日本各地産のナギナタコウジュElsholtzia ciliata Hylanderの精油をガスクロマトグラフィーにより再検討した。
精油の収率は生草の0.10~0.25%, 油分はα一ピネン1.0~8.9%, イソ吉草酸イソプチル1.3~6.1%, シネオール0.8~3.5%, ρ一シメン<0.1%, 酢酸-3-オクチル0.4~1.7%, 3-オクタノール0.8~4.9%,酢酸<0.1%,1-オクテン-3-オ一ル<0.1%, β-ナギナテン(?)0.5~3.0%, α-ナギナテン(?)0.6~22%, リナロール<0.1~3.5%,ショウノウ<0.1~1.4%, エルショルチアケトン26.4~60.6%, イソ吉草酸8.2~35.2%, ラクトン5.3~25.8%, ツワブキ酸<0.1%, イソカブロン酸<0.1%, n-カプロン酸<0.1%, ゲラニオール0.1~14.3%, ナギナタケトン<0.1~2.2%,その他からなることがわかった。
これを既報の大阪府勝尾寺方面産の別系のナギナタケウジュが, その収油率生草の0.12~0.21%, 精油成分としてα-ピネン2.4~4.4%, リモネン0.5~3.4%, ρ-シメン0.1~0.8%, 3-オクタノール0.9~2.1%, 1-オクテン-3-オール1.8~2.6%,2-アセチル-3-メチルフラン1.8~4.6%, リナロール0.6~1.5%, エルショルチアケトン1.7~7.6%, イソ吉草酸0.6~2.4%,ツワブキ酸エステル3.2~I1.6%, ツワブキ酸8.1~19.4%,ナギナタケトン35.3~66.1%, セスキテルペンアルコール3.1~11.3%を含むことと比較し, 若干の化学分類学的議論を述べた。
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