ミクロ二次元電気泳動法により, 精漿蛋白を約80個のスポットに分離し, 電気転写と酵素抗体ABC法により, 精漿の蛋白スポットを高感度に同定した. 免疫染色のための一次抗血清は, 凝固因子, 蛋白分解酵素および補体などに関係する計54種類の抗血清を用い, 得られた結果から, 二次元電気泳動法による精漿蛋白のペプチドマップを作成した.
この同定したスポットには, 従来, 精漿中には含有されていないとされている Prothrombin, Factor-12および Plasminogen など凝固に関係する因子が含まれていた. 今後, 精液の凝固液化の機序を解明するうえでも, 二次元電気泳動法は有力な方法と言える.
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