本研究では,重要な都市内公共交通の一つであるバスに着目し,全国58の地方都市を対象に,バスの利便性指標である2010年時点のバス停の有無および運行頻度と,2010年・2015年の年齢階級別人口構成比,および,5年間の社会増減率との関連について,500mメッシュ単位で分析した.
その結果,2時点の人口構成比との関連では,多重比較検定を用いて,バスの利便性の高いメッシュにおいて高齢者が占める割合より,バスの利便性の低いメッシュにおいて高齢者が占める割合の方が大きいことを明らかにした.また,5年間の社会増減率との関連では,4本/h以上の運行頻度があるバスの利便性が高いメッシュにおいて,そのほかのメッシュと比較して相対的に10代の転出と,20代の転入が少ないことを統計的に明らかにした.
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