土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
71 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
和文論文
  • 谷口 綾子, 大森 宣暁
    2015 年 71 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,ベビーカー連れの外出の難易度認知について移動時満足度(STS)を用いて評価するとともに,ベビーカー連れのSTSに周囲の人々の対応がどの程度関係しているのかを探索的に検証し,欧州の先進国と我が国の比較を行った.その結果,我が国ではベビーカー連れの移動時に周囲からの支援を受けた経験が欧州各国よりも少ないこと,ベビーカー連れの移動の認知的幸福感は,一般にSTSが低いとされる通勤目的よりもさらに低いことが示された.また,ベビーカー連れでの移動時に周囲の人々から受けた支援の経験や,記述的規範の知覚が,ベビーカー連れのSTSに正の影響を与えていることが示された.一方で,日本人のベビーカー連れの認知的幸福感は,周囲の人々の対応の影響を受けていないことが示された
  • 菅沼 祐一
    2015 年 71 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     長野県飯田市の中心市街地には,裏界線と呼ぶ細街路がある.裏界線は,1947(昭和22)年に生じた大規模火災(飯田の大火)からの復興に向けた都市計画メニューの1つとして計画されたものであり,火災時の早期避難と消火経路確保を目的としていた.1960年代まではその整備は進まなかったが,1970年代半ばからインフラ整備と合わせて簡易舗装が進められ,概ね1980(昭和55)年頃より現在の姿となったと考えられる.整備が続けられてきた背景の1つとして,衛生環境の改善等を求めた地元自治会からの継続的要請があった.衛生環境の改善は,都市計画の継続を促す推進力であったことがうかがえる.裏界線の整備は,行き止まりの解消など現在も続いている.本研究では,裏界線の計画経緯とこれまでの整備のプロセスを明らかにした.
  • 黄 明霞, 藤田 素弘, 鈴木 弘司
    2015 年 71 巻 1 号 p. 20-30
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,カウント表示式信号機下の車両挙動として,カウント表示や監視カメラの有無などの異なる条件の中国8交差点の観測調査データに基づき,特に停止通過の車両挙動分析を行った.そして青から赤への信号切替時での車両挙動の重回帰モデル等を構築する.その結果,カウント表示がある交差点では無い交差点よりも,30-50m程度手前から減速し,最大減速度も小さくなり,停止傾向も強いことがわかった.また通過時はカウント表示有りのほうが,最大加速度や交差点進入速度が有意に小さくなることが確認できた.交差点特性として,監視カメラによる赤信号無視の取り締まりのある交差点が多いことや全赤時間が設定されていないこと及び,90m手前あたりからカウント表示が確認できるという条件の下で,カウント表示式信号機の安全特性がわかった.
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