画像電子学会誌
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40 巻, 3 号
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論文
  • 大石 則司, 包 躍
    2011 年 40 巻 3 号 p. 412-420
    発行日: 2011/05/11
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    凹レンズの二次元アレイを使ってインテグラルフォトグラフィ(IP)のorthoscopic imageを直接撮影する方法は古くから提案されているが,撮影画像の特性に関する研究例は知る限り報告されていない.本研究ではこの撮影法について問題点を理論的に示し,試作凹レンズアレイを使って撮影画像を評価する実験を実施した.その結果,撮影視域が30°(±15°)以下であれば,球面の凹レンズアレイで比較的リアルな立体像を撮影することができるが,より広い視域では要素画像のディストーションが大きくなり,光線角度の再現性が損なわれることがわかった.このような視域の大きい撮影では,表示装置に合わせて曲面形状を最適化した凹レンズアレイが必要であると考えられる.
  • 劉 賀, 長谷 博行, 東海 彰吾
    2011 年 40 巻 3 号 p. 421-427
    発行日: 2011/05/11
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    2枚の画像のみから,ホモグラフィ行列分解による三次元運動パラメータの推定において,複数解が生じる必然性(必ず解の曖昧性があること)はこれまで受け入れられてきた.しかしながら,ある条件においては唯一解が生じる場合がある.本稿はシミュレーション実験から考察を行い,(1)現実的には解の曖昧性は必ず生じるわけではなく,ある条件では唯一的な解が得られること,(2)唯一解と複数解が生じる比率は対象物の特徴領域の面積に依存すること,を示した.また本稿では,この現象に対して,(3)幾何的に説明し,唯一解と複数解が生じる場合について定性的な説明を行った.
  • Ladys RODRIGUEZ, Luis DIAGO, Ichiro HAGIWARA
    2011 年 40 巻 3 号 p. 428-438
    発行日: 2011/05/11
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    Image inpainting is very useful to restore or remove objects from digital images. Among several techniques to restore an image, exemplar-based inpainting is one of the most widely used. In instances in which large objects are removed, it dramatically outperforms earlier works in terms of both perceptual quality and computational efficiency. However, the exemplar-based approach has certain weaknesses such as high time cost and visual inconsistency in some cases with depth ambiguities. In this paper, we improve the exemplar-based approach by reducing the search space of exemplars. We obtain this reduction by using a combination of the wavelet transform of the image with an automatic computation of the search window. Numerical simulations show that the proposed approach considerably reduces the computational cost of original exemplar inpainting whilst keeps the quality of resulting images as good as in previous technique.
  • Tomo MIYAZAKI, Shinichiro OMACHI
    2011 年 40 巻 3 号 p. 439-447
    発行日: 2011/05/11
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    In graph-based pattern recognition, representative graph influences the performances of recognition and clustering. In this paper, we propose a learning method for generating a representative graph of a set of graphs by constructing graph unions with merging corresponding vertices and edges. Those corresponding vertices and edges are obtained using common vertices of a set. The proposed method includes extracting common vertices and correspondences of vertices. To show the validly of the proposed method, we applied the proposed method to pattern recognition problems with character graph database and graphs obtained from decorative character images.
  • 鈴木 章, 米村 俊一, 田邊 勝義, 安藤 慎吾, 森本 正志, 小池 秀樹
    2011 年 40 巻 3 号 p. 448-458
    発行日: 2011/05/11
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    本稿では情報流出の危険性を低減させることを目的として,遺伝的アルゴリズムを用いた特徴選択により勾配ベースの画像の特徴量の視認性を大幅に低下させる技術を提案する.画像識別で用いられる勾配ベースの特徴量は,適用範囲が広く,かつ識別精度も高いという優れた特徴を持つが,アピアランスベースの特徴量のため高い解像度で用いた場合には原画像が容易に類推できるという性質があり,顔画像にそのまま適用するとプライバシーの面で問題が生じる可能性がある.この問題に対して筆者らは,識別率をほとんど低下させずに特徴量の視認性を大きく低下させる,遺伝的アルゴリズムを用いた特徴選択の技術を開発した.提案技術の評価のために,筆者らは顔画像による性別識別のソフトウエアを組み込んだ特徴選択の実験系を構築した.実験の結果,提案技術が高い識別精度を維持しつつ特徴量の視認性を大幅に低下させることを確認した.
  • 中根 啓督, 斉藤 文彦
    2011 年 40 巻 3 号 p. 459-465
    発行日: 2011/05/11
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    本稿は,テンプレートマッチングを用いて,ディジタルムービーなどの動画像中の移動物体を追跡する手法を提案する.本手法では,正規化相関マッチングにおける相関度のS/N比に着目して,テンプレート画像の有効性を評価する.相関度S/N比を用いて対象物の特徴的な部分領域を推定し,対象物体の特徴にテンプレートを収束させることで,移動体の追跡を安定させる.また,形状変化に応じて,テンプレートを更新させることで,姿勢変化に対してロバストな追跡を実現する.実験では,提案手法が適宜テンプレートの更新を行うことで,予測できない姿勢変化をする物体の追跡を可能にし,より高い追跡性能を持つことが確認された.
  • 嶌田 聡, 鈴木 章, 米村 俊一
    2011 年 40 巻 3 号 p. 466-474
    発行日: 2011/05/11
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    足圧時系列画像から歩行時の足底の運動を評価する方法として,歩幅などによる量的評価やローリング・あおりなどの質的な評価が検討されているが,正しい歩き方を指導する点では必ずしも十分とは言えなかった.本稿では,踵,中足部や指の使い方などの足底の細部の運動を定量評価し,足底の部位の使い方を直接指導できる指標を提案する.提案する指標は,テンプレートを用いて足底を10個の部位に分割し,部位ごとの過重の時間変化を三角モデルで近似することで得られる,部位別荷重の最大値,最大となるときの位相と部位別荷重が発生している接地期間長の3種類のパラメータである.自然歩行時の足圧時系列画像から提案パラメータを抽出する実験を行い,個人の歩行の再現性が高く,歩行運動のバリエーションが評価できることを示した.また,これらのパラメータの歩行指導への適用について専門家へのヒアリングを行い,その有効性を確認した.
ショートペーパー
  • 長谷川 まどか, 田中 雄一, 加藤 茂夫
    2011 年 40 巻 3 号 p. 475-479
    発行日: 2011/05/11
    公開日: 2011/08/25
    ジャーナル フリー
    SN比は簡単で便利な画質評価基準として一般に多くの場で用いられている.しかし,カラー画像のSN比をどう求めるかについては必ずしも充分な検討や理解がされていない.よく見かける方法に,色成分ごとのSN比(dB値)を求め,その算術平均をカラー画像のSN比とするものがある.しかし,SN比として誤差電力の対数を用いる場合,一旦,各成分のSN比を求めてからその算術平均をとるのと,各成分画像の誤差電力の算術平均を求めてからその対数をとるのとでは値が大きく異なることがある.本稿では,複数の色成分を持つ信号において,各成分のSN比の算術平均をもってそのSN比としてしまうことの問題点を指摘し,カラー画像の場合を例にとって,各成分画像の誤差電力の算術平均からSN比を計算する場合と,各成分画像のSN比の算術平均からSN比を導く場合とを比較し,両者の数量的相違について考察する.
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