日本口蓋裂学会雑誌
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17 巻, 4 号
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  • 塚田 貞夫
    1992 年 17 巻 4 号 p. 267-275
    発行日: 1992/10/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 山下 公一
    1992 年 17 巻 4 号 p. 276-284
    発行日: 1992/10/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 顎顔面成長の視点から
    須佐美 隆三
    1992 年 17 巻 4 号 p. 285-293
    発行日: 1992/10/31
    公開日: 2013/02/19
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  • 第2報 時間および運動速度の計測
    黒川 正人
    1992 年 17 巻 4 号 p. 294-303
    発行日: 1992/10/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症14例と粘膜下口蓋裂8例を術前の鼻咽腔造影X線映画を用い軟口蓋・咽頭側壁およびパッサーバン隆起の運動時間および運動速度を比較検討し,以下の結論を得た.
    1)軟口蓋および咽頭側壁の運動開始から最高位に達するまでの時間,運動が最高位を持続している時間・運動が戻り始めてから安静に戻るまでの時間は両者間に有意の差はなかった.
    2)両者ともに咽頭側壁の運動開始は軟口蓋の運動開始より約50msec遅れていた(有意差は先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症は1%,粘膜下口蓋裂は5%).
    3)パッサーバン隆起の運動開始は軟口蓋よりも170msec遅れていた(有意差5%).
    4)先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症と粘膜下口蓋裂ともに軟口蓋と咽頭側壁の運動が最高位に達している持続時間はばらつきが大きかった.
    5)軟口蓋の運動速度は両者間で差はなく,約20mm/msecであった.
    6)咽頭側壁の運動速度は粘膜下口蓋裂が先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症より有意水準5%で速かった.
  • 堀内 隆作
    1992 年 17 巻 4 号 p. 304-332
    発行日: 1992/10/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    遺伝的関与の高い,自然発生口唇裂に関する因子を追及する目的で,口唇裂口蓋裂自然発生マウスであるCL/Fr系,A/J系マウスと対照群のddY系マウスを用い,胎齢,尾体節数を基準として上唇形成過程を比較し,以下のごとき結果を得た.
    1.CL/Fr系,A/J系はddY系と比べ,着床後の吸収,死亡率が高く生存率は低下傾向にあった.
    2.胎仔の口唇裂の披裂形態はCL/Fr系,A/J系とも両側性口唇裂の割合が高かった.また,ddY系には口唇裂は一頭も認められなかった.
    3.胎齢経過過程において,CL/Fr系,A/J系は,ddY系に比べ,頂讐長,尾体節数において発育の遅れが認められた.さらに,CL/Fr系とA/J系の比較においては,CL/Fr系にいっそうの発育の遅延が認められた.
    4.顔面ステージによる分類では,同一尾体節数において,CL/Fr系,A/J系は,ddY系に比べ顔面発育ステージが遅延する傾向にあった.CL/Fr系とA/J系との比較においては,CL/Fr系に若干の形成の遅れが認められた.
    5.顔面隆起の発育の方向において,ddY系およびCL/Fr系,A/J系の正常群では内,外側鼻隆起が引きつけ合うように癒合しているのに対し,CL/Fr系,A/J系の口唇裂群では,内側鼻隆起の外側への発育が悪く,下方へと発育し,経時的に内,外側鼻隆起の離開は進行していた.
    6.ddY系およびCL/Fr系,A/J系の正常群のイスマス部での癒合にあたって,細胞が経時的変化を示しているのに比べ,CL/Fr系,A/J系の口唇裂群においては,正常群で観察された変化が認められなかった.
  • 第一報:第二大臼歯鋏状咬合の発現率と発現機序に関する検討
    糠塚 重徳, 富沢 康彦, 吉村 研一, 東福寺 直道, 手島 貞一, 三谷 英夫
    1992 年 17 巻 4 号 p. 333-339
    発行日: 1992/10/31
    公開日: 2013/02/19
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    口唇裂口蓋裂者の歯科矯正治療を行う際に遭遇する大臼歯部の咬合異常,特に第二大臼歯の鋏状咬合に注目して発現頻度,裂型との関連性,発現機序について歯列石膏模型を用いて調べた.
    結果
    1.口唇裂口蓋裂者大臼歯部における頬舌的な咬合様式は,第一大臼歯では正常型から交叉型,第二大臼歯では正常型から鋏状咬合への分布が認められた.
    2.口唇裂口蓋裂者に発現する第二大日粛の鋏状咬合は,裂型との因果関係が強く,特に口蓋裂を有する者に有意な発現が認められた.
    3.口蓋裂を有する者における鋏状咬合は,第一大臼歯の咬合状態(交叉型,正常型)に関わりなく発現が見られた.
    4.第二大臼歯の鋏状咬合は,同歯の頬側転位によって発現するものと考えられ,その原因として口蓋裂閉鎖手術が関連するものと推察された.
  • 最近6年間の症例について
    小野 和宏, 大橋 靖, 中野 久, 飯田 明彦, 神成 庸二, 磯野 信策
    1992 年 17 巻 4 号 p. 340-355
    発行日: 1992/10/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    合併奇形をあわせもつ口唇裂口蓋裂児,特に重篤な症例や多発奇形を有するものの適切な管理や治療体系の確立を目的に,最近6年間に新潟大学歯学部附属病院第二口腔外科を受診した一次症例208名のなかで合併奇形をもつ54名について,病態ならびに治療につき臨床統計的に検討し以下の結果を得た.
    1.合併奇形をもつものは54名,26.0%であった.裂型別合併率は口蓋裂で高く,唇裂や唇顎裂では低い結果であった.また複数の奇形をもつものが54名中半数を占めていた.
    2.合併する他種奇形は,小下顎症,四肢の奇形,心奇形などが多かった.
    3.症候群と診断されたものは28名で,Pierre-Robin症候群19名,vander Woude症候群2名,cerebrocosto-mandibular症候群,Apert症候群,asplenia症候群,Beckwith-Wiedemann症候群,Cornelia de Lange症候群,Larsen症候群およびclefting/ankyloblepharon症候群が各1名みられた.染色体異常を4名で確認した.
    4.他種奇形合併単独群と重複群,さらに軽症と重症に分類したところ,重篤な合併奇形症例は染色体異常児や症候群患児など複数の奇形をもつものが多く,頭蓋の奇形,眼の奇形,小下顎症,四肢の奇形,心奇形などを高率に合併していた.なお,染色体異常を有する4名中2名は乳幼児期までに死亡し,頭蓋の奇形をもつ9名は全例精神発達遅滞を呈した.
    5.Hotz床は吸畷障害およびPierre-Robin症候群の吸気性呼吸困難の改善に有効であった.
    6.心奇形合併例15名中11名で唇裂または口蓋裂の手術が施行されており死亡例はなかった.手術にあたっては小児科や麻酔科など専門各科との十分な連携のもと,外科的侵襲の少ない術式の選択が行われていた.
    7.精神発達遅滞を有するものも,身体的状況が安定していれば積極的に口蓋形成手術を行っていた.
  • 歯と咬合の異常について
    鬼久保 平, 高橋 政人, 吉川 正芳, 高 大松, 会田 泰明, 岩本 矢栄子, 林 恰君, 中村 元興, 清村 寛
    1992 年 17 巻 4 号 p. 356-365
    発行日: 1992/10/31
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    明海大学歯学部附属明海大学病院(旧城西歯科大学附属病院)において,1970年に開設されてから1991年までに当科を受診した口唇裂口蓋裂患者で矯正資料の整った者全77名の歯科矯正学的な問題点を把握するため,歯と咬合の異常について観察を行い,以下の結果を得た.
    1.裂型別分類において唇顎口蓋裂は57.1%と最も多く,次いで唇顎裂が23.4%,口蓋裂が19.5%であった.部位別分類では唇顎口蓋裂において左側が全体の35,1%と最も比率が高かった.
    2.性差につV・ては,全体として男性が38人(49.3%),女性が39人(50.7%)とほぼ同数であった.裂型別では,唇顎口蓋裂が男性に多く,口蓋裂では女性に多かった.
    3.Hellmanの咬合発育段階による分類では,III Bが最も多く,III A,IVA,III C,HCと続V・た.
    4.∠ANBによる上下顎骨の近遠心的相互関係の分類において,Hellmanの咬合発育段階別では,HC以外各stageとも,下顎に対して上顎が後方に位置しているものが多かった.裂型別では,片側性唇顎口蓋裂,口蓋裂は下顎に対して上顎が後方に位置しているものが多かった.両側性唇顎口蓋裂では,下顎に対して上顎が前方にあるものが多かった.
    5.第一大臼歯の咬合関係はAngleの分類を用いると,II 級(subdivisionを含む)が33.8%,III 級(subdivisionを含む)が32.5%,1級が29.9%であった.
    6.交叉咬合の分類においては,totalcrossbiteを示すものが35.0%と最も多く,前粛部のみが26.0%,前粛部と片側側方歯部では15.6%であった.
    7.先天的欠如歯を有するものは,全体の76.6%であり,部位別では上顎左側側切歯が最も多く欠損していた.
  • 調査用紙とアンケート用紙から
    佐藤 登, 保田 隆二, 会田 泰明, 高 大松, 横川 早苗, 中村 元興, 清村 寛
    1992 年 17 巻 4 号 p. 366-372
    発行日: 1992/10/31
    公開日: 2013/02/19
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    明海大学病院(旧城西歯科大学附属病院)矯正歯科を受診した口唇裂口蓋裂患者を対象に,その実態調査を行った・調査項目は患者の出生状況に関するもの,受診動向に関するもの,および口唇裂口蓋裂患者の治療体系に関するものとした.調査結果より,以下の事が判明した.
    1.患者の出生状況に関する調査同胞数2人が全体の70.5%を占め,同胞数1人は4.9%と少なかった.患者を出産した時の母i親の平均年齢は27.4歳であった.授乳時の乳汁栄養法では,母乳のみが5.3%ときわめて低率であった.
    2.患者の受診動向に関する調査裂の一次形成手術を受けた医療機関の所在地は,東京都が最も多かった.患者の居住地は93.5%が埼玉県内であった.また,矯正治療を勧めたのは,歯科医と形成外科医が多かった.
    3.患者の治療体系に関する調査口唇裂の一次形成手術の時期は,生後6か月までに集中していた.口蓋裂の一次形成手術の時期は0歳から2歳までが,65.5%を占めてV・た.唇顎口蓋裂,および口蓋裂患者のうち約半数が言語治療の経験者であった.矯正初診時の平均年齢は10.2歳で,年齢別では8歳と9歳が多かった.
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