臨床神経生理学
Online ISSN : 2188-031X
Print ISSN : 1345-7101
ISSN-L : 1345-7101
42 巻, 4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
原著
  • 由留木 裕子, 鈴木 俊明, 文野 住文, 岩月 宏泰
    2014 年 42 巻 4 号 p. 87-99
    発行日: 2014/08/01
    公開日: 2015/08/13
    ジャーナル フリー
    健常者を対象にラベンダーの香りが筋緊張 (上肢での脊髄神経機能の興奮性) にどのような影響を及ぼすのかF波を指標として検討した。研究1ではラベンダー1滴 (0.05ml) の刺激が, 研究2ではラベンダー3滴 (0.15ml) の刺激が上肢脊髄神経機能に与える影響について検討した。対象は研究1の健常者18名, 研究 2の健常者26名, コントロール群の健常者9名であった。方法はラベンダー精油1滴または3滴をフリーザーバッグ内のティッシュペーパーに滴下し酸素マスクに装着, 背臥位で2分間自然呼吸を行わせた。F波測定は安静時, 吸入開始時, 吸入1分後, 吸入終了直後, 吸入終了後5分, 10分および15分で行った。研究1と2の結果, ラベンダーの刺激終了後に上肢での脊髄神経機能の興奮性が低下することが示された。また, アロマテラピーの経験ない対象者において3滴でのラベンダー刺激中は上肢脊髄神経機能の興奮性が増加し, 刺激終了後は上肢脊髄神経機能の興奮性が抑制することが示唆された。
  • ~少人数での予備的検討~
    板橋 泉, 岩崎 真樹, 神 一敬, 櫻庭 理絵, 加藤 量広, 板橋 尚, 中里 信和
    2014 年 42 巻 4 号 p. 100-105
    発行日: 2014/08/01
    公開日: 2015/08/13
    ジャーナル フリー
    BESA Epilepsy (BESAE) は, 「てんかん棘波様」活動を自動検出し, 所見を要約するソフトウェアである。BESAEは判読者の負担を軽減し, 経験の浅い判読者が正しい判読を行うための補助ツールとして期待される。本研究では, その補助ツールとしての有用性を検討した。対象はてんかんの診断あるいは術前精査目的に平均80時間の長時間ビデオ脳波モニタリング (LTVEEG) を実施した83例 (13–64歳, 男31例) で, 局在関連てんかん59例, 全般てんかん7例, 非てんかん10例, その他7例が含まれた。新人脳波技師と脳波認定医が独立してBESAEを用いて脳波判読し, 発作間欠時棘波の有無およびその局在を比較した。判読結果は91%で一致した。不一致例では, 新人脳波検査技師の読みすぎが4例, 読み落としが4例であった。BESAEを用いることで, 新人脳波技師と脳波認定医の判読結果は高い一致率を示した。BESAEは経験の浅い判読者が正しい判読を行うための補助ツールとして有用である。
会議参加記
feedback
Top