パーソナリティ研究
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21 巻 , 2 号
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原著
  • 工藤 浩二, 藤生 英行
    原稿種別: 原著
    2012 年 21 巻 2 号 p. 99-110
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    本研究は,高校生を対象として,自己分化度仮説の機序の一端を実証的に説明することを目的として,自己分化度がネガティブライフイベントの嫌悪度に及ぼす影響について検討した。首都圏の高校生1242名を対象として,質問紙法による調査を実施した。共分散構造分析を行った結果,自己分化度は達成領域と対人領域の両領域のネガティブライフイベントの嫌悪度に負の影響を及ぼしていた。これにより,自己分化度が低い者はネガティブライフイベントの影響度が大きくなり,その結果として様々な不適応状態を呈する可能性が高くなる,すなわち,ネガティブライフイベントに対する脆弱性が高くなると考えられた。
  • ―小学生と中学生における差の検討
    岡田 涼, 大谷 和大, 中谷 素之, 伊藤 崇達
    原稿種別: 原著
    2012 年 21 巻 2 号 p. 111-123
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    本研究では,小学生と中学生において,目標志向性が内発的興味を介して学業的援助要請およびピア・モデリングに影響するプロセスを検討することを目的とした。調査協力者は,小学生438名,中学生654名であった。多母集団同時分析による構造方程式モデリングの結果,小学生と中学生のいずれにおいても,熟達目標が内発的興味を介して依存的援助要請の低さに影響するプロセスが示された。小学生においては,熟達目標が内発的興味を部分的に介してピア・モデリングに影響するプロセスが示された。中学生においては,小学生よりも遂行回避目標とピア・モデリングとの関連が強かった。小学生と中学生の仲間との学習における目標志向性の役割について論じた。
  • 光浪 睦美
    原稿種別: 原著
    2012 年 21 巻 2 号 p. 124-137
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,大学生401名を対象に,対人関係における動機や目標志向性および対人行動が,過去の認知と将来への期待の組み合わせによって設定された認知的方略のタイプ(方略的楽観主義(SO),防衛的悲観主義(DP),非現実的楽観主義(UO),真の悲観主義(RP))で異なるか検討することと,対人関係における動機,目標および行動の因果プロセスについて検討することであった。その結果,SO群とUO群は親和願望が高く,DP群とRP群は拒否不安が高いことが示された。また,SO群とUO群は経験・成長目標をもち,積極的・援助的な対人行動をとっていた。因果プロセスの検討から,4つの群すべてにおいて親和願望が経験・成長目標を介して積極的な対人行動に影響を及ぼすことが明らかになったが,UO群とRP群においては,自分の性格に対する良い評価を得るために一見ネガティブにもみえる行動をとる可能性が示唆された。
  • 梅本 貴豊, 田中 健史朗
    原稿種別: 原著
    2012 年 21 巻 2 号 p. 138-151
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    本研究では大学生における動機づけ調整方略尺度を作成し,その尺度の構成概念妥当性と,動機づけ調整方略が学習の持続性と学習の取り組みに与える影響について検討した。まず大学生156名に自由記述の質問紙調査を実施し,動機づけ調整方略尺度を作成した。次に大学生272名に動機づけ調整方略尺度,CAMI (Control, Agency, and Means-Ends Interview),持続性の欠如,学習の取り組みからなる質問紙調査を実施した。探索的因子分析の結果,7つの動機づけ調整方略が明らかにされ,またCAMIとの関連を通してその尺度の一定の構成概念妥当性が確認された。そして重回帰分析を用いて,自律的調整方略,協同方略,成績重視方略が学習の持続性と学習の取り組みに与える影響について検討したところ,自律的調整方略が促進的な影響を,協同方略と成績重視方略が抑制的な影響を示した。これらの結果から,大学生における動機づけ調整方略について議論を行った。
資料
  • 本田 周二
    原稿種別: 資料
    2012 年 21 巻 2 号 p. 152-163
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,友人関係が形成,維持される理由の多様性に焦点を当て,友人関係における動機づけが同性友人との葛藤時の対処方略および友人関係満足感に及ぼす影響について検討することであった。東京都内の短大および専門学校生,兵庫県内の大学生218名に質問紙調査を行った。構造方程式モデリングによるパス解析の結果,「内発的動機」から統合スタイルへの正のパスが有意であった。さらに,「外的」から強制スタイル,「取り入れ」から回避,自己譲歩スタイルへの正のパスが有意であった。また,重回帰分析の結果,「取り入れ」から友人関係満足へは負のパスが有意であった。本研究により,現代青年においては,内発的な動機に基づく友人関係だけではなく,外発的な動機に基づく友人関係も存在しており,両者は異なった対人行動を導くこと,そして,外発的な動機である「取り入れ」による友人関係を持つ傾向が高いほど,友人関係満足感が低いことが示された。最後に,外発的な動機に基づき友人とつきあう理由について考察した。
  • ―体型結果予期の分類および痩身願望との関連
    鈴木 公啓
    原稿種別: 資料
    2012 年 21 巻 2 号 p. 164-175
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    痩身は「装い」の1つであり,装いと同様の機能を有していると考えられる。そこで,装いとしての痩身の性質を確認するために,心理的機能を中心に体型結果予期を用いて確認することにした。研究1では,若年女性を対象として得られた自由記述データをもとに体型結果予期の分類をおこなった。その結果,装いの心理的機能に対応した内容が抽出され,痩身が装いの1つであることが確認された。また,他の装いを促進するという機能も確認された。研究2では,体型結果予期と痩身願望との関連について検討した。その結果,心理的機能に対応する体型結果予期は,他の機能に対応する体型結果予期と同様に,痩身願望と正の関連にあることが示された。
  • 島 義弘
    原稿種別: 資料
    2012 年 21 巻 2 号 p. 176-182
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    本研究では大学生613名を対象に質問紙調査を行い,アタッチメントの内的作業モデルと仮想的有能感の関連を検討した。両概念はともに自己の次元と他者の次元の2次元で構成されている。相関分析の結果,(1)自己の次元(“不安”と自尊感情)には負の相関があったが,(2)他者の次元(“回避”と他者軽視傾向)の相関は弱かった。また,類型的な関連については,安定型には自尊型が多く萎縮型,仮想型が少ない,とらわれ型には萎縮型が多く自尊型が少ない,恐れ型には仮想型が多く自尊型が少ないという関連が示された。これらの結果は,アタッチメントスタイルと有能感スタイルが,特に自己の次元において相互に関連することを示している。アタッチメントの内的作業モデルと仮想的有能感の共通性と差異性が示された。
ショートレポート
  • 上田 光世, 潮村 公弘
    原稿種別: ショートレポート
    2012 年 21 巻 2 号 p. 183-185
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    The present study investigated the relationship between forgiveness and the cultural values of the Japanese. Multiple regression analysis indicated that dispositional unforgiveness of self/situation was negatively related to independent self-construal and positively related to interdependent self-construal. The results show that the value of forgiveness of self/situation is low in the Japanese worldview. In the relationships between the religious faith scale and the sub-dimensions of dispositional forgiveness, forgiveness of others was positively related only to the item “religion has harmful effects”. Discussion of the results reveals how cultural and religious beliefs about forgiveness are different in Japan compared to Western countries.
  • ―交差遅延効果モデルによる検討
    岡田 有司
    原稿種別: ショートレポート
    2012 年 21 巻 2 号 p. 186-189
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    This study examined causal relationships between adjustment and cognitions of importance for the domains of school life by using a cross-lagged effect model. A self-report questionnaire was administered to 338 junior high school students twice (Time 1, from June to July in 2006; Time 2, from February to March in 2007). The results showed that the cognitions of importance for each domain of school life at Time 2 were influenced not only by the cognitions of importance but also by the adjustment to the domains at Time 1. On the other hand, the adjustment to each domain at Time 2 was affected only by the adjustment to the domain at Time 1.
  • 大谷 和大
    原稿種別: ショートレポート
    2012 年 21 巻 2 号 p. 190-193
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    Academic contingency of self-worth (ACSW) refers to the degree to which one’s sense of self-worth is based on academic achievement. Past research on this subject focused on the joint influence of ACSW and achievement (such as success and failure) on affective and motivational outcomes. However, the cumulative effects of past achievement have not been taken into consideration. This study examined how the interaction between ACSW and perceived cumulative achievement influenced motivation. The participants were 226 junior high school students. The results showed that when the self-report of cumulative achievement was high, ACSW enhanced the motivation.
  • 林 明明, 丹野 義彦
    原稿種別: ショートレポート
    2012 年 21 巻 2 号 p. 194-196
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    This study investigated individual differences in the influence of anxiety on memory after acute stress. Students were assigned to a stress condition (n=26) or a control condition (n=26). After completing an anxiety scale, the participants were exposed to either a stressor or a non-stressful task. Then they learned neutral, positive, and negative word lists of 10 words each, followed by a 15 min filler task and then a recall test. The results showed that recall performance for positive words was enhanced in the stress condition, but only for the high anxiety group. There was a different pattern of memory bias for the high anxiety group between the stress and control conditions.
  • ―遺伝要因と環境要因の重なりから
    敷島 千鶴, 木島 伸彦, 安藤 寿康
    原稿種別: ショートレポート
    2012 年 21 巻 2 号 p. 197-200
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/02/11
    ジャーナル フリー
    Using a behavioral genetic approach, we examined the association between Cloninger’s Temperament and Character Inventory (TCI) and IQ in terms of underlying genetic and environmental etiological overlap. Using the TCI personality dimensions (4 temperaments and 3 character traits) and IQ data for 199 pairs of adolescent and young adult twins, we found a genetic negative correlation between one of the character traits (self-transcendence) and IQ. In contrast, we did not find significant environmental correlations between any of the personality dimensions and IQ. These results suggest that contributions from the same genetic factor operate on both self-transcendence and IQ.
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