応用統計学
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9 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 工藤 昭夫
    1980 年9 巻2 号 p. 59-66
    発行日: 1980/12/15
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    遺伝学の基礎概念である,表現型,遺伝子型,遺伝子頻度,任意交配,近親交配,などについて述べた後,著者の工夫による,系図の二進法的表現を用いた方法で,近交係数を定義する.方眼紙に長方形を描き,近親交配の共通祖先に相当する部分に影をつけると影の部分の面積と全体の面積との比が近交係数に等しくなる.この計算方法は,性染色体上の遺伝子についての近交係にも利用できる.また,自殖が可能な生物,さらには,父親候補が複数あってその確率が既知な場合にまで適用できる.
  • 中村 剛
    1980 年9 巻2 号 p. 67-72
    発行日: 1980/12/15
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    観測値の逆数を使用することがある.素粒子の速度や運動エネルギーの計算,組み合わせレンズの焦点距離やバネ定数の計算等のように物理定数の決定においては特に重要である.それらの観測値は原理的には正の値しかとりえないが,近似的には正規分布に従うとみなされることが多い.中心極限定理によれば,多くの場合の観測値の平均値もまたそうである.このように,自然に正にtruncateされている正規標本の逆数のモーメントを調べるのがこの論文の目的である.この研究の動機は,この様な分布を扱う実験者は観測平均値やモーメントの値の逆数を用いた推定値を用いることがあるが,その推定値のバイアスや標準誤差については,良く知られていないと思われたことである,ここでの結果は,1/xmは1/μmの不偏推定量ではないが,μと標準偏差との比が十分大きければ良い推定値であること,また標準偏差自体が大きい時にはより良い推定値があることである.なお,ポワッソンと二項分布め場合には,1954年にE.L.GrabらがJASAに1/xの期待値の表をのせそいる.
  • 仮谷 太一
    1980 年9 巻2 号 p. 73-81
    発行日: 1980/12/15
    公開日: 2009/12/02
    ジャーナル フリー
    医学・生物学などにける追跡調査においては,事象そのものの悉無的な性質と,観察システムとの制約により,通常のような観測値が得られず,2つの観察時点の間にその事象が生起したという情報だけに限定せられる場合が少なくない.しかもそれら観察時点は個体ごとに異なるから,事象の生起時点を含む区間情報を,従来のグループ分けされたデータ,または,センサード・データとして取扱うこともできない.このような区間情報データの特色を明確にし,それらにもとつく母数推定の問題を定式化し,母数の最尤推定値の存在を示し,ついで反復推定手順による齲蝕歯牙年齢の推定について述べる。
  • 鎌倉 稔成
    1980 年9 巻2 号 p. 83-94
    発行日: 1980/12/15
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    指数分布に従う複数個の母集団から母集団選択を行なって2つのコンポーネントからなる直列システムを構成する際に,どの母集団を組み合わせても要求される信頼度R0よりもかなり劣るときには1-β以上の確率でどの母集団も選択しない(システムを作らない)で,いずれかの組み合わせがR0より十分に大きい場合には1-α以上の確率で選択し,P*1以上の確率で信頼度R0を保証するような母集団選択手法を与えた.
  • 杉浦 成昭
    1980 年9 巻2 号 p. 95-116
    発行日: 1980/12/15
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    昭和55年度共通1次試験の得点分布は正規分布が適合しないことが今年2月上旬新聞に報じられた.そこで正規分布の不適合はどの位か,よりよく適合する分布は何か調べたところ分布は負に歪んでいて,Johnson systemのSB分布が割によく適合することがわかった.SB分布により2つの母数を与えれば得点の順位と偏差値のわかる表を与えた.
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