土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
78 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
和文論文
  • 瀬木 俊輔, 湧川 勝己, 錦織 俊之, 小林 優輔
    2022 年 78 巻 3 号 p. 78-92
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル 認証あり

     地球温暖化の進行に伴い,降雨量や豪雨の頻度が増加することが予測されており,これらに対応するための治水施設の整備が必要とされている.しかし,今後,気候変動がどの程度の速度で進行し,気温が何度上昇するのかについては,多大な不確実性が存在している.そのため,従来のように,過去の降雨量のデータに対する統計解析の結果を用いて,治水施設の適切な整備時期を評価することは困難である.本研究は,気候変動の不確実性を考慮したうえで,治水施設に対する予算配分を動学的に最適化する問題と,この問題のヒューリスティックな解法を提案する.本研究はさらに,提案した最適化問題と解法を,日本国内の匿名の流域に対して適用し,その有効性を確認する.

  • 深堀 達也, 円山 琢也
    2022 年 78 巻 3 号 p. 93-104
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/07/20
    ジャーナル 認証あり

     パーソントリップ(PT)調査の新たな活用法として世帯不在率の分析が提示されている.本研究は,その応用として時間利用調査である社会生活基本調査を用いて個人・世帯不在率の経年変化を分析する.まず,本調査データに含まれない在宅・不在を推測する方法を提案し,その妥当性を検証する.そして,平休日別の個人・世帯不在率の1986-2016年の経年変化や,世帯年収別の世帯不在率の経年変化の差異を示す.さらに,社会生活基本調査と全国PT調査から算出される非外出率の比較より,両調査の差が近年の男性20歳代や高齢者層で特に大きく,PT調査におけるトリップの記入漏れ等を示唆する結果を得た.これはPT調査の経年比較で報告される若者の外出率低下は実際より過大で,高齢者の外出率上昇は過小である可能性を意味する.

  • 佐津川 功季, 水谷 大二郎, 川崎 洋輔, 金田 威夫, 桑原 雅夫
    2022 年 78 巻 3 号 p. 105-121
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/20
    ジャーナル 認証あり

     本稿では,高速道路施設に対し,施設の故障により生じる利用者の経済損失を定量化し,利用者の経済損失と維持管理費用の双方を考慮して,最適補修施策を求めるための方法論を提案する.ETC設備のような施設では,全ての故障を未然に防ぐことは困難であり,維持管理費用のみならず,故障による利用者の経済損失も考慮して維持管理を行うことが重要である.本稿では,交通量や故障のデータから,故障に起因した渋滞による利用者の経済損失や施設の故障過程を定量化し,それらを入力情報とした最適制御問題により,最適補修施策を求めるという一連の方法論を提案する.実証分析において,提案方法論を実在のETC設備の維持管理問題に適用し,方法論の有効性を議論するとともに,ETC設備が設置されたICの特性と最適補修施策の関係性を分析する.

  • 石倉 智樹
    2022 年 78 巻 3 号 p. 122-136
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/20
    ジャーナル 認証あり

     都市間高速交通体系の発展は,地域経済システムや国土構造にも大きな影響をもたらすきっかけになりうる.本研究は,近年理論面および計算手法面で急速に発展している空間経済学(あるいは新経済地理学とも呼ばれる)に基づく,都市間高速交通体系整備による経済・人口構造への影響評価手法を構築した.本手法は,従来のSCGE分析と整合的な,多地域多産業部門経済システムへの適用を前提としている点に特徴がある.さらに本研究では,リニア中央新幹線整備プロジェクトを例として本手法を適用し,短期的な経済効果と長期的な人口分布変化への影響を試算するとともに,感度分析を通じて分析結果の頑健性について検討した.

  • 宮原 史, 堤 盛人
    2022 年 78 巻 3 号 p. 137-149
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/20
    ジャーナル 認証あり

     道路橋を適切に維持管理してゆくためには,道路橋の維持管理に関わる主体が行う行為や意思決定に必要な技術力を有する技術者が継続的に確保できるように,目標を明確にした戦略的な人材育成を行う必要がある.しかし,道路橋の保全は暗黙知に支えられている部分も大きい.このため,各組織で行われる人材育成において,人材育成が目標とする技術力の全体像や構成要素を明確に設定することは困難である.そこで本研究では,道路橋の不具合への対応等に対して道路管理者が行うべき判断や検討について,道路橋の専門家が行った技術指導の指導要旨を記録したテキストデータを対象に,計量テキスト分析を行うことにより,道路橋を維持管理する技術力の解明を試みる.

  • 長江 剛志, 水谷 大二郎
    2022 年 78 巻 3 号 p. 150-165
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/20
    ジャーナル 認証あり

     本研究では,規模の経済性などによって複数解が存在し得る都市・交通均衡モデルに対し,観測される立地パターンや交通量などからモデルのパラメータを推定するための手法を開発する.連続時間・連続状態の枠組下で,ポテンシャル・ゲームとなる一般的な都市・交通モデルに対し,系の動学がLangevin拡散過程に従うとき,その定常分布がBoltzmann型の解析解を持つことが知られている.このことを活用し,本研究では,観測された系の状態に対するパラメータの尤度を定義し,その最大化問題としてパラメータ推定問題を定式化する.次に,この問題に対して,機械学習分野で広く利用される加速射影勾配法を用いた数値解法を開発する.最後に,提案手法を複数解が存在する均衡モデルに適用し,パラメータを適切に推定できることを明らかにする.

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