応用統計学
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5 巻, 1 号
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  • 集団検診データにもとづく直接最尤推定
    仮谷 太一, 赤坂 守人
    1976 年 5 巻 1 号 p. 3-18
    発行日: 1976/12/30
    公開日: 2009/12/02
    ジャーナル フリー
    個体のある特性値Xにつしいて,その個体が特定の反応を起こした時点での値X*を,その個体の標識とする.標本に含まれる個体の標識Xi*が直接には観測できず,それとは独立に観測されるXiの観測値xi毒に対し,Xi*≦xiまたはXi*>xiだけが,利用することのできる確実な情報である場合を考察する.X*が未知母数を含むある確率分布F(x,Θ)に従うと考えられるとき,こういった標本データにもとづき,グルーピングなどを行なうことなく,直接母Θを推定する問題を,川崎市および山形県における乳歯の集団検診データに則して展開し,両地域における乳歯の萌出年令分布の推定結果を提示する.
  • 橘高 知義, 岸本 智, 平松 惇, 脇本 和昌
    1976 年 5 巻 1 号 p. 19-28
    発行日: 1976/12/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    多次元データの重相関を考察する新しい手法に,連結ベクトルパターンによる方法がある.これは,従来の数値解法と異なり,2次元ベクトル図で表現された多次元データのパターンの視覚処理によるもので,データの相関構造が非線形の場合でも,部分的には線形の場合と同様な重相関度の判定ができる特徴をもっている.しかし,この視覚処理には,大局的見地からデータ構造の性格,重相関の様相を把握し得る利点とともに,類似のパターンから最終的に重相関度を判定するときの不確定さという弱点もある.
    この論文では,従来の2つの連結ベクトルパターンを比較するのに代って,2つのパターンから新たに定義するべクトル分離度を算出し,この分離度で形成されるパターンの視覚処理とその数値的処理とで,重相関度判定の精度を向上させる方法を提案する.この方法は,とくに非線形の構造を持つ多次元データの解析に有効で,データの相関構造やサブグループの重相関度の様相の適格な把握を可能にする.
  • 大塚 雍雄, 吉原 雅彦
    1976 年 5 巻 1 号 p. 29-39
    発行日: 1976/12/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    2変量の関係について,なめらかな曲線をあてはめることが不都合な場合,あるいは,あてはめるべきモデルが未知の場合に,連続的ないくつかの直線的傾向,すなわち,折れ線をあてはめる方法を検討した.折れ線としては,最高2つの折曲点をもつ3つの直線のあらゆる組合せを対象とした.折曲点が未知の場合には,折曲点を点として与えるか,あるいは区間にあると仮定するかによらて,折曲点の求め方は2つの方法に分けられる.いずれの方法も,手法的には線形モデルによる推定,検定方法を用いる.2つの方法について数値例をもって示すとともに,稲め登熟歩合の推移に関する適用例を述べた.
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