。

  • 岡田 幸彦
    2014 年22 巻2 号 p. 29-37
    発行日: 2014/03/31
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー

    本論壇の目的は,筆者の「前向き」の実証研究にまつわる諸経験を紹介しながら,産学連携とアクションリサーチの意義や面白さ・大変さを読者と共有することにある.筆者の諸経験からすると,(i)実務家の方々に「ありがとう」と言っていただける,(ii)いい人材が育つ,(iii)信頼できる記録を後世に残すことができる,という3点を同時追求できることが,産学連携によるアクションリサーチならではの意義であると思われる.しかし一方で,産学連携によるアクションリサーチは,研究者個人で全てを行うにはコストがかかりリスクも大きいことを忘れてはならない.筆者が「管理会計における産学連携とアクションリサーチ」との関連で今後の日本管理会計学会に期待したいのは,研究者個人が全てのコストとリスクを負わなくてすむ体制を創ること,学術論文が蓄積・発信される仕組みと仕掛けを創ること,の2点にある.

  • 下垣 彰
    2014 年22 巻2 号 p. 39-48
    発行日: 2014/03/31
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー

    本論文の目的は,MFCA(Material Flow Cost Accounting)が企業への適用を通して,どのように進化したかを研究することである.

    MFCAは,マテリアル,エネルギーのロスを見える化する環境管理会計の手法である.その狙いは,マテリアルロスやエネルギーロスの低減である.それは,コスト改善と環境負荷低減の両面で企業にメリットを与える.廃棄物発生量の多いプロセス,エネルギーを大量消費する工場で効果が大きい.

    日本でのMFCAの研究は2000年に始まり,10年以上が経過した.この間,多くの企業へ適用され,その結果を検証し改善されてきた.その改善は,計算理論,改善手法,企業の活動展開方法の分野で行われた.その結果MFCAは,より効率的,効果的な手法へと進化できたものと思われる.

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