ダム工学
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9 巻, 3 号
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  • 平 治, 西垣 誠, 大橋 昭, 寺戸 康隆, 高田 徹
    1999 年 9 巻 3 号 p. 164-174
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    動的グラウチング工法は, 注入圧力に10Hz程度の脈動を与えることにより高濃度グラウトの見かけ粘度を低下させ, グラウトの流動性・浸透性の向上を図る工法である。さらに, 本工法では, 脈動によって亀裂中でのグラウトの目詰まりを抑制する効果も期待できる。筆者らは, 岩盤亀裂を模擬した人工亀裂への注入試験, 振動下におけるグラウトのレオロジー試験, および微小平行隙間内での脈動流れの非定常流解析を行い, 本工法の有効性と最適注入条件を明らかにし, 現場での施工が可能な動的グラウチングシステムを開発した。
  • 谷 智之, 内田 善久
    1999 年 9 巻 3 号 p. 175-186
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    グラウチングの注入仕様は, 施工実績に基づいて経験的に決定されている部分がある。注入仕様のうち, セメントミルクの初期配合は水セメント比 (W/C: 重量比) が10程度の薄い配合を採用する場合が多いが, より高濃度にすることによって注入時間の短縮が図れるものと考えられる。そこで室内試験により, セメントミルクの濃度と注入特性 (粘性, 限界流速, 目詰まり特性) の関係について検討した。さらに, ダム止水カーテンより採取したコアのわれめ内セメント固化物と室内試験で生成した固化物との特性の比較から, ダム基礎岩盤における合理的な初期配合の設定について検討した。
  • 内田 明, 廣瀬 利雄, 梶原 日出隆
    1999 年 9 巻 3 号 p. 187-200
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    コンクリートの連続ミキサは, 機能的である反面, 品質管理などバッチミキサに比べると多くの問題を有している。一方, コンクリートダムの建設工事においては, 合理化と省エネ化を図る上で, コンクリートの連続施工工法が注目されている。本研究では, このような観点に立って, 従来の連続ミキサの考え方をダムコンクリートを視野に入れて発展させ, 全く新しいタイプのコンクリートの連続製造システムを考案した。このシステムは, 重力を利用した省エネ型の練混ぜ装置を用いるなど, 多くの特長を有している。
  • 武藤 光, 菊地 宏吉, 水戸 義忠, 鈴木 哲也, 平野 勇
    1999 年 9 巻 3 号 p. 201-214
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    グラウチング工法は, ダム基礎岩盤の基礎処理工法として一般的であるにもかかわらず, その施工条件となるグラウト注入圧力・グラウト配合といった重要な施工パラメータの決定に際しては理論的裏付けが少なく, 多くを技術者の経験に頼っているのが現状である。本論文では, コンクリート重力式ダムにおける実際のグラウチング施工データを統計学的に分析し, 効率的グラウチングのための最適条件について検討するとともに注入基準を提案した。またこの注入基準に基くグラウチング (高濃度-低圧型グラウチング工法: High Thickness-Low Pressure Grouting Method: HTLP工法と略称する) と低濃度型注入基準に基く低濃度工法について現場実験による比較を行った結果, HTLP工法の方が優れた注入効率および改良効果が認められ, 提案した注入基準の有用性が検証された。
  • 木村 勝行, 重野 輝貴, 成田 国朝
    1999 年 9 巻 3 号 p. 215-223
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ダムや堤防など水利構造物としての盛土が洪水時に越流作用を受けたとき, 堤体内ではどのような浸透現象や応力・変形挙動が起こり, それが短時間で破局的な崩壊にいかに結びつくかなど, 崩壊過程の追求や堤体破壊のメカニズムを論じた報告は未だ見あたらない。本論文では, 遠心模型実験と有限要素法による非定常浸透解析に基づいて, 貯水位の急激な上昇に伴う堤体内の間隙水圧・変形挙動や浸透破壊の様相を調べ, 越流崩壊現象の解明を目指している。
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