木材保存
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43 巻, 1 号
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研究論文
  • 三村 佳織, 原 忠, 加藤 英雄, 本田 賢児, 中内 卓也
    2017 年 43 巻 1 号 p. 2-12
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    近年,深刻化する環境問題解決に向けて,土木分野においても環境負荷の少ない持続可能な社会づくりが求められている。そのような中で,木材を多く使用する軟弱地盤対策としての活用が,防災と地球温暖化緩和策の両面から期待されている。更なる利用拡大には地中に設置された木材の長期耐久性検証が必要であるが,木材の長期耐久性に関する研究例は多くない。本研究では,約20年前に地中に設置された杭出し水制工の腐朽に対する健全性を,設置環境の違いに着目して目視判定やピロディン試験結果から調べた。その結果,潮位変動域で透水性の高い地盤の,地中に設置された木材は腐朽や虫害の影響を受けることが明らかとなった。一方,同条件下であっても土質の毛管現象によって地盤が常時飽和する区間では,腐朽や虫害の影響を受けず,長期間健全性を維持できることが確認された。
  • 廣重 亮一, 曽我部 昭好, 山崎 一利, 高橋 信夫, 井上 章二, 金城 一彦
    2017 年 43 巻 1 号 p. 13-27
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    木質住宅の基礎構造部における配管貫通部の防蟻を目的として,非加硫ブチルゴム,EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム)の2種のゴム基材とそれらに防蟻剤を添加したゴム基材の防蟻性を室内で検討した。また,現場での給水および排水配管2種のさや管工法における利用を想定した形状の試験体を作成し,それらの防蟻性能を野外試験で検討した。
    その結果,非加硫ブチルゴムは室内試験でDOT(八ホウ酸二ナトリウム四水和物)無添加で穿孔が見られたが,DOT を添加することで穿孔は抑えられ,ビフェントリン0.175%添加で穿孔はまったくみられなかった。野外試験ではDOT 無添加,添加区とも食害・貫通は見られなかった。
    EPDM も室内試験では非加硫ブチルゴムと同様の傾向を示したが,排水系及び給水系EPDM パッキンとも野外試験では食害は全く見られなかった。非加硫ブチルゴム,EPDMパッキン中のDOT の各試験における溶脱は僅かで,長期に有効な防蟻機能を維持可能なことが確認され,これらのゴム基材は,木質住宅の基礎構造部における配管貫通部の防蟻に充分使用できると考えた。
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