日本化學雜誌
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87 巻, 3 号
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  • 木越 邦彦
    1966 年 87 巻 3 号 p. 209-220,A13
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    樹令1821年の屋久杉年輪を用いて,大気中の二酸化炭素中の14C濃度の過去における変動を測定した報告である。初めに14C濃度の測定法とその誤差が述べられ,また木材年輪中の炭素が過去の大気中の炭酸ガスを集めた試料と見なしうるか否かについての考察が行なわれている。測定結果は,現在から1800年前まで大気中の14C濃度が大体連続的に減少し,その減少量は約2%近いことが示されている。この変動の傾向は,地磁気強度の経年変化に基づいて算出された大気中の14C濃度変動と一致し,さらにこの計算値から予測される5000年前までの大気中の14C濃度変動は,他の研究者によるエジプトなどの試料についての実測値とよく一致し,大気中の14C濃度の経年変化が主として地磁気強度の経年変化に関連していることが示されている。大気中の14C濃度の変動の原因として,気候および気団の性格の影響が考察され,前者については,1℃の平均気温の上昇が14C濃度を0.5%低下させる可能性のあること,後者については,海洋性の気団が大陸性のものより0.5~1%低い14C濃度を示す可能性のあることが結論されている。
  • 石田 真一郎
    1966 年 87 巻 3 号 p. 221-224,A13
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    球状分子の分子量測定には粘度拡散法が有効な方法であることはすでに金子によって報告されているが,今回著者は,フェノール・ホルムアルデヒド縮合物の分子量を沈降速度法,浸透圧法によって求め,これと粘度拡散平均分子量とを比較峰討した結果,3者の間にかなりよい一致を見たので,フェノール・ホルムアルデヒド縮合物へ粘度拡散法を適用することの妥当性を再確認した。つぎにフェノールとホルムアルデヒドとを湿式2段法で縮合,一部をアセトン不溶化させ,不溶化率の増加にともなう可溶性部分の分子量を粘度拡散法により追跡した。縮合は酸性および塩基性触媒存在下で行なったが,それぞれ不溶化率12%および36%付近に分子量の極大点が存在し,以後不溶化率の増加とともに減少することを知った。
  • 矢野 元威, 井本 立也
    1966 年 87 巻 3 号 p. 225-229,A13
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    静置法による酸化鉄粉末の水素還元において,マグネタイトから金属鉄になるいわゆる第2段目の還元過程は第1段目の還元過程にくらべて非常におそい。この過程の還元速度を高感度の等圧反応装置により測定した。その結果,第2段目の反応速度式は反応界面と圧力の積に比例し
    であらわされることを知った。
    ここで γ0:粉末粒子の平均半径(cm)
    KA:界面反応速度定数
    β:水素消費量を還元率に変換する量論数
    また,試料表面の一部を窒素で被覆し,かつ窒素による処理時間を変えて還元反応を行なったにもかかわらず,第2段の還元速度は窒素処理の影響をまったくうけていない。このことから第2段の還元過程は試料表面の状態に無関係に進行し,反応界面と水素圧力にのみ比例することが明らかとなった。
    第1段の還元反応は吸着窒素の影響をうけることは既報においてすでに述べた。本報では吸着窒素が平衡吸着に達するまでの各時間における吸着窒素の還元反応に与える影響を検討したところ,窒素吸着量と時間との関係曲線が屈曲する点があらわれるが,その屈曲点までの時間だけ吸着処理した試料を用いて還元を行なったとき,還元速度が最小となることが明らかとなった。
  • 外村 徳三, 堀田 紀好
    1966 年 87 巻 3 号 p. 229-232,A13
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ρ-ジオキサンならびにp-ジオキサンと水,フェノール,酢酸,酢酸メチル,メタノールおよびエタノールの各2成分系混合溶液のラマンスペクトルを,光電記録装置を取りつけた分光光度計で観測した。
    これらの各2成分系において,ρ-ジオキサンの833,11O8および1127cm-1の各ラマン線は,酢酸メチルの場合を除いて,約5~10cm-1程度,低波数側にシフトすることを認めた。このことから,-OH基のようなプロトンを放ちやすい基を含むことが水素結合を生じ,またρ-ジオキサンとの相互作用は,相手分子の構造によることを示した。
  • 横路 紀雄, 荻野 一善, 中川 鶴太郎
    1966 年 87 巻 3 号 p. 233-236,A14
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    乳化重合により得られたポリアクリル酸メチルをアセトン-メタノールで分別し,9個のフラクションを取り出した。変形Ost-wald粘度計を用い,ベンゼン,トルエン中の希薄溶液粘度を25°~55℃で測定し,主としてFlory-Foxの理論にしたがって解析した。その結果,Flory-Foxの理論はほぼ満足に適用され,エントロピー・パラメーター,エンタルピー・パラメーターなどの熱力学的定数を求めることができた。またベンゼン溶液のθ温度は-116℃,トルエン溶液のそれは10℃であることがわかった。
    一方,Unperturbed dimensionについて,Flory-Fox,およびStockmayer-Fixmanの理論にしたがって解析したが,その結果Flory-Foxのプロットでは,溶媒の性質に無関係となるべき定数Kが一定とならないことがわかった。
    Stockmayer-Fixmanのプロットでも分子量の小さい範囲では,異なる溶媒におけるKが一致するが分子量の大きいところではずれが見られた。
    Huggins定数K'について,その温度依存性を調べた。ベンゼン溶液においても,トルエン溶液においてもK'は極限粘度が増加すると減少する傾向がみられた。そしてθ点でのK7の値は約0.72であった。それで可擁性の高分子におけるK'の上限はおよそ0.7~0.8くらいの値と推定される。
  • 野村 浩康, 宮原 豊
    1966 年 87 巻 3 号 p. 237-239,A14
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ポリスチレンおよびポリビニルピロリドンについて種々の混合溶媒中の無限希釈における微分比圧縮率を求めた。ポリスチレンについてはトルエン-シクロヘキサンおよびトルエン-メタノール系について,いずれも微分比圧縮率は後者の成分の増加とともに単調に減少した。水-ピリジン系においてはポリビニルピロリドンはピリジン20%の点で極小を示した。これは選択吸着による分子形態の変化のためと考えられる。また水-メタノール系においては極大を示した。この場合極大点までの増加は脱水によるものであり,また極大点以後の減少はメタノールの吸着によるものと考えた。
  • 大杉 治郎, 久保田 博信, 上羽 勝邦
    1966 年 87 巻 3 号 p. 240-243,A14
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    従来の研究に引きつづき,プタジエン-空気系の爆発限界を注入法で決定した。
    爆発反応は,普通爆発と二段爆発であり,誘導期間は通常数秒以内であるが,爆発半島内では2~3分におよぶものもあった。
    等圧,等温爆発限界曲線はU字型を示す。等組成曲線で,ブタジエン組成20%のものが一番爆発しやすいことがわかり,またブタジエン組成2~3%,圧力25cmHg以下において爆発半島が存在することがわかった。
    この爆発反応が熱爆発であるとすると反応次数は2次となり,見かけの活性化エネルギーは約33kcal/molであるが,ブタジエン濃度の増加につれて減少している。
    生成物や爆発の様相から判断して,ブタジエン-空気系の爆発反応においては,ブタジエン濃度の低い組成の混含ガスでは酸化反応が,ブタジエン濃度の高い組成の混合ガスにおいては重合反応が主として起っているものと考えられる。
  • 鎌田 栄二郎
    1966 年 87 巻 3 号 p. 244-250,A14
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    中栄養湖である木崎湖を対象として,湖水中の有機物代謝の過程の中で,これまでほとんど追究されていない有機物から炭酸ガスにいたる分解の過程を追究するために,まず湖水中の主要な有機物である炭水化物についてその供給源となっている表水層での分解過程をおもに追究した。また炭水化物の分解過程に関連して有機酸の代謝過程も追究した。湖水における有機物の分解過程を追究する新しい研究手段として14Cトレーサーを用い,またその過程を解析するために速度論を導入した。木崎湖の表水層における炭水化物-炭酸ガス間の炭素の循環についてつぎのことが明らかになった。1)有機物の生成および分解の反応は微生物の活性にのみ依存することおよび有機物の生成速度はその分解速度より大きく,生産的水層であることが速度論的に裏づけられた。2)炭水化物の分解中間体として有機酸は検出されるほどには存在し得ないことが有機酸の分解過程の追跡からも確かめられた。3)植物プランクトンが生長している水では酢酸は生成と分解の動的平衡状態にあることが速度論的に推定される。
  • 竹内 俊夫, 角田 義和
    1966 年 87 巻 3 号 p. 251-254,A14
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    シリカゲル薄層吸着剤を用い,I-,Cl-,Br-,F-,IO4,IO3-,BrO3-,ClO3-,ASO43-,CrO42-,S2O32-の薄層クロマトグラフィーを試みた。多数の単一および混合展開剤を用いてその移動のようすを調べ,またそれを基礎にして分離可能なイオンの組み合わせがわかり,それらの二,三について分離を行なった。アセトン:メチルエチルケトン:14%アンモニア水(30:20:5)の割合の展開剤はI-,Cl-,Br-,I-のハロゲンイオンおよびIO3-,BrO3-,ClO3-ハロゲン酸素酸イオン相互の分離に非常に好適であることがわかった。
  • 本岡 達, 橋詰 源蔵, 小林 正光
    1966 年 87 巻 3 号 p. 255-258,A15
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    環状のトリメタリン酸ナトリウムを播潰機で磨砕することによって起る変化をX線回折,赤外吸収,イオン交換分析により追求した。その結果,つぎのことが明らかになった。
    1)X線的には,トリメタリン酸ナトリウムの回折線は次第に弱くなり無定形となる。さらに磨砕すると,Na2H2P2O7の回折線がみられるようになる。
    2)赤外吸収スペクトルによると開環が起り,鎖状となるのが認められる。
    3)分子種はトリメタリン酸塩がトリポリリン酸塩に変わり,さらにピロ,オルトリン酸塩に移行する。
  • 田中 信行, 菅 福彦
    1966 年 87 巻 3 号 p. 258-262,A15
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アルカリ性クエン酸塩溶液中でマンガン(II)がポーラログラフ波を与える条件を検討し,ρH8.5~9.5,クエン酸塩濃度0.05~0.25mol/lの条件で,OV vs.SCE付近に半波電位をもつ酸化波および-1.6V vs.SCE付近に半波電位をもつ還元波が得られることを見いだした。これらの酸化波,還元波の半波電位はρHが大きいほど負の電位に移行する。波高は時間とともに減少し,その減少速度はクエン酸塩濃度が小さいほど,ρHが大きいほど大きく,またマンガン(II)濃度については4次の関係を示す。これらの結果から,溶液中ではマンガン(II)4個をもつ電極不活性の多核錯体が生成するものと推定した。
  • 河淵 計明
    1966 年 87 巻 3 号 p. 262-265,A15
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    強塩基性陰イオン交換樹脂(Dowex l X-8,100~200メッシュ,SCN形)を用いて,アンチモン(II),スズ(IV),モリブデン(VI)の硫酸系における吸着性を検討した。硫酸溶液からはアンチモンは樹脂にあまり吸着されず,一方,スズ,モリブデンは強く吸着される。樹脂に捕捉されたスズとモリブデンは0.5mol/l塩化ナトリウム-0.5mol/l水酸化ナトリウム溶液で容易に溶離できるが,両者の分布係数にわずかに差異のあることがわかった。これらの事実に基づき,3N塩酸溶液から金属イオンを0.5cm2×12cmのカラムに吸着させ,アンチモンは1N硫酸で,スズとモリブデンは0.5mol/l塩化ナトリウム-0.5mol/l水酸化ナトリウム溶液でそれぞれ溶離し,これらの金属元素を分離した。
  • 外間 宏三
    1966 年 87 巻 3 号 p. 265-267,A15
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    沖縄南部に産するカーアチー種ヒラミレモンCitrus depressa Hayataの葉を小枝とともに水蒸気蒸留して得た精油の成分を検索し,α-ピネン8.6%,β-ピネン5.5%,リモネン5.0%,γ-テルピネン53.6%,p-シメン4.7%,リナロール6.1%,チモールメチルエーエル8.1%およびその他11成分8.4%からなることを明らかにした。
  • 中島 親彦, 谷本 重夫, 小田 良平
    1966 年 87 巻 3 号 p. 267-269,A15
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    ρ-グリシジル-α-メチルスチレン(bp5101°~103℃),p-イソプロペニルスチレンオキシド(bp4.588°~90℃)および2-(p-イソプロペニルフェエル)プロピレンオキシド(bp598°~100℃,mp38°~40.5℃)を合成した。これらはいずれもエポキシ基を有する新しいα-メチルスチレン誘導体であり,それぞれスチレンと共重合させた。
  • 倉林 正弘, 柳谷 康新, 渋谷 勲
    1966 年 87 巻 3 号 p. 270-280,A16
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    表題の反応について30°~60℃で希薄溶液中の反応過程の解析を行なった。
    グアニルメラミンの塩基性はpKb1=4.57,pKb211.52(25℃)で,メチロール化してもあまりその強度を減じない。メチロール化反応の速度ならびに平衡はグアニルメラミンを3.5官能性とすると2分子反応の式であらわされ,pH5.2~8.9ではホルムアルデヒドとグアニルメラミン,およびホルムアルデヒドとグアニルメラミン第一共役酸との反応が同時に進行するとみられる。メチレン結合の生成はpH6~12では初速度がグアニルメラミンとホルムアルデヒドの初濃度に比例し,メチロール化グアニルメラミンおよびその第一共役酸の水接触活性化(脱水)が律速と考えられ,pH2~6では部分的に水素イオン濃度に比例し,Schiff塩基の第二共役酸とグアニルメラミンとの反応を律速とする過程を加えると実験結果をよく説明できる。
    これら素反応にあずかる化合物の分子構造と反応性との関係を電子論的に論じた。
  • 永井 芳男, 長沢 孝太郎
    1966 年 87 巻 3 号 p. 281-283,A16
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    7,8-ペンゾ-3(CO),4:11,12(CO)-ジベンゾイレンテリレン(A)を3-ハロゲンペンゾアントロンと9,10-ジハロゲン・アントラセンから中間体9,10-ビス[3'-ベンゾアントロニル]アントラセン(B)を経て合成した。
    Bは褐色の結晶性粉末で,500℃でも融解しない。濃硫酸に溶けて赤色を呈する。Aは,黒色粉末で濃硫酸には暗紫色に溶ける。アルカリ性亜ニチオン酸ナトリウムで50°~60℃において暗紫色の建浴をつくり,木綿を純灰色に染める。A,Bとも新化合物である。
  • 永井 芳男, 長沢 孝太郎
    1966 年 87 巻 3 号 p. 284-287,A16
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    3(CO),4:13(CO)014-ジベンゾイレンカテリレン(A)を3-プロムベンゾアントロンと3,9-ジクロル・ペリレンから中間体3,9-ビス[3'-ベンゾアントロニル]-ペリレン(B)を経て合成した。
    Aはビオロングトロンの構造異性体であるので,著者らはイソビオロングトロン(Isoviolongthrone)と命名した。紫黒色粉末で,ピリジン添加でアルカリ性亜ニチオン酸ナトリウムにより60°~70℃で暗青色の建浴を与えるが,木綿繊維には染着性がない。加温濃硫酸に暗紫青色に溶ける。スピン濃度3.5×1018
    AをClar還元してジナフト-[1,2,3-cd:2',3',4'-tu]カテリレン(C)を得た。
    A,B,Cとも新化合物である。
  • 松田 勗, 野中 悠次
    1966 年 87 巻 3 号 p. 287-290,A17
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    アルデヒドとグリニャール試薬から第ニアルコールを合成する反応において,ケトンと第一アルコールが副生することはすでに知られているが,純粋な第ニアルコールを得るために必要な反応条件については報告がない。エーテルを溶媒とし,C3,C6,C7,C8H5MgBrを組み合わせ,試薬の割合,添加方法,反応の温度などを変えてグリニャール反応を行ない,生成物をガスクロマトグラフにより分析して副生物の種類,生成割合を調べた。少過剰のグリニャール試薬を用いる通常の反応操作ではケトンと第一アルコールの副生は7~21%であった。0°~5℃で反応を行なえばケトンと第一アルコールの副生はほとんど抑えうるが反応は完全に進まず,通常の操作においてグリニャール試薬を1.5~1.3倍量用いれば収率よく純粋な第ニアルコールが生成した。
  • 小田 良平, 林 良之
    1966 年 87 巻 3 号 p. 291-295,A16
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    小田らはジメチルスルポキシド(DMSO)とオキシ塩化リンの反応から生成するクロルメチルメチルスルフィドを用いて芳香核のメチルチオメチル化反応について報告している。硫酸触媒のもとにDMSOから生成するメチルスルフィニルカチオンは芳香核あるいはスチレンの側鎖を攻撃して同様にメチルチオメチル誘導体を与える。これらのスルフィドはDMSOにより酸化されスルポキシドとなり,さらにPummerer転位を行なってアルデヒドとなる。
    ジメチルスルフィドとスチレンを硫酸中で反応してメチルα-フェニルエテルスルフィドを得た。このものはDMSOとスチレンを反応させても得られる。さらにスルポキシドへの酸化,つづいてPummercr転位をして生成したと思われるアセトフェノンを得た。
    DMSOの分解により生ずるホルムアルデヒドにより連結されたメチレンビス化合物の生成することも確認した。
    硫酸存在下,DMSOまたはジメチルスルフィド中でスチレンを二量化した場合の生成物は1,3-ジフェニルプテン-1のみであった。
  • 藤木 清子
    1966 年 87 巻 3 号 p. 296-299,A17
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    制ガン剤としての表題化合物Vの合成を試み,N-置換エタノールアミンとブロムアセタールからIIIa~IIImを合成し,IIIを塩化チオニルで塩素化してVを得た。IIIの合成の際,その方法により環化したN-置換-2-アルコキシモルホリン(IV)が生成された。またVの合成時もしくはIIIかVをピクリン酸やピクロン酸で処理した場合にもIVが生成される場合がある。遊離のVは不安定で,長時間室温放置もしくは加熱により二量化してピペラジニウム塩(VI)を形成し,VIは水酸化カリウムにより相当するエチレンジアミン(VI)とアセチレンに分解する。
  • 滝沢 三郎, 陰山 富司
    1966 年 87 巻 3 号 p. 300-300,A17
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    著者は永年の間,液体アンモニア中の種々の反応を研究しているが,本報告もまた,その一部である。アンモニア,イオウおよび一酸化炭素による尿素の合成は報文が見られるが,その収率はよくない。著者らはイオウと液体アンモニアとをまず加熱してから,一酸化炭素を圧入する方法により,きわめて好収率に尿素を得ることができた。
  • 松尾 武
    1966 年 87 巻 3 号 p. 300a-301,A17
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 1966 年 87 巻 3 号 p. A13-A17
    発行日: 1966/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
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