ダム工学
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19 巻, 2 号
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論文
  • 岡本 敏郎, 嶋田 賢
    2009 年 19 巻 2 号 p. 67-75
    発行日: 2009/06/15
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    近年,土構造物の耐震照査として,変形量評価を詳細に行って,機能面からの許容値との関係を検討することが行われている。今回,Newmark法をFEM解析に応用した渡邊・馬場の方法を用いて,遠心振動台実験によるロックフィルダムの観測沈下についてシミュレーションを行った。その結果,ダム高さの0.5%もしくは1m程度以上の沈下が推測されるとき,低密度の場合には渡邊・馬場の方法で十分であるが,高密度の場合にはとくに基礎の最大加速度が400galを超えると沈下量を低く見積もる可能性が高い。そこでその原因と改善策を考察した。
  • 佐々木 隆, 小山 幸男, 佐藤 彰, 宍戸 善博
    2009 年 19 巻 2 号 p. 76-93
    発行日: 2009/06/15
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    2008年6月14日午前8時43分岩手県内陸南部を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生した。建設中の胆沢ダムは震源地より約10kmに位置し,今回の地震によりフィルダム堤体,洪水吐き等に被災が発生した。洪水吐きにおいては,コンクリート構造物内のひび割れ被害,基礎部の変状,止水板の断裂等の被害が生じた。大型の洪水吐きに関しては,大規模地震による被災事例が国内外でもほとんど見られず,今回の事象は,ダム関連構造物の被害形態を知る上で非常に貴重なものである。本論文は,地震によるひび割れ被害の合理的な調査方法を論じ,貫通ひび割れを生じた構造物の修復方法を述べるとともに,動的解析によって貫通ひび割れ被害シミュレーションを実施した結果を報告するものである。
報告
  • 大町 達夫
    2009 年 19 巻 2 号 p. 94-103
    発行日: 2009/06/15
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    2005年3月に国土交通省から通達された耐震性能照査指針(案)の基本事項を簡単に解説した後,2004年新潟県中越地震による浅河原調整池ダムと新山本調整池ダムの被害と復旧,および2008年岩手宮城内陸地震の際の荒砥沢ダム,石淵ダム,胆沢ダムの挙動と被害,さらに2008年中国四川省〓川地震による紫坪鋪,沙牌,福堂の各ダムや発電所の被害の概要を紹介した。また2008年9月に実施した北米でのダムの耐震補強や決壊事故に関する調査を概説するとともに,ダムゲートに関する最近の研究事例にも言及した。
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