パーソナリティ研究
Online ISSN : 1349-6174
Print ISSN : 1348-8406
ISSN-L : 1348-8406
20 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
依頼論文
原著
  • 岡田 努
    原稿種別: 原著
    2011 年 20 巻 1 号 p. 11-20
    発行日: 2011/07/30
    公開日: 2011/10/25
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,現代青年の友人関係が自尊感情に及ぼす構造(影響)を検討するものである。友人関係,被受容感,被拒絶感,自尊感情の尺度について246名の高校生と236名の大学生に対して実施された。これらの青年に対して友人関係のパターンを見出すためクラスタ分析が実施され,3つのクラスタが見出された。1)情緒的に近い関係を回避する青年,2)情緒的に近い関係を持つ青年,3)友人から傷つけられたり,友人を傷つけることを避け,また友人と群れていようとする傾向が高い青年である。共分散構造分析の結果,傷つけられることを回避することが,傷つけることを回避する心性を経て,被拒絶感を低減し,結果的に自尊感情を維持させることが示唆された。
  • 江上 奈美子
    原稿種別: 原著
    2011 年 20 巻 1 号 p. 21-31
    発行日: 2011/07/30
    公開日: 2011/10/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,研究1で大学生における境界例心性を測定する尺度を定義に合わせて改変することを目的とし,研究2で境界例心性と対人・達成領域のライフイベント,およびそのイベントに対する不快・快感情との関連を検討することを目的とした。その結果,研究1では境界例心性尺度に6つの因子が抽出され,信頼性と妥当性が確認された。研究2では,大学生378名の回答を対象にt検定によって検討した結果,境界例心性高群は低群に比して,学業面でも対人関係でもネガティブな体験が多く,その体験に対して不快感情を抱いていたことが示された。また,彼らは学業面でのポジティブな体験については低群と経験頻度に差がないにもかかわらず,高群と同程度に快いと感じていないという結果が示された。境界例心性が強い大学生にはポジティブな体験に対しても快いと感じにくい評価のパターンがあることが示された。
資料
  • ――不安と抑うつの識別を考慮に入れた検討
    松浦 隆信, 亀山 晶子, 坂本 真士
    原稿種別: 資料
    2011 年 20 巻 1 号 p. 32-40
    発行日: 2011/07/30
    公開日: 2011/10/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,自己及び外的対象への過度な注意の持続が不安・抑うつに及ぼす影響を検討した。その際,不安と抑うつが現象的に併存しやすい点を考慮し,不安と抑うつの識別に配慮がなされた不安・抑うつ尺度を用い,不安と抑うつそれぞれを統制して分析を行った。対象は大学生271名(男性128名,女性143名)であった。偏相関分析及び重回帰分析の結果,自己没入は不安と中程度の関連が見られた。また,外的没入と不安・抑うつとの間には関連が見られなかった。以上の結果を基に,自己没入と不安の持続期間との関連や,外的対象に注意を向ける際の意図と不安との関連について考察を加えた。
ショートレポート
feedback
Top