土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
69 巻, 3 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
和文論文
  • 松中 亮治, 大庭 哲治, 中川 大, 井上 和晃
    2013 年 69 巻 3 号 p. 216-226
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,全国PT調査データを基に個人の移動時の身体活動量を算出した上で,1,716の都市内小地域を対象に整備したデータベースを用い,都市内における空間的な位置や公共交通整備状況,商業特性等の小地域特性と,年齢や自動車利用環境等の個人属性の両側面から,それらが交通身体活動量に及ぼす影響を分析した.
     その結果,中心市街地に属する小地域では,徒歩や自転車の移動が多く,経年的な活動量の減少幅も小さい一方で,郊外市街地では商業や公共交通の整備状況によって,特に高齢者の交通身体活動量に顕著な差がみられること,また,交通行動と密接に関連する個人属性と比較しても,小地域特性が交通身体活動量に与える影響が十分に大きく,鉄道駅の近接性及び運行頻度と交通身体活動量との因果関係が近年特に強くなっていることを明らかにした.
  • 中村 敏和, 関本 義秀, 薄井 智貴, 柴崎 亮介
    2013 年 69 巻 3 号 p. 227-236
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/20
    ジャーナル フリー
     近年,地震や火災発生あるいは大規模イベント開催における混乱に伴う二次的災害や,交通結節点における混雑などを解消する必要性から,時々刻々と変動する人々の流動を日常的に把握する必要が出てきている.そこで,本研究では,東京都市圏などの広範囲における人の流れを推定する際に,データ同化手法を用いて推定値を補正し,より精度の高い推定値を得ることを目的に研究を行った.まず,人の流れの推定手法として,PT調査データを用いトリップベースで実人数に拡大する手法を提案する.そして,その推定値に対し,パーティクルフィルタ法を用いて観測値を同化し,精度を高める手法を提案する.観測値として駅乗降客数や道路交通量調査などを想定し,それらをデータ同化することでより精度の高い推定を行えることを示し,手法の妥当性を確認した.
  • 佐溝 昌彦, 渡邉 諭, 杉山 友康, 岡田 勝也
    2013 年 69 巻 3 号 p. 237-249
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/20
    ジャーナル フリー
     鉄道橋梁では河川増水時に橋脚基礎周辺の河床が洗掘されて安定性が低下し,橋脚が傾斜・転倒することがある.こうした災害から旅客や列車を守るため,ハード対策に加えて,ソフト対策として河川水位に応じた運転規制を行っている.こうした措置を合理的に実施するためには,橋梁の状態を詳細に調査したうえで実施する必要があるが,膨大な数の橋梁すべてを対象に行うことは困難である.このため,洗掘被害を受ける恐れのある橋梁をより簡便な方法で的確に抽出することが重要となる.本論文では,日常の検査業務で得られる種々のパラメータと過去の被災データに基づく多変量解析により,現状の被災危険性と将来的な洗掘危険性を推定する手法を検討した.その結果をもとに,増水時に被災を受ける恐れのある注意すべき橋脚を抽出する手法を提案した.
  • 高山 雄貴, 赤松 隆, 福島 晶子
    2013 年 69 巻 3 号 p. 250-266
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は,階層的な都市システムが形成されるメカニズムを明らかにすることである.具体的には,立地変更に伴う費用(relocation cost)が都市システムの産業立地パターンを階層化させることを示す.この目的を達成するために,Pflüger1)による1産業Core-Periphery(CP)モデルを多産業の枠組みに拡張し,産業毎に異なるrelocation costを導入する.そして,Akamatsu et al.2),Ikeda et al.3)により提案された解析的・数値的アプローチを応用することで,多産業CPモデルの分岐特性を明らかにする.その結果,階層的な産業立地パターンが安定的な均衡状態として創発することが示される.
和文報告
feedback
Top