本論文の目的は,MFCA(Material Flow Cost Accounting)が企業への適用を通して,どのように進化したかを研究することである.
MFCAは,マテリアル,エネルギーのロスを見える化する環境管理会計の手法である.その狙いは,マテリアルロスやエネルギーロスの低減である.それは,コスト改善と環境負荷低減の両面で企業にメリットを与える.廃棄物発生量の多いプロセス,エネルギーを大量消費する工場で効果が大きい.
日本でのMFCAの研究は2000年に始まり,10年以上が経過した.この間,多くの企業へ適用され,その結果を検証し改善されてきた.その改善は,計算理論,改善手法,企業の活動展開方法の分野で行われた.その結果MFCAは,より効率的,効果的な手法へと進化できたものと思われる.
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