測地 (I) 部門においては, 地殻の変動を検出するための測量と重力の測定が実施される。広い地域にわたる垂直変動は, 精密水準測量を繰り返すことによって見出される。下記のA, 8, C3地域について, 各々約2000kmの一等水準路線の再測量が行なわれる。
A 北緯39°の緯線を中心とする幅約200kmの帯状地域
B 伊豆マリアナ島弧の延長線を中心とする同じ幅の地域
C 東経135°の経線を中心とする同じ幅の地域
各地域につき, 太平洋岸および日本海側に各1ヵ所, 計2ヵ所の験潮場があるようにする。一方水平変動は, 三角測量の繰返しによって見出される。近年発達した光電測距儀 (ジオディメーター) を用いて, 平均辺長20kmの菱形基線を測量することが計画され, A, 8, C各地域に1ヵ所計3ヵ所の菱形基線が設置される。この菱形基線は, また三角測量網の一部となるもので, 三角測量網の信頼度も向上することが期待され, 三角測量の繰返しによる水平変動検出にも役立つものである。
重力測定は, 地殻構造の研究に対して, もっとも重要な手段の一つであって, 重力値の地理的分布を調べることはその第一段階である。A, B, C各地域について, 水準点およびその他の多数の点で, 重力計による観測が行なわれる計画である。
海上重力測定は, UMP計画において, 非常に重要な意義をもつものである。この測定は, 海底地形調査, 地磁気などの観測と並行して行なわれ, 同時に島における重力測定も計画されている。
昭和39年度における各項目の事業計画について, 簡単にその概要をのべる。
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