BESA Epilepsy (BESAE) は, 「てんかん棘波様」活動を自動検出し, 所見を要約するソフトウェアである。BESAEは判読者の負担を軽減し, 経験の浅い判読者が正しい判読を行うための補助ツールとして期待される。本研究では, その補助ツールとしての有用性を検討した。対象はてんかんの診断あるいは術前精査目的に平均80時間の長時間ビデオ脳波モニタリング (LTVEEG) を実施した83例 (13–64歳, 男31例) で, 局在関連てんかん59例, 全般てんかん7例, 非てんかん10例, その他7例が含まれた。新人脳波技師と脳波認定医が独立してBESAEを用いて脳波判読し, 発作間欠時棘波の有無およびその局在を比較した。判読結果は91%で一致した。不一致例では, 新人脳波検査技師の読みすぎが4例, 読み落としが4例であった。BESAEを用いることで, 新人脳波技師と脳波認定医の判読結果は高い一致率を示した。BESAEは経験の浅い判読者が正しい判読を行うための補助ツールとして有用である。
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