日本補綴歯科学会誌
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4 巻, 1 号
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依頼論文
第120回記念学術大会 シンポジウム1
  • 小宮山 彌太郎, 市川 哲雄
    2012 年 4 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
  • 塩田 真
    2012 年 4 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    インプラント補綴は支台の周囲組織の形態や支台の配置といった従来の補綴では不可侵だった領域に関与している.また,コンピュータテクノロジーの進歩はバーチャル空間での診療設計とその口腔内リアリティ空間での実現を可能にした.したがってインプラント上部構造を設計するにあたって補綴医は従来と全く異なるスタンスをとることとなった.またそれに伴って,従来的な意味での補綴医の担当領域は少なからず縮小している.
    この小論では審美領域におけるインプラントに関与する補綴医のスタンスを,個々のインプラント,口元,顔貌という三つの対象領域に焦点を当てて解説し,そこから導かれる指針の紹介を試みる.
  • 石川 知弘
    2012 年 4 巻 1 号 p. 10-17
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    前歯部欠損治療において患者の最大の関心は審美性の回復であろう.しかし現実にはほとんどの前歯部欠損症例において,インプラント周囲に審美的な軟組織のフレームを再現するには骨,軟組織が不足している.特に多数歯に欠損が及ぶ場合より顕著である.前歯部インプラント治療において患者にも術者にとっても十分満足できる結果を獲得するためには,術前に治療目標を設定し,補綴様式に応じたインプラント周囲組織のマネージメントが不可欠である.本稿では主として Cr-Br形式の上部構造のために必要なインプラント周囲の骨の三次元的な再建と,その手法についての GBR,および軟組織のマネージメントについて症例を通して解説したい.
  • 武田 孝之
    2012 年 4 巻 1 号 p. 18-26
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    審美領域に適用したインプラント補綴の予後に影響を与える因子は,これまで多数述べられており,一見整理されているように思われる.審美性を維持するための要件は,唇頬側の水平支持骨および十分な厚みを有する非可動性粘膜の獲得,維持に集約されるが,そのための診断,臨床的対応は重み付けがされないままになっている.
    経過観察から得られた結果をもとに,患者負担を可及的に少なく,かつ,適切な結果を獲得,維持するための要件を整理した.その結果,インプラントポジションとインプラント特有の縁下形態および歯冠形態の二つの重要な要素が明確になった.
第120回記念学術大会 臨床リレーセッション4
  • 横山 敦郎, 山根 進
    2012 年 4 巻 1 号 p. 27
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
  • 飯島 俊一
    2012 年 4 巻 1 号 p. 28-34
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    インプラントを選択することにより,インプラント治療の合併症を減らす.より長期の成功を獲得するために,コニカルコネクションタイプのインプラントを選択する.コニカルコネクションのインプラントは,インプラント周囲炎を減少する.上部構造は,CAD/CAMで,強度の高い材料を使用する事により,破折の防止をする.インプラントヘッドは,強度が高く,症例に応じ,太さ,長さを適切にする.骨縁下インプラントとの組み合わせにより,より長期の使用が可能となる.
  • 日高 豊彦
    2012 年 4 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    インプラント修復において審美性を考慮する場合,歯冠修復と同様に辺縁歯肉と歯冠乳頭の位置,およびその長期的安定が問題となる.このことに関するリサーチは1990年代から2000年代に数多く見られるが,これらの研究は1980年代から広く知られるインプラント埋入後に起こる周囲硬組織の変化に起因する見かけの変化をリサーチしたに過ぎないように思える.つまり,インプラント修復において審美性を確立するためには,従来からいわれているインプラント埋入部位に必要な硬組織を確保,または造成することである.生体には固有差があるが,一般的にはインプラントの頬(唇)側および舌(口蓋)側に2 mm以上,インプラントと天然歯間に1.5 mm以上,インプラントとインプラント間に3 mm以上の硬組織を確保し,辺縁歯肉より3 mm根尖側方向にインプラントが位置するよう埋入することが,インプラント修復を審美的に完結できるのではないかと多くの文献から示唆される.
  • 上田 秀朗
    2012 年 4 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    欠損補綴において,インプラント治療が幅広く用いられるようになってきた.インプラントは原則さえ守れば,成果が得られる予知性の高い治療法であり,少数歯欠損から無歯顎まで多様性のある欠損補綴の治療オプションとなっており,すべての欠損様式に応用できる治療法である.しかし,臨床における咬合再構成を成功させるためには,さまざまな状態で混在する欠損に対応する必要があり,場合によっては従来型の補綴治療オプションを選択するほうが効果的であることも考えられる.また,患者自身の生活環境やニーズ等も考慮すると,さらに治療方法の選択は複雑になる.
    天然歯とインプラントの大きな違いは,歯根膜の存在による挙動の差であり,混在させて咬合力を均等に負担させることは,理論的に非常に困難であるように思われる.ましてや,動揺のある歯周病に罹患した歯を含む歯列にインプラント治療を行う際は,十分な配慮が必要になる.今回は,咬合再構成を行った症例を呈示し,欠損補綴の選択基準について述べてみる.
原著論文
  • 豊下 祥史, 会田 康史, 額 諭史, 川西 克弥, 會田 英紀, 池田 和博, 守屋 信吾, 越野 寿
    2012 年 4 巻 1 号 p. 49-58
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:特定高齢者候補者と非候補者の口腔内および咀嚼機能を調査し,比較を行うことで,特定高齢者候補者の口腔内の実態を把握し,基礎的なデータを提示すること,さらに基本チェックリストの各因子と咀嚼機能の関係を調査することを目的とした.
    方法:北海道I町の134名を対象とした.はじめに,基本チェックリストおよび摂取可能食品アンケートについて回答を得た.次に,現在歯数を調査し,義歯装着者の義歯の床外形の適正度,義歯床の適合性,義歯の咬合面形態,上下顎の咬合接触関係を調査した.その後,義歯に対する満足度,適合性,疼痛,咀嚼のしやすさ,審美性,会話のしやすさについての自己評価を調査した.特定高齢者候補者群とそれ以外の非候補者群の各データの比較を行った.さらに,基本チェックリストの各因子と現在歯数,咀嚼スコアとの相関係数を求めた.
    結果:特定高齢者候補者群の一人平均現在歯数,咀嚼スコアに低下が認められた.義歯の状態は下顎義歯の床外形と上顎義歯の適合が,自己評価では,義歯の満足度と会話のしやすさについてのスコアが,それぞれ候補者群で低下していた.咀嚼スコアと「生活機能」「運動機能」および「口腔機能」に弱い相関があった.
    結論:介護予防事業において,特定高齢者の口腔機能の向上を行っていくことが重要であり,その際「口腔機能」のみならず全身の機能を考慮したアプローチが重要であると考えられる.
  • 小山 重人, 花渕 静, 冨士 岳志, 伊奈 慶典, 依田 信裕, 塙 総司, 横山 政宣, 佐々木 啓一
    2012 年 4 巻 1 号 p. 59-67
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:可撤性部分床義歯(RPD)装着患者に対するメインテナンスケア頻度の相違が残存歯歯周組織の状態に与える影響を明らかにすることを目的とした.
    方法:平成8年から平成17年までにRPDを装着し,約5年が経過した患者108名をリコール調査したなかで,RPDを継続使用しメインテナンスケアを受けた患者34名を対象とした.リコール調査までの間に1年に4回以上のメインテナンスケアを経験した患者群14名の135歯の残存歯,リコール調査までの間に1年に3回以下のメインテナンスケアを経験した患者群20名の185歯の残存歯について後ろ向きコホート研究にて比較検討を行った.調査項目は,支台歯および非支台歯についてRPD装着時とリコール調査時における1)O’Learyの Plaque Control Record(PCR),2)歯周ポケット深さ,3)Millerの動揺度,4)歯槽骨吸収度とした.
    結果:PCR,ポケット深さ,動揺度および歯槽骨吸収度をRPD装着時とリコール時で比較すると,メインテナンスケアが年4回以上の群の支台歯においては4項目とも有意な変化は観察されず,非支台歯ではポケット深さおよび動揺度が改善していた.一方,3回以下の群の支台歯においてはPCR,ポケット深さおよび歯槽骨吸収度が有意に悪化し,非支台歯ではPCR,ポケット深さおよび歯槽骨吸収度が有意に悪化し,動揺度のみが改善していた.
    結論:メインテナンスケアが年4回以上の群では支台歯歯周組織の健康維持に有効であった.
  • ―厚みを確保するためのシートへの切れ込みの検討―
    水橋 史, 小出 馨, 高橋 睦
    2012 年 4 巻 1 号 p. 68-75
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:本研究では,マウスガードの厚みを確保するためにマウスガードシートへ切れ込みをいれる方法について検討を行った.
    方法:材料はマウスガードシート(厚さ3.8 mm)を使用した.マウスガードシートの状態は,通常のシートおよび切れ込みをいれたシートの2条件とした.シートの成形は吸引型成型器を用い,シートが20 mm垂れ下がった時点で吸引圧接した.厚みの測定は,前歯部および臼歯部の切縁部(咬頭部),中央部,歯頚部を計測部位として,メジャーリングデバイスを用いて行った.分析は,前歯部および臼歯部における計測部位とマウスガードシートの状態による厚みの違いについて二元配置分散分析を用いて行った.
    結果:前歯部については,切れ込みをいれたシートの中央部および歯頚部は,通常のシートのすべての部位との間に有意差を認め(p<0.01),厚みが大きくなった.臼歯部については,通常のシートおよび切れ込みをいれたシートにおいて,各計測部位の間で有意差が認められた(p<0.05およびp<0.01).また,シートの状態の2条件の間に有意差が認められ(p<0.05),切れ込みをいれたシートのほうが厚みが大きくなった.
    結論:マウスガードシートに切れ込みをいれる方法は,前歯部および臼歯部における厚みを確保でき,臨床上有用な方法であることが示唆された.
  • 中田 浩史, 鈴木 静夏, 渡辺 丈紘, 寒河江 登志朗, 谷本 安浩, 河相 安彦
    2012 年 4 巻 1 号 p. 76-84
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:本研究は卵巣摘出後のラットに低ミネラル食を摂取させることによる大腿骨骨幹端部の骨変化を明らかにすることを目的として,マイクロCTとTRI/3D-Bon BMDを用いた三次元マップ構築,骨塩量および骨体積測定を行った.
    方法:実験には48匹のラットを用いた.ランダムに抽出した16匹をコントロール群(グループ1)とし,20週齢時に疑似手術を行った後,普通食を与えた.残りの32匹には20週齢時に両側の卵巣摘出手術を施し,16匹ずつの2群(グループ2と3)に分けた.グループ2は術後に普通食を,グループ3は低ミネラル食を与えた.骨の観察時期は術後4,8,16および24週とした.
    結果:カラースケールによる海綿骨の三次元マップ構築では,皮質骨に近接する一部の領域で高い骨密度を示す橙色が,骨髄に面する内表面ではそれぞれ中間的な骨密度,低い骨密度を示す緑色と水色が示された.皮質骨および海綿骨ともに,その骨塩量は24週においてグループ1 に比較してグループ2と3で有意に減少した.骨体積は24週においてグループ1と比較してグループ2と3で有意に減少した.
    結論:卵巣摘出によって起こるエストロゲンの分泌低下が,低ミネラル食摂取による海綿骨量の減少に影響を及ぼしている可能性があり,三次元マップ構築は骨密度を三次元の疑似カラーで表示することが可能で,骨粗鬆症や骨疾患の診断に有用であることが示された.
専門医症例報告
  • 太田 祥一
    2012 年 4 巻 1 号 p. 85-88
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    症例の概要:下顎のインプラントと天然歯の連結ブリッジ除去後に全部床義歯を装着し調整を繰り返したが,粘膜の疼痛が消退せず,咀嚼障害を主訴に紹介受診した患者に対し,粘膜の被圧変位量の少ない顎堤過吸収症例に透明レジンを用いた個人トレーによる印象法で全部床義歯を作製した.
    考察:透明レジンを用いた個人トレーによる印象法は,従来の選択的加圧印象に比べ,粘膜の被圧変位量の少ない部位を直視下にて緩圧するため,粘膜の疼痛の消退に効果的であったと考えた.
    結論:粘膜の被圧変位量の少ない顎堤過吸収症例には,透明レジンを用いた個人トレーによる印象法が有効であった.
  • 高瀬 一郎
    2012 年 4 巻 1 号 p. 89-92
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    症例の概要:患者は52歳の女性.上顎前歯部審美障害を主訴に来院,装着されているブリッジの支台歯は一部が保存不能と診断,抜歯となった.その結果,上顎切歯4歯連続欠損となったが,患者が固定性修復を強く希望,また両隣在歯を削りたくないとのことから同部にインプラントによる修復を行った.
    考察:ブリッジによる修復を行う場合,歯の切削を伴う.本症例ではインプラントを用い,これを支台とすることで健全歯の保存を行うことができた.
    結論:前歯部中間欠損に対してブリッジからインプラント修復への移行により残存歯の保全が図られ,審美性,機能性からも満足が得られ,有効な治療法であることが示された.
  • 山田 淳
    2012 年 4 巻 1 号 p. 93-96
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    症例の概要:患者は64歳,女性.義歯に対する強い違和感を主訴に来院.ブリッジの支台歯を抜歯したことにより可撤性義歯となったが使用できなかった.そこで歯欠如部に対しインプラントによる補綴処置を行い,残存歯の不良補綴装置をインプラント部と同時に最終補綴装置へと変更した.
    考察:歯欠如部をインプラントによる固定性補綴装置にしたことにより口腔内の違和感はなくなり患者の満足を得られた.また,インプラント部と残存歯の不良補綴装置を同時に修復することで良好な歯冠形態と咬合関係を付与することができた.
    結論:本症例では,歯欠如部に対してインプラントを用い残存歯の不良補綴装置を併せて一口腔単位で補綴治療を行うことで良好な結果が得られた.
  • 白石 康博
    2012 年 4 巻 1 号 p. 97-100
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    症例の概要:患者は73歳の女性.舌右側亜全摘および上下総義歯不適合による咀嚼障害,審美不良を主訴に来院した.機能回復を目的とし,マウスボリュームおよび顔貌の回復を考慮した治療用義歯を使用し,義歯の支持,筋平衡,維持,咬合平衡を獲得した新義歯を製作した.
    考察:マウスボリュームを適切に回復した治療用義歯の使用で,口腔周囲筋や舌と調和した形態を導き出すばかりでなく,最大限の機能を引き出すことができたと考えられる.
    結論:本症例では,舌右側亜全摘および高度顎堤吸収を伴う患者であったが,適切な治療用義歯を使用したことにより審美性と口腔機能が回復し,現在まで良好に経過している.
  • 磯貝 文彦
    2012 年 4 巻 1 号 p. 101-104
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    症例の概要:患者は65歳の上下無歯顎の女性.義歯装着時疼痛と味覚異常を主訴に来院した.上下顎全部床義歯不適合に伴う咀嚼障害,口腔カンジダ症に伴う味覚障害の疑いと診断した.口腔内の改善後,フレンジテクニックを利用した上下全部床義歯の製作を行った.
    考察:シェーグレン症候群を有する患者に対し,投薬,口腔清掃指導を行い,強皮症患者の主要症状である皮膚機能制限に対し,フレンジテクニックの応用により義歯を再製することで,機能的な義歯を製作することができ,咀嚼機能の回復が可能となったと考えられる.
    結論:フレンジテクニックの応用により,有病者に対し機能的に満足の得られる上下顎全部床義歯の製作が可能となった.
  • 渡邉 恵
    2012 年 4 巻 1 号 p. 105-108
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    症例の概要:患者は72歳の男性.上顎全部床義歯の不適合と離脱を主訴に来院した.診察により強い咬合力およびグラインディング傾向の強い咀嚼ストロークが推測された.上顎にインプラントを支台とする固定性上部構造を,下顎に金属床義歯を装着し,4年経過現在まで良好な状態が保たれている.
    考察:インプラントを支台とした固定性上部構造と下顎金属床義歯により,臼歯部の安定した咬合支持を確立したことで,グラインディングに対抗する十分な機能回復を提供できたと考える.
    結論:アイヒナー分類C2症例に対し,インプラント支持固定性上部構造による補綴治療を行うことで良好な結果が得られた.
  • 松村 晋吾
    2012 年 4 巻 1 号 p. 109-112
    発行日: 2012/01/10
    公開日: 2012/07/18
    ジャーナル オープンアクセス
    症例の概要:患者は77歳,男性.過去に数度,義歯の再製作を繰り返したが咀嚼および発音時における義歯の安定が改善されず,義歯の不安定を主訴に来院した.初診時口腔内は,上下無歯顎であり,上顎と比較して下顎が前方位に位置していた.
    考察:顕著な下顎前突症の無歯顎患者に対する補綴処置に際して,頭部 X線規格写真から上顎模型の咬合器装着基準を求めたが,それを基に構築された咬合関係により,最終補綴物の維持・安定性が改善され,良好な経過を得られたと考えられる.
    結論:下顎前突を伴う上下無歯顎症例の補綴物製作に関して,頭部 X線規格写真を応用することは有用な診断基準となることが確認された.
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