Christaller
1)の中心地理論は古くから知られるが,実データから正六角形状の空間集積パターンを定量化し,妥当性を検討する手法は確立されていない.Ikeda 他
2)は正六角形状の空間集積パターンを抽出しうる手法を開発したが,次の課題が残されている:(i) 対象領域の客観的な選定法が存在しない点,(ii) 抽出したパターンの有意性が不明である点.本稿では,課題(i),(ii)に対処し,中心地理論に則した空間集積パターンをより客観的に抽出する手法を開発する.(i)のために,対象領域を探索する最適化問題を作成する.(ii)のために,permutation testによる統計的な検定法を導入する.提案手法を人口データに適用した結果,統計的に有意な2種類の空間集積パターンが検出され,中心地理論の妥当性が示唆された.
抄録全体を表示