動物臨床医学
Online ISSN : 1881-1574
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19 巻, 4 号
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Original Article
  • 浜岡 将司, 藤岡 透, 長井 新, 江畑 健二, 石原 直子, 瀬戸林 政宜, 福田 新, 高岸 領, 藤岡 荘一郎
    2010 年 19 巻 4 号 p. 107-112
    発行日: 2010/12/31
    公開日: 2012/02/07
    ジャーナル フリー
    ASA分類1,2の犬48臨床例に対しメデトミジンとミダゾラム(MM)を投与し,気管挿管後イソフルランと酸素で麻酔維持を行った。自発呼吸で維持し動脈血液ガスを分析した後,35症例で人工呼吸に変更し13症例では自発呼吸を維持し,15~30分後に血液ガスの分析を行った。ただし自発呼吸時にEtCO2が45 mmHgを超えた場合は,10秒に1回補助呼吸を用手で入れた。その結果,人工呼吸を行った場合pH,PaCO2,PaO2/FIO2(P/F ratio)および肺胞気-動脈血酸素分圧較差(P(A-a)O2)で有意な改善が認められた。結果よりMMを麻酔前投薬として用いイソフルランで麻酔維持を行った場合,換気能や肺の酸素化能の低下が示唆された例があった。また人工呼吸時にはこれらの症状が改善したため,MMを麻酔前投薬として用いイソフルランで麻酔維持を行った症例では人工呼吸を行う意義があると考えられた。
  • 川辺 睦, 山田 一孝, 花元 克巳, 迫田 晃弘, 片岡 隆浩, 山岡 聖典
    2010 年 19 巻 4 号 p. 113-117
    発行日: 2010/12/31
    公開日: 2012/02/07
    ジャーナル フリー
    獣医療でX線撮影を実施するにあたっては,獣医療診療従事者等(獣医師および動物看護師,以下従事者等とする)による用手保定が必要になることが多い。このため,多くの検査で遠隔操作が可能な人間医療より従事者等の被ばくが高くなる可能性がある。しかしながら,これまでわが国における従事者等の被ばくに関する報告はほとんど見あたらず,正確な実態をつかめないのが現状である。また,体幹部防護衣を着用した従事者等は不均等被ばくの様態を呈し,測定基本部位のみのモニタリングでは実効線量を過小評価するおそれがある。そこで本研究では,一般的なX線撮影を用手保定法により行うときの従事者等の被ばくを,体幹部防護衣着用の前提で実効線量により評価した。その結果,90 kV,4 mAsで体厚20 cm程度の動物を撮影するときの従事者等の実効線量は約2.4 μSvとなり,1週間につき160回程度の撮影で年間の線量限度に達する見込みであることがわかった。
Case Report
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