土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
73 巻, 2 号
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和文論文
  • 原田 剛志, 小野 剛史, 倉内 文孝, 髙木 朗義
    2017 年 73 巻 2 号 p. 109-123
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
     現行の道路整備評価では,災害時の機能は十分に評価されていない.東日本大震災を契機として,国土交通省は道路の防災機能の評価手法を公表したが,貨幣単位で評価がされておらず,従来の便益評価と整合性には課題が残る.本研究では,従来の道路整備評価に合算可能な防災機能の便益評価手法を提案する.新しい経路が確保されることにより,道路利用者の経済損失(災害時の迂回損失・機会損失)が軽減されることと,地域住民の孤立に対する平常時の心理不安が軽減されることに着目し,それぞれの便益評価手法を構築した.岐阜県飛騨圏域を対象とし,道路整備により雨量規制による孤立が解消されたケースについて試算を行い,災害時の便益がほとんど発生しない道路整備がある一方で,経路確保の便益が少なくない道路整備が存在することを確認した.
  • 天野 和洋, 前田 宗宏, 中村 泰広, 清 雄一, 大須賀 昭彦
    2017 年 73 巻 2 号 p. 124-134
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/20
    ジャーナル フリー
     中山間地域における豊かな暮らしを支えるため,近年,1車線改良や2車線改良,局部改良を弾力的に組合せた1.5車線的道路での整備が可能になった.建設工事においても,一時的な大型車の増加に対応する上で1.5車線的道路が有効となるが,交通量の多い区間では,待避所の位置や延長を設定するために労力や時間を要する交通シミュレーション等による検討を繰り返す必要があった.本稿では,繰り返し検証の省力化と待避所の最適配置を視野に,狭隘区間と待避区間の評価指標を定式化して交通シミュレーションとの比較を行った.両者の平均絶対誤差は,平均待ち時間で4.8秒,平均必要待避区間長で3.3mとなり,本指標の妥当性を確認できた.今後,最適化手法と組合せることで,待避区間の最適配置と迅速で効果的な整備計画の策定が可能になると考える.
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