日本化學雜誌
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85 巻, 12 号
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  • 藤永 太一郎, 新居 敏男, 北沢 千和
    1964 年 85 巻 12 号 p. 811-815,A63
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ジメチルホルムアミド(DMF)中におけるフッ素,塩素,臭素およびヨウ素のo-,ρ-,およびm-置換体の直流および交流ポーラログラフィーによる研究を行なった。ハロゲン化ニトロベンゼンは,一般に2段波を与え,その第1波は1電子還元で,アユオンラジカルの生成であり,第2波は3電子波高で,ハロゲン化フェニルヒドロキシルアミンの生成に対応している。しかし,o-臭素およびo-ヨウ素置換体の第1波の波高は,他の化合物の波高よりも大きく,第2波のそれとほとんど等しい。実験結果から,これらの第1波は脱ハロゲン波とアニオンラジカル生成の両者を含むと考えられる。また,か臭素置換体は,その第2波の電位で臭素を脱離する。つぎに,ρ-およびm-ヨウ素置換体は3段波で,第2波はヨウ素の脱離であり,第3波はフェニルヒドロキシルアミンの生成に対応している。これらの挙動は,定電位電解により生成するラジカルのESRによる観測の結果とよく一致している。
  • 蒲池 幹治, 三山 創
    1964 年 85 巻 12 号 p. 815-818,A63
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    トリオキサンモノマーを高真空で昇華し,低温にたもった器壁表面で凝縮後温度を上昇させると10℃以上で重合が起ることを見いだした。これに関する種々の物理的測定から重合機構に関する考察を試みた。
  • 今中 利信, 岸本 圭一
    1964 年 85 巻 12 号 p. 819-823,A64
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    溶媒なしで,蒸若堀化アルミニウムによるプロピレンの環化反応を分光化学的方法により研究した。その結果はつぎのようである。
    環化には,a)塩化水素が必要である。b)重合物中のベンゼン誘導体の含有率は塩化水素の添加とともに,また反応温度の上昇とともに増加する。c)重合反応進行にともなってカルボニウムイオンは減少し,ベンゼン誘導体(単核)のコンプレックスは増加すると推定される。d)565cm-1付近の吸収は生成したベンゼン誘導体と塩化アルミニウムとのコンプレックスによると推定される。e)環化反応は重合の停止反応と推定される。
    以上の結果を総括すると,重合反応中にポリマーカチオンの末端で環化反応が起り,生成したベンゼン誘導体にプロトン付加したカルボニウムイオンがAl2Cl7またはAlCl4-を対イオンとして安定化すると推論される。
  • 寺田 実
    1964 年 85 巻 12 号 p. 823-827,A63
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    酸化第一銅結晶は銅原子と酸素原子間の距離が短く,共有結合が存在するものと思われている。これを確かめるためにその遠赤外吸収を測定し,それに基づいて格子振動を計算した。
    酸化第一銅の遠赤外吸収をポリエチレンフィルムに分散させて測定し,臭化カリウム領域の一つの吸収(617cm-1)の他に一つの吸収帯を147.5cm-1に見いだした。この結果から直交座標によるGF行列法を用い原子価力の場を仮定して酸化第一銅の光学活性格子振動を計算した。
    銅原子と酸素原子との聞の結合の伸縮の力の定数の最適値は2.45md/A,銅原子と酸素原子のまわりの結合角の変角の力の定数の和は0.08md/Aであった。
    結合の伸縮の力の定数のこの大きな値と原子価力の場の適用の成功は銅一酸素結合の共有結合性を示すものである。これらの力の定数を用いてラマン活性な振動数を求め,588.8cm-1から626cm-1の間にあることを推定した。
  • 江田 啓一, 高橋 勝緒
    1964 年 85 巻 12 号 p. 828-832,A64
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    微分容量法(Grahameの方法)による水銀-水溶液界面における吸着現象に関する一連の研究として,2種の吸着性物質を同時に含む系(ドデシル硫酸ナトリウム(SC12S)とオクチルアルコール(C8OH)系,およびSC12Sとポリエチレングリコール(PEG,分子量200~1500)系)が取り扱われ,競争吸着の立場から議論された。
    SC12S-C8OH系においては,微分容量-加電圧曲線に現われる極小値の検討,すなわち混合系における値が,単独系における飽和吸着と考えられる場合の値よりも小さな値を示すことから,両分子(イオン)は吸着に際して協調的な相互作用を示すことが明らかとなった。これに対しSC12S-PEG系では,おのおのの分子(イオン)は一方の濃度を増加させることにともない,吸着物質は置きかわり,両分子(イオン)は独立的ないし排他的な吸着を示すことが明らかとなった。
    また,吸着層内の分子(イオン)間の相互作用が吸着力にきわめて重要な要素であることが結論された。また,PEG分子は水銀表面においてほぼ平面的な吸着をするものと考えられた。
  • 栗田 雄喜生
    1964 年 85 巻 12 号 p. 833-842,A64
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    77°KでX線を照射したジメチルグリオキシム単結晶のESRを77°Kで測定した。スペクトルを解析して,2種類の常磁性中心が照射によって生じることがわかった。一つはイミノキシラジカルC(CH3)NOH-C(CH3)NO(M)であって,室温で安定である。もう一つは室温で不安定であるが,超微細構造を生じる二つの窒素原子をもつラジカル対であって,二つの不対電子の平均距離が5.6Aである。ラジカル対の三重項状態のΔM=2遷移による吸収が粉末試料について観測された。ラジカル対はおそらく結晶のα軸側の隣接ラジカル対M…Mであろう。
  • 井本 立也, 原納 淑郎, 森嶋 章
    1964 年 85 巻 12 号 p. 843-845,A64
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    一酸化炭素による酸化亜鉛の還元反応を静置循環法で,温度671°~881℃,一酸化炭素圧1.5~10.5cmHg,酸化亜鉛量0.3~1.0gで行ないつぎの結果を得た。反応は酸化亜鉛の表面積および量,ならびに一酸化炭素の圧に無関係に進む。以上のことから,還元反応はつぎの二つの過程,まず酸化亜鉛が亜鉛蒸気と酸素に分解する(a),つづいて生成酸素と一酸化炭素とが反応する(b),からなる逐次反応であり,本条件では(b)過程が全反応を律速するものと推論した。そして酸化亜鉛表面への一酸化炭素の化学吸着過程を含む表面反応は起っているとしても全反応の寄与は僅少であると思われる。
  • 田中 信行, 竹内 節, 玉虫 伶太
    1964 年 85 巻 12 号 p. 846-850,A46
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    0.021から4.06mol/lの間で濃度の異なる14のチオシアン酸カリウム溶液について,水銀-溶液界面の微分容量を測定して,Grahameが考案した解析方法により界面電気二重層の内部層の電荷(チオシアン酸イオンの特異吸着量)および拡散層の電荷を求めた。チオシアン酸イオンの特異吸着が起り始める電位はヨウ素イオンの電位とほぼ同じであるが,正の電位における吸着量はヨウ素イオンにくらべてやや大きな値が得られた。これらの結果および拡散二重層の理論から電気二重層の内部層における電位差を計算した。内部層の積分容量を特異吸着したイオンによる成分と水銀電極表面の電荷による成分とにわけると,前者は測定したすべての霜位範囲で200~240μF/cm-2で,Grahameによって得られたハロゲンイオンの値よりもかなり大きい値が得られた。後者は20~25μF/cm-2でハロゲンイオンの値よりもやや小さい値であった。二つの異なる方法,i)電気二重層の内部層について,静電気学による平行板コンデンサーのモデルを仮定する,ii)吸着力を化学的結合力と静電気的な力の和として,イオンの分布に対してBoltzmannの分布則を仮定する,によって電極表面から内部Helmholtz面までおよび外部Helmholtz面までの距離の比を計算し比較した。
  • 山本 大生, 和光 信一, 那賀 靖
    1964 年 85 巻 12 号 p. 851-854,A65
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ピコリン(α,β,γ)と4-,6-,7-および8-モノメチルキノリンの金塩とテトラフェニルボロン化合物のDTA曲線は,それぞれのメチル基の位置の相違に基づく形状の違いを示し,融点の差とあわせてそれぞれの異性体の定性に有力な手段を与える。とくにテトラフェニルボロン化合物の使用はよく目的にかなった。また,微粒子状金の付着したα-アルミナを金塩の希釈剤として用いてDTA曲線をとり,α-アルミナだけで希釈,測定した結果と比較して金塩の熱分解に対する微粒子状金の作用を調べた結果,200℃ないし少しそれより高温では負触媒的作用を持つらしいが,300℃以上では明瞭な作用をみない。この結果から,金塩自身の熱分解の途中,多分300℃付近から析出する金は,熱分解の進行に対し自触媒的作用をおよぼしていないらしいと推測した。
  • 入江 敏勝
    1964 年 85 巻 12 号 p. 854-858,A65
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    緑色凝灰岩のバナジウム含量を71個の試料について求め,そのうち全分析の終っている44個についてバナジウムと他成分との関係を調べた。バナジウムの平均含量(幾何平均値)はバナジウムとして0.00244%,母平均の信頼区間は危険率5%で0.00191~0.00313%で,全体の90%は0.00750%以下であった。バナジウムと主成分との関係は,ケイ素と負相関,アルカリ元素以外の元素と正相関があった。このうちマグネシウムと全鉄とに対する相関性がもっとも高く,またd.i.s.とも正相関があった。バナジウムと上記2元素との比V/MgおよびV/Fe*とd.i.s.との関係を求めたところ,前者はマグネシウム含量0.255mg-原子/g以上のものについて負相関,後者は全部について正相関が認められた。これらのことから,緑色凝灰岩の起源に関係ある火山岩が岩ショウ分化のどの時階ごろに生じたものであるかを推定した。また緑色凝灰岩のバナジウム含量は火山岩のそれよりも一般に低いが,その原因は緑色凝灰岩生成後の環境変化でバナジウムが溶脱されやすくなったためと,変質による粘土鉱物生成のためであろうと推論した。
  • 元 鍾勲
    1964 年 85 巻 12 号 p. 859-863,A65
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    天然水のようにリン酸塩濃度がごく低い試料に対してもより便利に利用できる感度の高い比色定量法を検討した。0.3~1.2μgのリンをモリブデン酸アンモニウムおよび過塩素酸濃度0.5~1.1%,0.5~1.1Nで縮合し,酢酸ブチルで抽出してその一部を25ml容メスフラスコにとり,銅および過堪素酸を0.5~1.5mmol/lおよび0.1~0.9Nに共存させた4~10%塩化スズ(II)の4.3~6.3N塩酸溶液で沸騰水内で約1分間加熱還元したのち,6mol/lチオシアン酸アンモニウムを0.4~0.9mol/lに加えれば鋭敏,かつ安定した呈色をただちに得ることができる。本法は縮合時以外は一般に反応試薬濃度が高く,還元は60℃以上で約1分間加熱しなければならず,また実験手順を変えてはいけない。
    本法の精度は吸光度で標準偏差が1.6×10-2,すなわち5%以内の相対誤差で抽出溶媒量10mlに対し試料10mlのとき0.02ppmのリン酸塩-リンを,50mlのとき0.004ppmまでを10mmセルでらくに比色定量することができる。普通の天然水では共存イオンの影響もない。
  • 前田 嘉道, 安積 敬嗣, 高鳩 四郎
    1964 年 85 巻 12 号 p. 863-868,A65
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    結晶水をもった有機化合物の示差熱分析を行なう場合の脱水ピークに影響をおよぼす要因について検討した。分析試料としてはl-酸性グルタミン酸ナトリウム1水和物,クエン酸ナトリウム2水和物,ラクトース1水和物およびアスパラギン1水和物を用いた。その結果,有機物によっては結晶を摩砕するとピークが乱れることがあるが,磨砕しない場合には再現性のある鋭いピークが得られた。昇温速度は脱水ピークの面積にはあまり影響しないが,ピーク温度は昇温速度が増すにつれ高温側にずれる傾向がある。また,試料量が30mg以下の場合には試料量とピーク面積との間には直線関係が認められた。他の有機物が混在する場合では,脱水温度より低い温度で熱変化を起す物質が存在するとピーク面積はその影響を受けて変化する。しかし,脱水温度は混在物質の影響をほとんど受けないことが認められた。
  • 山本 勇麓, 小辻 杢也, 絹脇 晴一郎, 沢村 紘明
    1964 年 85 巻 12 号 p. 869-872,A66
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    著者らは無色のアニオンを有色の金属キレートカチオンとともに有機溶媒に抽出して,有機層における金属キレートの吸収スペクトルを測定することによって当該アニオンの定飛を行なう方法について系統的に研究しており,本報はその一部である。フェナントロリン-鉄(II)キレートは微量の過塩素酸イオンとともにニトロベンゼンに抽出され516mμ吸収極大を示す。この現象を利用して過塩素酸イオンの定量法を検討した。ρH1.5~10の範囲にわたり一定最大の抽出が得られ,キレートが過塩素酸イオンの5倍モル以上の濃度であれば過塩素酸イオンは定量的に抽出される。ふりまぜ時間は1分以上でよく,1回の抽出で十分である。12種類の有機溶媒について検討したが,ニトロベンゼン以外のものにはほとんど抽出されない。10-6~4×10-5mol/lの範囲でBeer則にしたがい既報のビピリジル法より1.5倍の感度を示す。塩素,硫酸,リン酸などのアニオンは数千倍共存しても妨害しない。ヨード,チオシアンは妨害する。
  • 岡 好良, 箭内 美恵子, 鈴木 千恵子
    1964 年 85 巻 12 号 p. 873-879,A66
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    トロポロンの4の位置に種々の置換基を入れた場合,5位に入れた場合と比較して,金属イオンとの反応性がどのように変化し,分析的にどのような効果をもたらすかを知る目的で,1:1鉄(III)キレートについて光度法にしたがって検討した。トロポロンの4位に,アセチル,プロム,イソプロピル,アミノ基を入れた場合,酸解離定数(Ka)として,それぞれ3.9×10-6,1.9×10-6,1.9×10-7および3.4×10-8をあたえた。このとき鉄キレートの安定度定数(K1)は4.0×109,1.1×1010,3.6×1011,3.8×1012と変化し,5位の場合と同様にρKaとlog k1との間に直線関係がみられた。ただし傾斜は1.5を示し,5位の場合の1とくらべてやや大きい。すなわちキレートの安定度は置換基の種類によるばかりでなく,その位置によっても影響される。
  • 井波 章, 森本 和久, 村上 嘉信
    1964 年 85 巻 12 号 p. 880-883,A66
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    9-ビニルカルバゾール3-置換体のポリマーを得て,その光物性を検討する目的で5種類のモノマーを合成した。9-β-クロルエチルカルバゾールから,3-ニトロ-9-β-クロルエチルカルバゾールを経て,3-ニトロ-9-ビニルカルバゾール(mp112°~113℃)を,3-アミノ-9-β-クロルエチルカルバゾールを経て,3-アミノ-9-ビニルカルバゾール(mp105°~106℃)を,3-ベンジリデンアミノ-9-β-クロルエチルカルバゾールを経て,3-メチルアミノ-9-ビニルカルバゾール(mp95°~96℃)を,3-ジメチルアミノカルバゾールを経て,3-ジメチルアミノ-9-ビエルカルバゾール(n 1.6542)を,3,6-ジブロム-9-β-クロルエチルカルバゾールを経て,3,6-ジブロム-9-ビニルカルバゾール(mp74°~75℃)を得た。
  • 北脇 六郎, 白井 孝三, 田中 徹
    1964 年 85 巻 12 号 p. 883-886,A66
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    芳番環を有するジシアナミド化合物を合成するために数種類の芳番族ジアミン類と臭化シアンとの反応を行なった。その結果一般にベンゼン核に梅接アミノ基の結合しているジアミン類は臭化シアンとは反応し難いのに反し,ベンゼン核の測鎖にアミノ基が結合しているジアミン類は容易に反応して相当するビス-(シアナミド-アルキル)-ベンゼンを生成することがわかった。そこでベンゼン核の側鎖にアミノ基を有するジアミン類を合成し,これらと臭化シアンとの反応を行ない,下記のような4種類の新化合物をいずれも比較的好収率に合成することができた。
    これらビス-(シアナミド-アルキル)-ベンゼン類(以下ジシアナミド化合物と称する)はIIを除いてmp102°~120℃の無色の結晶でアルコール類,アセトンに易溶,水,エーテル,ベンゼンに難溶の比較的安定な化合物である。
  • 北脇 六郎
    1964 年 85 巻 12 号 p. 886-889,A66
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シアナミドが置換シアナミド類と反応して置換ジシアンジアミド類を生成するか否かを検討するために,メチル-ならびにジメチルシアナミドを対象としてこの種の反応を研究した。いずれも少量のアミン類の存在下に両者を溶媒中または直接反応させることにより,メチル-ならびにジメチルジシアンジアミドを得ることができた。これら置換ジシアンジアミド類はそれぞれ相当する既知のビグアニド類,グアニジン類,グアニルウレア類に誘導することによって確認した。メチル-ならびにジメチルジシアンジアミドの酸による加水反応において,前者はメチルグアニルウレアを生成したが,後者はジメチルグアニルウレアが不安定のために分解してジメチルグアニジンを生成した。なおメチルグアニルウレアについてはSlottaらの誤認を訂正した。
  • 佐藤 猛
    1964 年 85 巻 12 号 p. 889-892,A67
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    3-ρ-メンテンを氷酢酸と無水酢酸の混合液に溶解し,60℃でかきまぜながら少量ずつ鉛丹を加え,生成する四酢酸鉛をただちに反応に関与させる方法で3-かメンテンを酸化した。
    反応生成物は主として3-ρ-メンテン-2-オールのアセテート,ρ-メンタン-3,4-ジオールジアセテートであることを認めた。
  • 藤田 安二, 上田 照夫, 藤田 真一
    1964 年 85 巻 12 号 p. 892-897,A68
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    台湾産のタイワンカワミドリ(Agastache formosanum Hayata)はl-プレゴンを主成分とする精油を与えるが,北海道産のカワミドリ(Agastache rugosa O.Kuntze)にもl-プレゴンとl-イソメントンとを主成分とするものがあり,メチルシャピコールを主成分とする通常のA.rugosa.O.Kuntzeとはまったく異なり,明らかにA.formosanun Hay.に一致する。
    北海道産のタイワンカワミドリは精油の収率生草の0.45%,油分はd-リモネン2.1%,3-オクタノン0.8%,ρ-シメン0.3%,3-オクタノール0.5%,3-メチルシクロヘキサノン0.2%,1-オクテン-3-オール(マツタケアルコール)1.8%,4-メントン12.4%,l-イソメントン35.5%,4-イソプレゴン1.0%,l-プレゴン32.0%,ピペリトン2.3%,その他10.9%からなる。
    このほか北米産のA.foeniculum O.Kuntzeにもメチルシャビコールを主成分とするもののほかに同様l-プレゴンを主成分とするものがあり,後者はA.Pallidiflora Rydbergにあたるものと考えられる。
  • 石川 敏雄
    1964 年 85 巻 12 号 p. 897-900,A67
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    D-グルコースとシクロヘキシルアミンとから生成する結晶性付加物(I)を長時間放置した場合に低収率ではあるがD-アラボン酸N-シクロヘキシルアンモニウム(III),N,N'-ジシクロヘキシルオキザミド(III)およびビス(N-シクロヘキシルイミノ)-エタンが得られた。
    Iを空気酸化するとIIおよびIIIが得られた。各種のN-シクロヘキシルグリコシルアミンを臭化カリウム錠剤として2年間放置したのちの赤外吸収スペクトルは相互に近似しており,とくに同一炭素数のグリコシルアミンの場合には酷似していた。
  • 松村 久, 永村 誠皓
    1964 年 85 巻 12 号 p. 901-905,A67
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    4-スチリルト繋ポロンから誘導されるメチルエーテル,クロルトロポンおよびトシラートの各2種の異性体について,シアン酢酸エチルとの縮合反応を行なった。2-メトキシ-4-スチリルトロポン(IIb)からは,2-アミノ-5-スチリルアズレン-1.3-ジカルボン酸ジエチル(VII)が得られ,これから脱アミノおよび脱炭酸により5-スチリルアズレン(X)に導くことができた。2-クロル-および2-トシルオキシ-4-スチリルトロボン(IIIbおよびIVb)からは,異常置換をともなっての縮合により,6-スチリル型アズレン誘導体(XII)が得られ,このものからは,6-スチリルアズレン(XIV)が合成された。一方6-スチリル型トロポン誘導体(IIa,IIIaおよびIVa)は上記の4-スチリル型(II,IIIbおよびIVb)にくらべて,反応しがたく,長時間反応させてもアズレン誘導体は得がたく,原料を回収したり,あるいは転位生成物と思われる化合物が生成される。
  • 稲村 裕
    1964 年 85 巻 12 号 p. 905-908,A67
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    trans-ジベンゾイルエチレンをアルミニウムイソプロポキシドで還元すると,ttrans-1,4-ジフェニル-2-ブテン-1,4-ジオールおよび未知高融点物質の得られることがすでに報告されている。著者はこの反応の条件を検討し,アルミニウムイソプロポキシド溶液の濃度と還元生成物との関係を明らかにした。さらにアルミニウムイソプロポキシドの製法の相異から,還元生成物として2,5-ジフェニルフランのみが得られる場合のあることを明らかにした。一方水素化ホウ素ナトリウムによる還元も行ない,アルミニウムイソプロポキシドの場合と比較した。
  • 元 鍾勲
    1964 年 85 巻 12 号 p. 908-909,A68
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 山本 大生
    1964 年 85 巻 12 号 p. 909-910,A68
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 新井 萬之助, 立田 晴雄
    1964 年 85 巻 12 号 p. 910-911,A68
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 新井 萬之助, 立田 晴雄
    1964 年 85 巻 12 号 p. 911-912,A68
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1964 年 85 巻 12 号 p. 912a
    発行日: 1964年
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1964 年 85 巻 12 号 p. 912b
    発行日: 1964年
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1964 年 85 巻 12 号 p. 912c
    発行日: 1964年
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1964 年 85 巻 12 号 p. A63-A68
    発行日: 1964/12/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
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