応用統計学
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44 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
フォーラム
  • 安宅 和人
    原稿種別: フォーラム
    2015 年 44 巻 3 号 p. 71-87
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル オープンアクセス
    多くの人がコンピュータを持ち歩くようになり,帯域が爆増した結果,コミュニケーション,調べ物,調達・物流,犯罪対応など世の中のほぼすべてが質的に変容した.富の創出もICT(情報通信技術)分野とその利活用に中心が移った上,現在の利益レベル以上に未来への期待を生み出すことが重要になった.今後この流れは止め難く,ほぼ全ての産業がICT化していく.ビッグデータの出現,計算能力の爆増,情報科学の進化が同時に起きている現在は「人間を退屈な数字入力,情報処理作業から開放」する情報産業革命のさなかにある.この革命的な変化の中で日本のビジネスが勝ち抜くためには,デバイス・領域を超えたマルチビッグデータ,強力なデータ計算力と情報処理技術,質と量で世界レベルのICT人材の3つが不可欠であるが,現状はいずれも国力に見合ったものとはいいがたい.特に人材は新卒層,専門家層のみならず,マネジメント層に至るまで深刻な状況.このような高スキル人材を,大きなスケールで生み出せ,再教育できるのは高等教育機関をおいて他に無い.アカデミアへの期待は大きい.
研究論文
  • 渋江 遼平, 竹村 彰通
    原稿種別: 研究論文
    2015 年 44 巻 3 号 p. 89-100
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル オープンアクセス
    開始時点と終了時点が指定されているような期間の限られた点過程のモデルとして拡張べきモデルを提案する.このモデルは上に凸な対数尤度関数を持ちパラメータの推定が容易である.本稿では拡張べきモデルの定義と性質を述べたのち,実際に行われたネットオークションのデータを用いてモデルを評価する.
  • 嶋村 海人, 川野 秀一, 小西 貞則
    原稿種別: 研究論文
    2015 年 44 巻 3 号 p. 101-117
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル オープンアクセス
    線形回帰モデルにおいて,lasso は回帰係数ベクトルの最尤推定あるいは最小2乗推定に罰則項として回帰係数のL1ノルムを付加した推定方法である.Bayesian lasso は,回帰係数パラメータの事前分布にラプラス分布 (両側指数分布) を想定することにより,lasso をベイズ理論の枠組みで捉える方法の一つである.構築したモデルの汎化能力は,事前分布を規定するハイパーパラメータの値に依存しているため,この値の選択がモデリングの過程において本質的な問題となる.また,従来手法によるモデリングは,モデル選択の信頼性に欠ける.これらの問題に対処するために本稿では,リサンプリング法とモデル平均化法を組み合わせた Bayesian lasso 回帰モデリングを提案する.また,提案手法の有効性を,モンテカルロ・シミュレーション,実データへの適用を通して従来手法と比較,検証する.
特集: マーケティング
  • 星野 崇宏, 佐藤 忠彦
    原稿種別: 編集前記
    2015 年 44 巻 3 号 p. 119
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル オープンアクセス
  • 新美 潤一郎, 星野 崇宏
    原稿種別: 研究論文
    2015 年 44 巻 3 号 p. 121-143
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル オープンアクセス
    企業が自社の情報を用いて自社顧客に関する情報を得ることは,企業活動を行う上で重要な課題のひとつである.その一例として,自社の顧客がどれほど競合他社を利用しているのかといった情報を得られることは,その後のプロモーションの策定などにあたって有用であると言える.そこで,本研究ではウェブで提供されているサービスに焦点を当て,消費者のインターネットへのアクセスログデータから計測したユーザ別アクセス・パターン情報について,新たにその「多様性」を定義した上で,ECサイト上での顧客行動との相関などの基礎的な性質を明らかにした.また,筆者らは自社および競合他社における閲覧,購買といった行動の予測を行い,多様性変数を用いた際に予測精度が改善することを確認した.さらに,このようなECサイトでの消費者の異質性を考慮するため,本研究においては多様性変数を投入しての消費者の自社サイトへの訪問間隔とその訪問ごとの購買の有無に関して,個人の変量効果を含む同時分布の推定を行った.通常このようなモデルは多重積分を含み解析が難しいが,本研究では積分段階的ラプラス近似法(integrated nested Laplace approximation: INLA)を用いることで,このような大規模なデータに関しても効率的な解析を実現した.
  • 伴 正隆
    原稿種別: 研究論文
    2015 年 44 巻 3 号 p. 145-160
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル オープンアクセス
    マーケティングでは,複数ブランドの中から一つのブランドを選ぶ消費者行動をブランド選択と呼び,この行動は消費者間の異質性を表現するために,階層ベイズ・ロジットモデルやプロビットモデルなど離散選択モデルでモデル化されるのが一般的である.本研究では新製品採用者を採用時間順にクラスタリングするブランド選択モデルを提案する.具体的には,時間順にクラスターを形成する制約を設けたディリクレ過程を事前分布にもつ階層ベイズ・プロビットモデルによって構築している.モデルの特徴として,(1)クラスター数の推定が可能となり,従って分析に際して事前にクラスター数を設定する必要が無く,(2)時間順にクラスターが形成されることで,クラスター間の区切りとなる変化点の推測がなされる.これにより消費者は市場反応の類似性を基準として新製品採用時間順に適切なクラスターに分類される.このモデルの推定結果はRogersのイノベーション普及過程や製品ライフサイクルマネジメントといった,時間順のクラスターを含むマーケティングの概念に対応した有用な情報を与えるものである.モデルはマルコフ連鎖モンテカルロ法によって推定されるが,とくにディリクレ過程のパラメータ推定にはメトロポリス・ヘイスティングス法をベースとしたNeal (2000)のサンプリング法をクラスタリング制約に対応させたもので行う.
  • ――階層ベイズ閾値ポアソン回帰モデルの提案――
    宮津 和弘, 佐藤 忠彦
    原稿種別: 研究論文
    2015 年 44 巻 3 号 p. 161-182
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/29
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,心理的財布と関連して,消費者の心的構成を考慮した購買点数の生起メカニズムをモデル化し,その現象を明らかにすることを目的とする.本研究では,①消費者の購買時における心的状況を表す心的負荷,②心的負荷と閾値パラメータの大小関係で心理的財布の切換が生じる構造を表現する階層ベイズ閾値ポアソン回帰モデルによる購買点数生起メカニズムの2つをモデル化する.モデルの推定は,マルコフ連鎖モンテカルロ法で実施する.小売店舗のID付POSデータを用いて実証分析した結果,消費者の購買意思決定には購買時の心的状況が間接的に影響し,心理的財布の違いによって購買点数の生起メカニズムに差があることを示した.また,副次的であるが,提案モデルを用いると消費者ごとの給料日が推定できることも示した.
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