パーソナリティ研究
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27 巻 , 1 号
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原著
  • 内田 香奈子
    2018 年 27 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/04
    [早期公開] 公開日: 2018/03/23
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,日本語版Emotional Approach Coping Scales(EAC)を開発し,特性的な情動焦点型コーピングが気分に与える影響を検討することであった。研究1では,EACについて5週間の期間をあけ2度の回答を参加者に求めた。その結果,EACは感情処理と感情表出の2下位尺度で構成され,いずれも高い信頼性と妥当性が示された。研究2では,日本語版EACとPOMSを用いて情動焦点型コーピングが日常の気分に与える影響を検討した。階層的重回帰分析の結果,感情表出は男女で怒り–敵意を,男性で疲労を高めた。一方,感情処理は男女で活気を高め,男性で疲労を低減した。さらに女性における交互作用も疲労において有意であった。本尺度を使用する際の制限や,今後の展望が論議された。

  • 松本 明生
    2018 年 27 巻 1 号 p. 12-20
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/04
    [早期公開] 公開日: 2018/03/23
    ジャーナル フリー

    本研究では体験の回避とコーピングとの関連,そして体験の回避が心理的ストレス反応に及ぼす影響について検討した。大学生にAAQ-JとTAC-24, SRS-18への回答を依頼し,回答に不備のない357名(うち男性119名)が分析の対象となった。まずAAQ-JとTAC-24の全項目の探索的因子分析を実施した結果,体験の回避を示す2因子とコーピングを示す7因子が抽出された。次にSRS-18の下位尺度得点を目的変数,AAQ-JとTAC-24の下位尺度得点を説明変数とした階層的重回帰分析を行ったところ,体験の回避を示す因子はSRS-18のすべての下位尺度と関連していた。以上の結果から体験の回避という概念がコーピングとは区別可能であること,そして心理的ストレス反応と関連するものであることが示された。

  • 清水 陽香, 中島 健一郎
    2018 年 27 巻 1 号 p. 21-30
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/04
    [早期公開] 公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー

    防衛的悲観主義者(DP者)は,方略的楽観主義者(SO者)に比べて自尊心が低く不安が高い一方で,パフォーマンス前の準備を入念に行い,その結果SO者と同程度に高いパフォーマンスを示すとされている。一般に高い不安や低い自尊心は準備およびパフォーマンスを阻害するにもかかわらず,DP者が課題の事前準備に取り組むことができる理由はいまだ明らかになっていない。本研究では,その理由としてDP者には潜在的自尊心の高さがあると考え,DP者の顕在的自尊心と潜在的自尊心に着目した検討を行った。研究1では,質問紙調査によって認知的方略による顕在的自尊心の差異を検討した。また研究2では,Name Letter Taskを用いて潜在的自尊心の差異を検討した。研究1, 2の結果,DP者はSO者に比べて顕在的自尊心は低いものの,潜在的自尊心はSO者と同程度に高いことが示された。

  • 澤山 郁夫, 三宅 幹子
    2018 年 27 巻 1 号 p. 31-41
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/04
    [早期公開] 公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,大学生を対象とした質問紙調査を行い,独り言的ツイート頻度と社会的発話傾向および私的発話傾向の関連から,大学生の独り言的ツイートがそのどちらの性質をより強くもつものであるのか検討することであった。結果,2012年12月に得たサンプルでは,独り言的ツイート頻度は私的発話傾向と関連していた一方で,2016年1月に得たサンプルでは,社会的発話傾向と関連傾向にあった。さらに,経年変化として,独り言的ツイートの代替手段として「メモに書く」をあげる者の割合が減少傾向に,また「他者に話す」をあげる者の割合が増加傾向にあることが示された。これらの結果から,Twitterで表出される大学生の独り言的ツイートは,私的発話としてとらえられるものから,社会的発話として捉えられるものへと変化しつつあると示唆された。

  • 村上 元, 森元 隆文, 西山 薫, 池田 望
    2018 年 27 巻 1 号 p. 42-52
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/04
    [早期公開] 公開日: 2018/05/18
    ジャーナル フリー

    本研究は,被害妄想的観念の頻度,確信度,苦痛度の3側面に対して影響を与える要因を検証することを目的とした。被害妄想的観念への影響要因としては原因帰属,不安,抑うつを想定した。原因帰属は,内在性,安定性,全般性の3次元とし,内在性についてはさらに内的帰属,外的–状況的帰属,外的–人的帰属の3次元に細分化した。研究には統合失調症患者48名が参加した。階層的重回帰分析の結果,被害妄想的観念の頻度には抑うつと全般性が,確信度には抑うつ,外的–人的帰属,および全般性が,苦痛度には抑うつと不安が影響を与えていた。以上のことから,被害妄想的観念の3側面それぞれは,影響をおよぼされる要因が異なることが示された。したがって,被害妄想的観念への介入に際しては,各側面ごとに,感情の統制,もしくは原因帰属の把握が必要であることが示唆された。

  • 太幡 直也, 佐藤 広英
    2018 年 27 巻 1 号 p. 53-63
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/04
    [早期公開] 公開日: 2018/05/18
    ジャーナル フリー

    情報プライバシーは,インターネット(以下,ネット)上での不特定多数の他者への自己情報公開と負の関連がみられることが報告されている。本研究では,ネット上での未知の他者への自己情報公開を測定し,情報プライバシーと自己情報公開との関連を,対面の予期を操作して検討した。大学生に対し,ネット上で未知の大学生とチャットをするように告げた。対面の予期あり条件の実験参加者には,チャットをする相手と後日会ってもらう予定であると伝えた。一方,なし条件の実験参加者には,そのように伝えなかった。チャットをする前に,実験参加者に,相手に示すプロフィールを作成するように求めた。その結果,なし条件では,識別情報へのプライバシーが低い者ほど,プロフィール上で自己に関する事柄を多く表出していた。一方,あり条件では,情報プライバシーとプロフィール上の自己情報公開には関連はみられず,コミュニケーション動機が高い者ほど,プロフィール上の情報入力数が多く,また,プロフィール上で自己に関する事柄を多く表出していた。

  • 大久保 圭介
    2018 年 27 巻 1 号 p. 64-72
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/04
    [早期公開] 公開日: 2018/05/18
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は恋愛関係における自分磨き(self-improvement)に対する相互影響性を検討することである。アタッチメント理論に依拠して,恋愛関係にある参加者に対して,アタッチメントとケアギビングの傾向を測定し,Actor Partner Interdependence Model(APIM)の枠組みで分析を行った。結果より,アタッチメント回避が自身の自分磨きの成果に与える影響に加え,アタッチメントとケアギビングが相手の自分磨きの成果に与える影響がいくつか示された。さらに,女性の自分磨きの成果に対しては,女性のアタッチメント回避と男性のケアギビング過活性の交互作用効果も示された。したがって,恋愛関係においては,自分磨きの成果は男女のアタッチメントとケアギビングの相互的な影響によって規定されると考えられる。

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