土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
67 巻, 2 号
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和文論文
  • 日比野 直彦, 小林 祐樹, 森地 茂
    2011 年 67 巻 2 号 p. 115-134
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
     地域戦略上,地方都市へ国際線を就航させて地方への旅行者を増加させることは重要な課題である.しかし,エアラインが地方空港と海外空港間に直行便を就航させるのに必要な旅客数を確保するのは困難である.そこで,本研究では,同一地方路線を利用する国際旅客を対象とした外国エアラインの国際線乗り継ぎ専用便について,旅客需要および航空法上の成立可能性と,乗り継ぎ時間の改善や航空運賃低下といったサービス水準向上の可能性について検討し,地方空港と海外空港間に国内の1地点を経由地とした1ストップ国際便の実現可能性について考察する.
  • 岡本 太郎, 谷口 栄一, 山田 忠史
    2011 年 67 巻 2 号 p. 135-146
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
     わが国の都市高速道路網は,都市圏の成長とともに拡充されてきたが,定期巡回や事故対応などの交通管理巡回は,現場の即応性と経験知が優先され,必ずしも科学的見地に立脚していない.交通管理巡回の効率的な実施は,交通需要が減少傾向にある高速道路会社の料金収入を確保する上でも極めて重要である.このため本研究では,都市高速道路の交通管理巡回に注目し,動的かつ不測の事案を扱う定期巡回,事故対応,および,車両配置等について,利害の異なる複数の主体の意志決定を考慮したマルチエージェントモデルを構築した.このモデルを用いて高速道路会社の公共性と採算性の観点から,望ましい方策について検討した結果,利便性向上に配慮しつつ,交通管理巡回の効率化につながる方策の存在が示唆された.
  • 中山 晶一朗
    2011 年 67 巻 2 号 p. 147-166
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
     本論文では,ネットワークレベルでの道路交通の信頼性を対象とし,まず,連結信頼性と脆弱性のこれまでに行われた研究の整理を行う.そして,ネットワークレベルでの信頼性の評価の際に必要となる交通量や旅行時間が確率変動する確率的交通均衡モデルやシミュレーション手法の分類・整理を行い,今後の課題をまとめる.次に,信頼性向上施策や信頼性を考慮したネットワークデザイン問題に関する研究を整理する.最後に,本信頼性研究のレビューを踏まえて時間信頼性・連結信頼性を統合した道路整備等の便益評価の一手法を提案するとともに,信頼性研究の今後の課題について述べる.
  • 日向 菜実, 寺部 慎太郎
    2011 年 67 巻 2 号 p. 167-181
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
     近年の市民参加型事業の普及により,市民と行政職員のコミュニケーション機会が増加するとともに,配慮に欠けた発言などで市民の不安や不満を煽ってしまい,計画の破たんにつながってしまう可能性が高くなっている.そこで,本研究では,市民と行政の口頭でのコミュニケーションに着目し,この際に,市民に影響があると思われるコミュニケーション要因について,道路計画の説明会での質疑応答の場面を模した実験を通して分析を行い,円滑な口頭コミュニケーションを検討した.この結果,行政職員の良い態度がコミュニケーションの重要な要因であることなどを確認した.さらに,専門用語が多用されることや,回りくどい言い回しにより,積極的に住民の意思を取り込んだ応答であっても,市民の評価は低くなる,などの要因間の関係を確認した.
和文報告
  • 中根 洋治, 奥田 昌男, 可児 幸彦, 早川 清, 松井 保
    2011 年 67 巻 2 号 p. 182-194
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/20
    ジャーナル フリー
     本研究の事例に取り上げた矢作川流域のほとんどが花崗岩地帯であり,沖積平野の広範囲に砂が堆積している.近年,住宅や工場・道路などへの利用が多い旧河道や後背湿地では,地震時に堆積砂が液状化し,豪雨時に低湿地が浸水する被害を受けやすい.本研究では,矢作川の旧河道や後背湿地の生成過程と現状を歴史的文献・資料,地盤調査・工事資料,現地踏査などにより把握すると共に,浸水や液状化による災害に対する危険性を検討した.その結果,河床低下により矢作川本川の越水の危険性は減少傾向にあるが,支川の内水排除対策が今後の重要課題であり,また本川や各支川の旧河道及び低湿地における浸水や液状化に対する危険箇所が数多くあることを具体的に明らかにした.さらに,開発に伴う災害危険区域の増加傾向と共に遊水地の必要性も指摘した.
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