土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
76 巻, 1 号
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和文論文
  • 山口 直久, 松藤 敏彦, 東條 安匡, 仲嶺 彰人
    2020 年 76 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/20
    ジャーナル フリー

     一般廃棄物のガス化溶融・灰溶融施設で生成される溶融メタルには有用金属が分離濃縮される.本研究では溶融メタルの金属資源性に着目し,全国のガス化溶融・灰溶融施設の溶融メタル等の金属濃度を分析するとともに,炉形式や溶融条件等との関係を考察した.溶融メタル中の金属濃度は既存研究と同程度であり,鉱石の金属品位と比べてAu,Pt,Pdは10倍以上であった.金属濃度は炉形式間で差が見られ,これはSi,Ca,Al等の主要元素の溶融メタルへの移行割合による.搬出物全体中の金属量にはばらつきがあり,施設への搬入量あたりの金属量の差と考えられるが,小型家電リサイクルの実施状況との関連は見られなかった.溶融メタルのTMRは炉形式で差が見られたが,金属資源総量で見ると炉形式によらず溶融メタルはほぼ同等の金属回収ポテンシャルを有する.

和文報告
  • 加藤 伸悟, 足立 忠行, 林田 健志, 大木 亨祐, 山﨑 徹
    2020 年 76 巻 1 号 p. 9-17
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/20
    ジャーナル フリー

     都市河川における臭気発生実態の把握と有効な対策検討のためには,臭気の発生をタイミングよく捉え,発生要因と発生頻度を結び付ける必要がある.本調査では,それらに対する臭気連続観測の有用性を検証した.連続観測結果から,臭気指数10以上に相当する臭気が検出された時間は1~3時間であり,超過頻度は時期によって異なっていた.また,臭気発生要因と要因ごとの発生頻度を整理した結果,調査対象河川では,臭気指数10以上に相当する臭気が発生した時間数のうち,約半分が水位低下時のヘドロの巻上げや露出により発生する臭気であることがわかった.本調査の結果は,時々刻々と変化する臭気の強さを長期間かつ連続的に観測したことで得られたものであり,臭気発生実態の把握に対する臭気連続観測の有用性を示すことができた.

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