台湾産のタイワンカワミドリ(Agastache formosanum Hayata)はl-プレゴンを主成分とする精油を与えるが,北海道産のカワミドリ(Agastache rugosa O.Kuntze)にもl-プレゴンとl-イソメントンとを主成分とするものがあり,メチルシャピコールを主成分とする通常のA.rugosa.O.Kuntzeとはまったく異なり,明らかにA.formosanun Hay.に一致する。
北海道産のタイワンカワミドリは精油の収率生草の0.45%,油分はd-リモネン2.1%,3-オクタノン0.8%,ρ-シメン0.3%,3-オクタノール0.5%,3-メチルシクロヘキサノン0.2%,1-オクテン-3-オール(マツタケアルコール)1.8%,4-メントン12.4%,l-イソメントン35.5%,4-イソプレゴン1.0%,l-プレゴン32.0%,ピペリトン2.3%,その他10.9%からなる。
このほか北米産のA.foeniculum O.Kuntzeにもメチルシャビコールを主成分とするもののほかに同様l-プレゴンを主成分とするものがあり,後者はA.Pallidiflora Rydbergにあたるものと考えられる。
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