土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
78 巻, 3 号
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和文論文
  • 近藤 萌波, 坂本 靖英, 川辺 能成, 中村 謙吾, 渡邉 則昭, 駒井 武
    2022 年 78 巻 3 号 p. 87-103
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル フリー

     揮発性化学物質(Volatile Chemical Substances: VCSs)による汚染土壌から屋内等への揮発成分の拡散に伴うヒトへの健康リスク評価のためには,不飽和土壌から地表面に至るVCSsの移動現象に従い,地表面付近で生じる揮発フラックスの定量的評価が重要となる.本報では,不飽和条件下での移流・分散数値解析手法に基づき開発した,VCSsで汚染された不飽和土壌からの揮発フラックス予測モデルを用い,VCSsのモデル化合物としてエタノールを用いた土壌カラム試験での揮発フラックス変化のヒストリーマッチングを実施した.その結果,不飽和浸透特性,土壌間隙内の気-液平衡の関係を定量的に求め,分散係数の各パラメータの最適化を図るとともに,構築した予測モデルの妥当性を検証した.

  • 平山 奈央子, 森永 晃司, 大村 達夫, 渡部 徹
    2022 年 78 巻 3 号 p. 104-111
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/20
    ジャーナル フリー

     下水モニタリングによる感染拡大予測情報の発信サイトが宮城県仙台市にて運用されている.COVID-19での活用を想定し,同情報に基づく感染対策強化意思に影響を与える要因を明らかにするため,仙台市と大阪市の住民を対象にアンケート調査を実施し,平均値の差の検定および共分散構造分析を実施した.

     その結果,感染拡大予測情報を提示された集団は概ね調査実施時点での新規感染者数を提示された集団よりもCOVID-19の感染対策強化意思が強いことが明らかとなった.また,情報・対策を信頼している人は社会的規範意識が高く,直接的および間接的に対策強化意思が強いことも明らかになった.特に,回答者自身もしくは同居者が高リスクではない場合,信頼性の高い情報は社会的規範意識を高め,対策強化意思の向上に繋がることが示唆された.

  • 加藤 達也, 松尾 太貴, 佐藤 健太郎, 神村 卓見, 京藤 敏達
    2022 年 78 巻 3 号 p. 112-121
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/20
    ジャーナル フリー

     東日本大震災にともなう東京電力福島第一原子力発電所事故の影響によって生じた放射性物質を含む除去土壌を再利用することで減容化するべく,洗浄処理と分級処理を組み合わせた土壌洗浄システム開発を目指し,渦崩壊洗浄による放射線量の低減効果を明らかにすること,並びにハイドロサイクロン及び傾斜板沈降器を用いた分級による分級性能を明らかにすることを目的として研究を行った.洗浄実験の結果,シュウ酸0.05mol/L水溶液で土砂を懸濁させノズルを40回通過させたときに,放射性物質濃度を24%低減することが可能であることを示した.分級実験では75μmを50%分級径として約25%の細粒分を含む土砂を分級した結果,サイクロンを流れる流量が約30L/min以下の場合,粗粒分に混入した細粒分の割合を約6%以下まで抑えられることを示した.

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