個体のある特性値Xにつしいて,その個体が特定の反応を起こした時点での値X
*を,その個体の標識とする.標本に含まれる個体の標識Xi
*が直接には観測できず,それとは独立に観測されるXiの観測値xi毒に対し,Xi
*≦xiまたはXi
*>xiだけが,利用することのできる確実な情報である場合を考察する.X
*が未知母数を含むある確率分布F(x,Θ)に従うと考えられるとき,こういった標本データにもとづき,グルーピングなどを行なうことなく,直接母Θを推定する問題を,川崎市および山形県における乳歯の集団検診データに則して展開し,両地域における乳歯の萌出年令分布の推定結果を提示する.
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