応用統計学
Online ISSN : 1883-8081
Print ISSN : 0285-0370
ISSN-L : 0285-0370
27 巻, 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 年齢データを用いない解析から
    山田 作太郎
    1998 年 27 巻 2 号 p. 67-80
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    水産資源解析の一つの有力な方法にコホート法があるが,この方法は年齢データを必要とする.魚の年齢査定は一般に時間がかかり,精度もよいとは言えない.そこでもっと容易に観測されるデータに基づく解析が望まれる.本稿では水産資源解析における統計的問題について,漁獲量や漁獲努力量の様な基本的データは用いるが,年齢データを用いないときの資源解析についてリングコッドを例にとり紹介した後,実際上の問題点を指摘し,それについて若干の考察を与える.問題点としては,推定したいパラメータがたくさんある場合の問題,モデルの誤差構造がパラメータ推定に大きく影響を及ぼすときの問題,同じパラメータを複数のデータソースに対して用いて推定値が異なる場合の処理に関する問題などである.
  • 鈴木 義一郎
    1998 年 27 巻 2 号 p. 83-92
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    順序尺度のあるカテゴリカルデータに対して,隣あったカテゴリー間には1,2つ離れていれば2というように数値を与えてやれば,「平均差」に対応するもので散布度の尺度を与えることができる.また名目尺度のデータに対しては,異なるカテゴリー間全てに1の距離があるものと解釈すれば,同様の散布度の尺度が定義できる.
    『日本人の国民性調査』のデータを例に,これらの尺度が質問に対する回答パターンの相違を端的にはじきだすのに有用であることを示す.なお順序尺度の場合には,標準偏差とほぼ同じような値をとるが,平方値をとらないので,標準偏差よりも散布パターンを的確に与える尺度であることも示される.
    さらに,大相撲のデータなどの分析に対しても,これらの尺度が有用であることを示す.また,大相撲の各力士の勝相撲での決り手のパターンなどのように,カテゴリーの数が多いデータの散布度を捉えるときなどには,名目尺度のデータに対する散布度を多少修正して用いるほうがよいという事例も紹介する.
  • 永田 靖
    1998 年 27 巻 2 号 p. 93-108
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    統計的多重比較法の適用において,実務家から寄せられた疑問点を材料にして,「多重比較法に関する誤解・誤用」,「多重比較法を用いる際の注意点」などについて検討する.取り扱う内容は,「分散分析と多重比較法との関係」,「ノンパラメトリック法にっいての誤解と注意」,「Scheffeの方法やDuncanの方法について」,「対照群が複数個ある場合の考え方」,「検出力とサンプルサイズの設計について」,「毒性試験・薬効試験における多重比較法の適用の妥当性」などである.
feedback
Top