土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
69 巻, 4 号
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和文論文
  • 尾花 恭介, 広瀬 幸雄, 藤井 聡
    2013 年 69 巻 4 号 p. 267-275
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/18
    ジャーナル フリー
     本研究では,NIMBY型の公共事業において,事業内容の違いにより手続き的公正さが事業の受容に及ぼす影響について検討した.態度変容の知見によれば,事業内容を理解できるか否か,そして理解できる場合には,事業内容に基づいた判断が難しいか否かによって手続き的公正さの受容に及ぼす影響が異なることが考えられた.事業内容を理解できない場合は,事業内容に基づいた判断ができないため,手続き的公正さが受容判断に影響すること,事業内容を理解できる場合には,事業内容に基づいた受容判断が難しいほど,手続き的公正さの影響が強くなることが予測された.実験の結果はこれらの仮説を支持した.結果をもとに,公共事業の受容に関して,手続き的公正さの働きかけ方と個人的意思決定という側面からのアプローチについて考察した.
  • 谷本 圭志
    2013 年 69 巻 4 号 p. 276-285
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/20
    ジャーナル フリー
     高齢化の進行に伴って,公共交通サービスの重要性は高くなると考えられる一方,公共交通は利用しづらいとの声は少なくない.公共交通の利用のしづらさには様々な要因があるが,高齢者にはほとんどの活動を自立的に実行できる人もいれば,他人の支援なしには活動が困難である人もいるため,個々人がどのような活動能力を有しているかによって利用しづらいと感じる要因は異なると考えられる.そこで本研究では,医学や老年学の蓄積に立脚しつつ,項目反応理論を用いて高齢者の活動能力を計量化するとともに,様々な阻害要因を取り上げ,活動能力と阻害要因の関係を明らかにする.以上の分析を踏まえ,高齢者の活動能力の高低によって,重大な阻害要因は異なることを実証的に示す.
  • 大平 悠季, 織田澤 利守
    2013 年 69 巻 4 号 p. 300-314
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,社会的ネットワーク及び交通ネットワークの構造が都市空間上における主体の交通・コミュニケーション行動に及ぼす影響を分析するための理論的枠組みを構築する.具体的には,多起点・多終点を持つ一般的な交通ネットワークの下,社会的ネットワーク上でつながり(リンク)を持つ主体同士が対面コミュニケーションを通じて知識や情報,アイディアの交換及び創造を行う状況を想定し,システム全体としての均衡における主体間のコミュニケーション水準を解析的に導出する.その上で,交通混雑を考慮したモデルへと拡張し,両ネットワークの位相幾何学的構造とコミュニケーション行動の関係について分析を行う.また,厚生分析により均衡におけるコミュニケーション水準が非効率的であることを示し,最善政策・代替的政策案について検討を行う.
英文論文
  • Mustakim FAJARUDDIN, Motohiro FUJITA, Wisinee WISETJINDAWAT
    2013 年 69 巻 4 号 p. 286-299
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
     This paper analyzed the factors relevant to fatal and serious accidents on rural federal roads in Malaysia. The objective is to identify the dangerous vehicle movements and factors significant to fatal-serious accidents at access points (non-signalized minor junctions) and to suggest countermeasures. This research carried out numerous surveys to observe various traffic movements including right and left turns, from minor or major roads, and other characteristics, to construct accident analysis models. One of the findings was that right-turn motorcycles caused serious conflicts and were the most dangerous movement. Based on this finding, this paper examined the driver behavior of gap acceptance and serious conflicts using our proposed four gap patterns for a right-turn vehicle from minor to major roads at an access point. Further analysis was performed to identify the gap pattern and factors relevant to the serious conflicts. The results demonstrate that right-turn vehicles, especially motorcycles, apparently intend to start turning right in a very short gap and the approaching speed and the gap between a pair of vehicles from different directions in the mainstream are the critical factors causing serious conflicts to the right-turn vehicles.
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