地学雑誌
Online ISSN : 1884-0884
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78 巻, 2 号
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  • 坂 幸恭
    1969 年 78 巻 2 号 p. 51-63
    発行日: 1969/04/25
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    1) 紀伊半島西部有田川流域で, 秩父累帯中央部に沿つて発達している白〓系の分布地域は, 従来, 「盆地」と呼ぼれて来たが, 今回これを新しく「有田川地溝帯」と呼ぶことを提唱した。
    2) 有田川地溝帯の東端部には, 上部白堊系浦河統上部階~ヘトナイ統下部階の二川層の下半部のみが分布しており, 数本の背斜・向斜を形成している。
    3) 地溝帯は東を南北性の板尾断層によつて断たれている。板尾断層は, 一部, 従来地溝帯の東限をなすとされていた断層の東側を走つており, このため二川層の分布地がかなり東方まで延びていることが明らかとなつた。また, 二川層は北側で伏羊-二川断層を以つて秩父系と, 南側で清水-板尾断層を以つて上部ジュラ系井谷層と, それぞれ接している。後者の断層が仏像構造線に相当するという考えには疑問がもたれている。これら2本の断層の一部には小規模ながら蛇紋岩の貫入が見られる。
    4) 二川層に見られる褶曲はいずれもmalor foldでminor foldは発達していない。軸部における地層のcrumplingは認められず, 軸は一般に西に向つて傾斜している。このうち, 1本の背斜軸の東方延長には基盤の秩父系が地溝帯内に露出しており, 地質図上で酉に閉じた模形をした秩父系小地塊をなしている。
    5) 秩父系小地鬼と周辺の二川層とを観察した結果, 有田川地溝帯東端部における二川層の褶曲と基盤の変形との関係について次のように結論した。 (1) 基盤が地溝帯の伸張方向と平行な, 狭長ないくつかの地塊にわかれ, これらの地塊が差別的な運動をした結果, 上にのる二川層に褶曲が生じた。これらの地塊の境界は明瞭な1本の断層ではなく, 連続のわるい小断層の集合から成ると考えられる。 (2) その後, 別の地塊運動が起り, 基盤は褶曲した二川層をのせて西に向つて傾動した。このため, 各褶曲軸も西に向つて傾斜するようになり, また, 背斜部ではその東半部で二川層が削剥されて基盤が露出するに至つた。
  • 小林 貞一
    1969 年 78 巻 2 号 p. 64-70
    発行日: 1969/04/25
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 浜田 隆士
    1969 年 78 巻 2 号 p. 71-76
    発行日: 1969/04/25
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 醇
    1969 年 78 巻 2 号 p. 77-80
    発行日: 1969/04/25
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 堀 信行
    1969 年 78 巻 2 号 p. Plate1-Plate2
    発行日: 1969/04/25
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
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