二重指数分布に従う品質特性値のばらつきの変化を管理する際,尺度母数をどう推定するかが重要なポイントになる.すなわち計算が容易で,位置母数の変動があるなら,それに影響されないものが望ましい.そのため本稿では,当該工程から一定間隔ごとに得られた一連の観測値に基づく移動範囲による尺度母数の簡便推定法を提案する.提案推定量は,モーメント推定量および最小分散線形不偏推定量に比べて,位置母数の連続的増加や突発的シフトなどの外乱に対して偏りが少ないことが検証される.さらに,移動範囲統計量を応用した二重指数特性値の尺度母数に関する管理図の設計法を示す.最後に移動範囲管理図の諸特性を調べ,従来の管理図との比較を行う.
抄録全体を表示