年齢・時代・コホートの3効果を同時に考える,いわゆる年齢・時代・コホートモデルにおいて,任意の母数関数に対する簡単な推定可能性の条件を与える.推定可能な母数関数の中には,各効果の非線形成分,二次差分があるが,非線形成分を推定することの有効性を実例を通して述べる.また各効果に関する検定可能な標準帰無仮説は,非線形成分がすべて零という仮説であることが示される.二次差分だけを推定する有効性は疑わしい.
これらの結果は,標準コホート表のみならず非標準なコホート表に基づく分析にも同様に適用できる.実例としては,日本男性の肝硬変死亡と自殺の変遷データを用いる,
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